2026年3月1日日曜日

怪老人日乗:3月1日(日)有隣堂藤沢店トークイベント

およ、3月になったのか。というわけで2ヶ月間にわたる休暇はおしまい。まあ休暇といっても連載仕事は普通にあったし、夏場に出るものの準備や打ち合わせ、新刊プロモーションの稼働などがあったので、暇ではなかったのだけれども、ちょっとした空き時間に映画を観たり、本を読んだりということができたのでよかった。去年はこんなこともできなかったのだ。最近は世間から遅れること数光年、沖縄発のホラードラマ『疫(えやみ)』を見ました。全体のトーンはシリアスな事故物件ものなんだけど、役者さんがみんな地元の方で沖縄方言だから台詞の響きが柔らかく、どことなくほっこりしてしまう面もあり。

さて、昨日2月28日(土)は有隣堂藤沢店さんでのトークイベント。有隣堂藤沢店で「真冬のホラ-」というフェアをやることになり、その企画の一貫としてトークイベントを開催していただく運びになったのだ。書店さんからオファーをいただけるのはありがたいこと。基本的に私はライターになってからずっと同じような仕事をしているのだが(怪奇幻想系がメイン)それでも本を出すとこうしてお声をかけてもらえるのだなあと思う。感謝マン。

で藤沢である。正直行くまでは大旅行のような気がしていたのだが、横浜までは副都心線で一本、横浜を超えたら3駅目なので全然そうでもなかったです。金曜の晩はその準備、しゃべる内容をざっと組み立ててスライドを作る。といってもパワーポイントは使っていないのでJPEG画像をただただフォルダに突っ込んだだけである。この手の画像もcanvaのおかげでずいぶん作りやすくなった。ところでこの画像、自宅のモニターで見たらクリーム色くらいの感じだったのだけど、会場で映したらびっかびかの黄色で、やたらビビッドであった。阪神タイガース色であった(今スマホで見てみたらやっぱり黄色い。うちのパソコンは奥ゆかしいのであった)。



朝8時半の電車で出発。イベントは13時からだがその前に横浜に立ち寄り。みなとみらい線の元町中華街駅で降りて、坂をてくてく登って神奈川近代文学館へ。今神奈川ゆかりの作家展をやっていて、併設で平井呈一の展示があるのだ。今回の本では江戸川乱歩、平井呈一、紀田順一郎、荒俣宏の4人を大きく取り上げており、これは行かねばと思っていた。しかしなかなか横浜に行く機会はない。ちょうどいい機会だからとあわせて出かけてきたわけである。

横浜の山の手は雰囲気がいい。山から海が見下ろせて、坂道に西洋建築が建っているという町並みは、郷里函館とも似ているところがあるが、さすがに横浜は規模が大きい。公園も大きく、噴水もあって、素敵な雰囲気である。マリスミゼルのような格好をして歩き回りたい気分だ。あちこち豪邸が建っていて、何をしている人たちが住んでいるのかと思う。ベストセラー作家だろうか、社長だろうか(そのくらいしか富豪のイメージがない)。

で近代文学館、昔一度だけ来たことがあるはず。そのときは乱歩展で、紀田順一郎氏が館長をされていた時代だ。しかし周囲の雰囲気はなんとなく覚えていたものの、建物などは記憶になし。空いていた。まず神奈川ゆかりの作家の展示を見る。芥川龍之介の生原稿、自筆の河童の図をはじめ、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、中島敦、堀辰雄、中原中也など神奈川で生まれ育ったり、一時期住んでいたりした作家たちの遺品が展示されていて、興味深かった。

私は日本近代文学にはややアンビバレントな思いがあって、なんだか堅苦しくてつまらんと思うときもあるにはあるのだが、こうしてあらためて展示を見ると「好きだなあ」という思いが湧いてくる。私は結局好きなのだ、日本の近代文学が。私が近代文学に苦手意識を抱いたのは、大学研究のあの雰囲気であって、文学自体は好きなままであったようだ。そしてそういうものを好きになれたのも文学研究の場に触れたからという面も確かにあり、まあなんだか紆余曲折あって複雑なのだが、この年になってやっぱり好きだなと思えた展示であった。生きている間にもっと日本近代文学を読もう。それにしても芥川龍之介が描いた「耳を広げている人」の絵が不気味。クトゥルー神像みたい。


さて待望の平井呈一展である。平井の人生を一望する企画で、紀田順一郎、荒俣宏などが収集・寄贈したコレクションだという。感動したのは原稿である。アーサー・マッケン「恐怖」「弓兵」の生原稿に興奮する。怪奇小説の達人、平井呈一の直筆である。胸のあたりがぐっとつまったようになって、正直泣きそうでしたよ。愛用の万年筆、ペーパーナイフ、靴の形をした変わったインク壺など、平井呈一が仕事していた姿が浮かんでくるよう。俳句関連のものも展示されており、平井って「そっち方面」のいわゆる粋人でもあったんだよなあとも思う。江戸趣味の延長で怪奇小説をやっていた人で、芥川龍之介にも通じるスタンスだ。そのあたり無粋マンである私には到達できない世界であり、ぼんやり遠くから憧れているしかないのだが、文学館の売店にマッケンの文庫本が並べられているのを見たら、わーっと嬉しくなる。小規模ながら非常にいい展示だった。加山雄三のように感動。って分かんないだろうが、昔加山雄三が散歩して、あちこちで感動しまくる番組があったのである。『ちい散歩』の次の番組だ。




さてそうこうしてたらいい時間だ。藤沢に移動してお昼を食べねばならん。と思ったのだが20分くらいしかなくて、目についたミスドに入る。困ったらミスド、疲れたらミスド。コーヒーを飲んで気合いも入れたかったことだし。さらっと丸いもの(つまりはドーナツ)を食べて改札前に戻り、平凡社担当Aさんと合流。有隣堂藤沢店に向かう。




ほほーう、いい感じの本屋さんだああ。大きいし、品揃えもよくて、何フロアもある。古びたビルのたたずまいとしっくり馴染んでいて、いかにも地元で長年愛されてきた本屋さん、という感じである。東京ではあまり見ない光景だ。ホラーフェアも想像以上に充実したもので、こんなお店が近所にあったら通うだろなあ。私の本もたくさん販売してくれていました。





さてトークイベントである。当初予約が伸び悩んでいるようで心配したが、蓋を開けてみると会場のキャパちょうどくらいに埋まっており、ホッとしました。6階のホールにて13時からトークスタート。有隣堂の企画担当Nさんに司会に入ってもらいつつ、「ホラーを読む、ホラーを楽しむ」と題して1時間ほどお話しした。背後の窓には駅前ロータリー、電車の音がときどき聞こえる。いいロケーションである。

今何度目かのホラーブームであるという入り口から、「ホラーとは何か」という基本、さらに「なぜホラーに惹かれるのか」という問題を前半に。ラヴクラフト、キング、恩田陸の発言を紹介しながら、怖いものを娯楽として楽しむ人類って面白いですよね、というお話をしたような気がします。その場で話を考えながらだったので、どこまでうまく繋がったのか若干不安ではあるのだが、なんとか綱渡りで後半へ。

後半の30分では『日本ホラー小説史』の重要作品ということで、『リング』を取り上げて初刊本の書影とともに紹介。『リング』初刊本はあっちこっちで紹介しているので、若干高かったけどとっくに元を取った感があります。『リング』がホラージャンル形成にどれだけ大きな貢献をしたかという話から、戦後のホラー4賢人の功績を紹介して、令和のホラーブームの話に繋げておしまい。話し終わったら14時5分くらいで、計算したわけではないけど、まあまあきちんとおさまった。行き当たりばったりのアドリブ人生。

質疑応答コーナーでは今後のホラーはどうなるか、怖いもの見たさの感情とホラーの関係とは、昔の本の復刊についてなど興味深いご意見・感想をいただいて、私としてもいろんなことを考えるきっかけになった。サイン会にも多くの人が並んでくださり、芳林堂高田馬場店などではワニ絵を描くのが普通だけど、Xを見ていない方には意味不明かとも思い、オバケを主に描く。よく私のイベントに来てくださる方が練馬や船橋から来てくださって、とっても心強いことであった。あとはホラー小説ZINE『ウタ・カタ』を出している石原三日月さん、霜月透子さん、田原にかさん、『幻想と怪奇』のコンテストで佳作入選されたYoh クモハさんともご挨拶できました。皆さん、神奈川在住らしく、こっちで開催すると普段なかなか会えない方とも会えるのだなあと実感。よく有隣堂藤沢店のイベントに来ているという地元在住の方もいらしていて、いろんなご縁があったのです。リアルイベントはいいですね。

あとは二見書房のオカルト編集者小塩さんもわざわざ。平凡社からは社長さんが来てくださって、これまたザ・恐縮でありました。先日のラジオ収録に続き、土曜日のお休みなのに同行してくれた担当Aさんにはひたすら大感謝。編集さんなくては書き手というのは盆暗も同然なのである。少なくとも私はそうだ。お天気もよかったし、皆さんのおかげでイベントも成功だったし、羽生生純のマンガで太陽を見て「いい日和だ……」と呟く台詞があったけど(『恋の門』の多分2巻)、ほんとそんな感じの一日。

担当Aさんとは駅で別れ、藤沢駅周辺を散策。しかしいい感じで栄えてるなあ。近年地方都市は駅前に人がいないことも多いが、藤沢は便利なお店がぎゅっと駅周辺に凝縮しているようで、歩道橋を多くの人が歩いている。飲食フェスみたいのもやっていて、こたつに入って何か食べている人たちもいる。むふふ。楽しそうだ。遠方で仕事をするとこういう孤独のグルメ的な散策ができてありがたい。結局ぐるぐると歩き回るも、個人店っぽいお店は目に入らず、チェーン店でお昼を食べて帰る。帰りの電車もそれなりに長かったが、まあ同じ関東なのだしそこまで大変ということもない。また来よう、神奈川。いいとこだぜ。お夕飯は横浜で買った崎陽軒のシウマイ。




2026年2月25日水曜日

怪老人日乗:2月25日(水)

スイスイ滑る水曜日である。心臓が。どんどん滑っていく。テーブルの上を。向こうに落ちる、落ちる、落ちた……。

というわけで今日は水曜日なのであった。なんということであろうか、一週間でいうと4番目の曜日である。日から数えてだけど。というわけでちょうど真ん中へんなのである。人間でいうと脊髄にあたる曜日なわけだ。唐竹割りで真っ二つに裂ける一週間なのである。恐ろしいことだ。野蛮なことだ。

昨日はですね、ラジオの収録に行ってまいりました。文化放送の『サブカル電波道場』という番組です。この番組、YouTubeにアップされた当初から実はちょいちょい聴いてまして(ギンティ小林さんが出ていたので気づいた)サブカルな濃い人たちを呼んでる番組だなあ、と思っていたのですが(杉作J太郎さんとか、掟ポルシェさんとか、柳下毅一郎さんとか)まさかそこに呼ばれることになるとは。とはいえ最近はサブカル方面の著書を出したライターや研究者も出ているので、そういう枠で呼んでいただいたのでしょう。

アナウンサーの甲斐彩加さんをお相手に、『日本ホラー小説史』のことを30分ほどおしゃべり。平成と現代のホラーブームの違い、おすすめホラー小説など。私の素人トークはともかくとして、面白い番組になっていると思いますので聴いてみてください。文化放送で2月26日(木)19時~19時30分の放送です。その後YouTubeにもアップされるでしょう。文化放送に行ったのは初めてで、考えてみりゃラジオの収録もリモートや電話出演を除くと初めてでありましたが、平凡社担当さんが付き添ってくれたこともあり、なんとかこなすことができました。

今日は朝から雨。ずっと雨不足だったからいいのではないでしょうか。外に出る用事もないし、家でずっと仕事してるかあ。アンソロジーの目次案、ひーこらいって連休中にざっと終わり。あともうひとつあるからそっちも進めて、さらに確定申告その他もあるしなあ。



2026年2月23日月曜日

怪老人日乗:2月23日(月祝)

今日はあたたかな日であった。春めいているどころか初夏めいている。メーテルめいている。22℃もあったのだ。火葬場からなんまんだぶという声が聞こえてきそうだ。そんな日であるがほとんど家にいる。昨日は2万歩も歩いたのだった。万歩計がそう言っていた。しかし今日は家の中を歩き回るだけで、せいぜい数百歩。というわけでまずは昨日のことを書く。

昨日は朝から外出して亀戸天神の梅祭りを見る。亀戸天神、以前藤棚を見にきたことはあるが、梅祭りは初めてである。カメもあいかわらずたくさんいて楽しかった。ついでに子供の好きなアニメが錦糸町、押上界隈が舞台ということで聖地巡礼をする。警察署とか地下鉄の駅とか、こちらはよく分からないのだが子供は大いに喜んで、写真をパチパチ撮っていた。3次元と2次元が重なり合ったようで、なるほど聖地巡礼というのはAR的で面白いものだと思った。

錦糸町から浅草まで歩きへとへとになって池袋まで。池袋の西口公園、いうところの池袋ウエストゲートパークで休憩する。ドラマではカラーギャングとかがいたような気がするが、令和の今は知らないアイドルのフリーコンサートが開かれていた。どんな仕事でも人を呼ぶというのは大変だ。お客が100人くらいはいた。立派なものである。私はといえば次の土曜の書店でのトークイベント、東京から遠いせいかあんまりお客が集まっていないので、これを読んでいるあなたは必ず予約するように!さらりさらりと服屋(ルミネ)に駆け込んで春物を買って帰る。最寄り駅では銭湯に立ち寄った。外出の帰り道、銭湯に行っておくとうちに帰ってからお風呂の支度をやらなくていいから楽なのだ。

というわけで2万歩歩いた昨日だったのだ。仕事もちょっとはやったがさすがに疲れて就眠し、今日は朝からずっと部屋にこもっている。しかしこういう感じは久しぶりである。うーんむ、集中すると他のことが疎かになるし、部屋も汚くなるし、あんまりよくないね。でも集中しないと進まないんだよね。明日は某放送のラジオに出演、収録なのでまた放送日をお伝えいたします。バブーバブー。


2026年2月21日土曜日

怪老人日乗:2月21日(土)

どどーん。最近はタイマーをかけて暮らしている。前にも載せたかもしれないが、朝の支度などが苦手な子供用に販売されている視覚的に時間の動きが把握できるタイマーだ。それで30分タイマーをかけて日々暮らしていますが、30分の中をなるべく充実させるのが最近の生活指針で、仕事をしたり、本を読んだり、あれこれとぎゅっと詰め込むのである。無為にネットオークションなど眺めてしまうことが減って、いい気がしている。

さてこれからラジオに生出演である。10分後くらいなのであるが、その10分も有効に使うぜと思って日記を付けているわけだ。しかし日記に夢中になってラジオ出演を忘れてしまったらどうしよう、という不安がないわけではない。私はパーなのだ。北野誠さんの番組です。そのうちラジコなどでも聴けるようになるのかなあ。『日本ホラー小説史』を紹介してくださるようでありがたいかぎり。

さて日記。昨日は打ち合わせ一件。夏場はみんなお化け系の本を出したいので、打ち合わせがちょいちょい入る。某復刊企画に携わることになって、前々からのその作家の本をSNSで宣伝してきた私としては嬉しいのでした。そのまま飯田橋に出て某月刊誌の作業。なんだか疲れているのは、一昨日の晩、遅くまで起きていたからで、一昨日はアンソロジーの準備で珍しく0時過ぎまで起きていたのである。去年はこれが当たり前だったけど、最近はぐーすかぐーすか11時前には寝ることが多く、たまにがんばったらふらふらになってしまった。やはり仕事は身体に悪い。

来週もラジオが一件、そして書店でのトークイベントもあり、人前に出るから服屋でも覗いていくかあと昨日は池袋のパルコとかルミネとかを見た。こういう店って何歳まで行っていいんだろうか。しかし年を取ったらどこで服を買えばいいのか分からないな。しかし私は服屋に行くと、何を買っていいのか分からなくなりがちの人間なので(買い物下手)ただ眺めるだけで帰宅する。へろへろへろ。

忙しくて実は見ていなかった『飯沼一家に謝罪します』をやっと見る。何年遅れじゃ。『魔法少女山田』も実はまだ見ていない。『飯沼一家』はただ謝罪する話かと思ったら、ちゃんとオカルトだった。えがったえがった。残り2話。どうするアイフルどうなる飯沼。

追記・ラジオ出演無事おわり。『北野誠のズバリサタデー』というCBCラジオの午前中の番組であった。北野誠さんといえば心霊オカルト方面ではおなじみの方で、知り合いが結構絡んでいるので、私もついに誠サイドに来られた!と嬉しかったです。本についてもしっかりと読み込んでくださって感謝感謝でした。それにしてもラジコって、住んでる地域によっては聴けない番組があるのね。東海地方の番組は東京のラジコでは聴けないようだ(プレミアム会員登録すれば聴けるっぽい)。



2026年2月18日水曜日

怪老人日乗:2月18日(水)

 数日開いてしまった。ええとですね、昨日は打ち合わせをしていた。午後から家を出て、夕方に池袋着。某喫茶店、と名を秘すこともないので書いてしまうが椿屋珈琲にてS社の担当さんと打ち合わせ。去年から関わっている某対談集について。今後の流れをとりまとめる。あんみつおごっていただいた。ゲシシシシ。そんなこともなかったふりをして、夜は姉から届いたアイスクリームを食べたのである。それが火曜日。

日曜日はというと一日寝ていたんですねえ。金土日、珍しく風邪気味でありまして、日曜は特に風邪っぽくて、ぴえーんと寝ていた。寝ている間、本がいろいろ読めたからいいのだが。草野唯雄『怨霊島』など読む。『英国幽霊いまむかし』も途中まで読む。巻末のA・C・ベンスン、いかにもM・R・ジェイムズ派の書きぶりだが、ちょっと長すぎるのではないかい。門賀美央子さんにいただいた新著も届いてすぐに読む。

土曜日は来客。もとご近所さん一家が遊びにきてお好み焼き、シュウマイなど食べる。午後まるまる食べていた。金曜日に編集終えた映画を見せる。多分これを編集していたから風邪を引いたのだ。『ちくわぶ太郎』という1分半の自主映画である。ご近所さん、映画や本の趣味が合うのでいろいろ話が弾むのだが、なんと去年からコミティアに出ているらしく、いいなー、わたしも出たいなー、という話をする。しかしマンガは描けないからどうしよう。とにかく一度覗きに行ってみよう。

で月曜日。時間が飛ぶね。あっちこっちだ。月曜はそんなわけで風邪気味の続きであり、午後まで寝ていたのだった。夜は新宿、久しぶりだ。素肌にジャケットをはおった80年代アイドルみたいな男が駅を歩いていて、すげー町だなと思った。紀伊國屋書店で若林踏さんのトークイベント。対談でお相手は斜線堂有紀さん。ミステリのことを色々聞きながら、ホラーのことを色々と考える一夜であった。隣に座っておられたのが杉江松恋さんで、後でご挨拶する。お夕飯はイベント前にモンスナック。新宿のさらさらカレーの名店だが、相変わらずさらさらで飲めるようだった。杉作J太郎が「風邪の時はあえてカロリーの高いものを食べて身体をびっくりさせる」とエッセイに書いていて、それを真似してカツカレーを食べる。電車乗って帰宅。

で今日、天気良いので朝から外出。いろいろ仕事あるけれども午前だけだからよいであろう。奥さまの運転で埼玉県の浦和のあたりへ。今でいうさいたま市だが、昔でいう浦和である。バイクだと40分くらいといったところか。芋ようかんの舟和の工場直売所兼カフェがあるというので、そこへ来たわけです。芋ようかんのはさまったどら焼きを食べて、芋ラテを飲んであったまる。美味しかった。お土産買って帰っていたら、途上、カエルの石像がやたら建っている神社を発見、立ち寄る。カエルに縁のある神社らしく、狛犬までがカエルだ。それ以外にも数十のカエルがいる。面白いや。お参りして御朱印いただく。神社の奥さまがいろいろ説明してくれた(社務所に誰もいなかったので、張り紙にしたがって玄関ドアのチャイムを押したのである)。梅があちこちに咲いていた。春近し。

あ、そうそう。依頼をいただいて土曜日ラジオに出ます。生放送だが10分くらいだという。次の火曜日もラジオがあって来週の土曜日は藤沢でトークイベントなので、しばらくしゃべる仕事が続く。その合間にアンソロジーの目次作り、確定申告など済ませなければねえ、ムーミン。こっち向いて。グキッ。

2026年2月13日金曜日

怪老人日乗:2月13日(金)

会食の多い一週間である。昨日も某ホラー作家さん、編集さんと近所でごはん。その前に某ホラーマンガ家さんにオンライン取材し、午前中は某ホラー作家さんのインタビュー記事を仕上げて送ったから、なんだかホラー尽くしで充実した一日であった。

さて昨日の会食で聞いたのが、お二人とも脳の病気で入院しているという話。いきなり意識がブラックアウトしたりするらしい。そのときまわりに誰かいたらいいけども、運転中だったりしたらアウトである。おっそろしい。

『日本ホラー小説史』今回はあまりプロモーション稼働はないかなと思っていたけど、ちらほらと入ってきてイベントが2つ3つ、あとはラジオ出演。本当ならマンホールの上でぐるぐる回転してみたいのだが、それは別にひとりでやればいいのじゃないかと思うし、ぐるぐる回ることが本の宣伝になるかどうかは誰も知らない。喝。

2026年2月11日水曜日

怪老人日乗:2月11日(水)

祝日でありますね。今日は映画に行きます。サム・ライミの『HELP』に。北海道から友だちが2人上京していて、昔のようにホラーを見に行こうという話になったわけ。昨日は昼から会って青山のバルバッコア。わたしの印税で肉を食べる会なのである。いいだけステーキを食べて、へろへろになって池袋でおもちゃなど見てから、わたしの家に移動。夕飯食べて、リビングでわけの分からないアクション映画を撮る。わたしはちくわぶを口に入れて、誘拐されている人の役。アクションも何もなく呻いているだけだった。家庭用ビデオカメラが便利なスマホになっただけで、遊び方は20代の頃と変わってないなあ。

人が来たおかげで部屋がきれいになった。たまに来客があると整理整頓がはかどっていいですね。夜中は原稿をやる。けれども疲れて机で寝てしまった。

2026年2月9日月曜日

怪老人日乗:2月9日

怪老人日乗というのは、私の赤裸々な日々のデイを公開する日記なのである。いきなり説明してみた。何を言っているのだろう。書くことがないのだろうか。否、昨日遅くまで起きてて眠たいんです。「ネムイタンデス」というのはヨーロッパ系の人名のようだが、そんな人はいるだろうか。いたらコメントください。米一升送ります。

さて一昨日は土曜日か。土曜は寒いとか雪が降るとかいう説があったけれども、そこまでではなし。基本的には家にいたんだっけなあ。何か思い出せないが、そうだったような気がする。昼ご飯は弁当を作ってもらっていたので食べて、午後から部屋で動画編集などをしていたのだったと思う。あとはゲラ読みとか。夜になって雪が舞い始める。

そして昨日。起きたら一面の雪景色。10センチくらいは積もっている。しかもすぐ溶けそうな水っぽい雪ではなくて、しっかりとした雪である。おおと思う。窓の外は北国の景色であった。午前中はその中を歩いて近所の投票所まで。衆議院選挙。いきなりの解散で多くの人が迷惑を被ったことであろう。世の中、不意打ち、闇討ちなんでもありなのだなと思った。

夜は動画編集。ひたすら字幕を入れる作業。字幕ってなくてもいいじゃんけ、とも思うのだが、視聴者としてはあった方が見やすい、というかもうそういう試聴スタイルに慣らされてしまっている。テレビもそうなっているし、どうなんだろという気もする。まあ私はそこまで入れないのだが、ポイントポイントだけでも字幕を入れると、それなりの量になって、梵鐘の音を入れて編集終わったら深夜1時。アップロードして寝る。どこまで宣伝になるか分からないが、やらないよりはマシであろう。1冊でも2冊でも売れるならば。こういう小商いは嫌いではないし、あまり面倒でもない。

そいで今日は朝イチ芳一で飯田橋へ。某月刊誌の作業あって出かける。電車そこまで混んでおらず。朝8時台とか9時台、とんでもなく混んでる時もあればそうでもない時もあり、いまいちピークが分からん。仕事はすぐに終わり、そのまま池袋のジュンク堂とか隣駅の無印良品とかに寄って帰宅。たくさん歩いたがオーディブル聴いているのであまり苦ではなし。帰宅してお蕎麦食べ、まだお腹空いていたのであんパン囓る。蕎麦だけですませていればカロリーが抑えられたのに……と思う。原稿書きを夜中まで。なんだかんだいって2月もあんまり休めていないのである。しかしこのくらいのペースで仕事するのが、ほどほどでいいなあ。問題はそれだとまったく生計が立たないことだが。

2026年2月7日土曜日

怪老人日乗:2月7日(土)

怪老人日乗の始まりだあああああ。というわけで日記をつける。ところであれじゃないですか、カウンターが回っているじゃないですか。昨日の日記、10回くらいアクセスがあったようだ。このネットの広大な海で、10回というのは多いのか、少ないのか、いや無限に選択肢がある中で、アクセスするとIQがぐんぐん下がるとされているこのブログを閲覧する人が10人もいたというのは奇蹟、むしろ神秘。というわけで、ありがとうございます。やっぱり定期的に更新するのは大事だね。しかしだ、Xのフォロワーは9000人くらいいるのだが、ブログの閲覧が10人というのは、ほんとにもうブログの時代ではないのだなー。ブログで1億円稼ぐみたいな人はみんなミイラになったのであろう。墓石にはアフィリエイトと刻まれているだろう。喝。

というわけでですね、いきなり一段落も消費してしまった。これでいいのか。いいのか。おい、いいのか!牛乳を飲め!ええと金曜日はあちこちにメールを返信する。それだけで午前が終わってしまった。動きが遅い我ら。あちこちと新規案件打ち合わせの連絡。面白そうなアンソロジーの企画があって、楽しみなことである。今年はアンソロが結構出る年になりそうな。

午後はゲラ読みなどしていたら3時になり、結局ぎりぎりやんけと思いつつ慌てて身繕い。電車を乗り継いで浅草まで。加門七海さん、ボローニャ大学の日本語学研究者で翻訳者のステファノ・ロチーニョさんと会食をする。ステファノさんは綾辻行人、小野不由美などのホラー・ミステリをがんがんイタリア語に翻訳されている方で、今回来日されるのにあわせて加門さんがお引き合わせしてくださったというわけである。美味しい食事をいただきながら、ホラーの話をたっぷりと。ステファノさん、日本のホラーをかなりたくさん読まれていて(角川ホラー文庫をあんなに読まれているイタリア人がいらっしゃるとは、心底びっくりした)話が大いに弾む。楽しい夜でありました。

ステファノさんと浅草駅で別れて、帰宅したら22時半。お風呂でジュース飲みながら本を読む。本を読むと寝てしまうので危険なのだが、まあ今日は30分くらいしか寝なかったのでいいということで。ボルヘスを読む。風呂が突如アルゼンチン化した。

この土日は寒いらしい。週明けには北海道から友だちが上京してくるから飛行機無事飛んで欲しいのだけど。

2026年2月6日金曜日

怪老人日乗:2月6日(金)

キーーーイイイイインンン……と頭が割れそうな金曜日である。すでに頭が割れた人形が砂丘に突き刺さっている。よく見るとみんな同じ顔をしている。あなたのお母さんの顔をしている……。

と怪奇に始まったこの日記であるが、わたしの日常はまるで怪奇ではないのであった。平和なのであった。ひなたぼっこしているピザのような日常なのであった。なんじゃそりゃ。そういうわけで日記をつける。今日は夜お出かけ。これからしばらく夜の会食が続くのだ。どよんと太りそうである。若い頃は「いくら食べても太らない」という例のやつだったのだが、それは若い時のボーナスステージであって、今となっては普通に太るのである。腕立て伏せとかしているけど焼け石にスポイトだろう。去年あんまり人と会わなかったから、楽しい会が続くのはいいのかなーとも思いますけど。

今聞いている音楽。シモーヌ深雪『血と薔薇』。たたびたび紹介しているがこのアルバムは物憂くてロマンチックで本当に好き。澁澤龍彦系統の幻想文学直系の美学が流れていて、そこもいいですね。中古でもなかなか手に入らないから(私は当時新品で買った)気になったものはなんでも買っておけということだろう。で音楽にうっとりしている場合ではない。今日のご予定。ゲラ読み、メール返信、アンソロジーの妙案を求めてさまよう、夕方から会食。




昨日はといえば打ち合わせ。半蔵門のT社。毎年この時期に打ち合わせにきている。つまり年1回刊行のあれです。いろいろ厳しい状況でもあるようだが、なんとか続けていきたいものだ。企画の方向性をざっと決めて、寄り道もせずに帰宅する。行こうと思えばあちこち行けるし、時間の使いかたがうまい人はあちこち寄るのだろうが、夕方になると池袋駅が混雑するので、それもしんどいなと思ってそそくさと帰宅して自室でコーヒー飲む。ほっと一息。

一昨日は水曜日。家族で川越のほうに出かける。子供が社会科見学に行けなかったので(風邪を引いた)代わりに出かけようという主旨。川越に来たのは初めてである。西武線だけで来られるのに機会がなかった。食べ歩きのできる楽しい街でした。蒸したおまんじゅうにさつまいもとあんこが入っているのが美味しかった。お昼、ホワイト餃子(これも初めて食べた。発祥は千葉県らしいですが)を食べて明治のお菓子工場へ。学校の社会科見学で本来ここにくるはずだったのである。チョコレート工場のあれこれを80分ほど見学。当然だがウォンカさんもウンパルンパもいなかった。それにしても明治、カールをもう作っていないのにカールおじさんの像は建っているんだな。のんびりできた楽しい一日でした。

しかし一日遊んでしまったのでその分の仕事を夜中やる。仮眠して午前1時から朝の9時までぶっ通しで働いた。

その前の日、つまるところ火曜日は取材一本。この日は受ける方。午前中はその準備などに費やす。昼頃に家を出て、渋谷の某メディアで某ミステリ評論家さんと対談。といってもそのうち記事が出るだろうから言ってしまうと若林踏さんである。お互いの著書について語り合う。「この本はホラー作家だけでなく、紹介者にもスポットを当てている。これを読んで、ホラー評論をやりたいという人が出てくるのではないか」と言ってもらえたのがとても嬉しかった。そうなのだ、そういうことを自分で書きたかったのかもしれない、と気がついた。ありがたいことであった。ホラー評論家、少ないのですよねえ。アカデミックな方面でやられている方、翻訳家を兼ねている方などを除くと、片手で数えられるほどしかいないだろう。

いい天気だったが寒い日だった。コーヒー屋に立ち寄って推薦文を頼まれていた某ホラー著編を再読、コメントをまとめてスマホから送る。夜は『破墓(パミョ)』を見た。おそばを食べているつもりがトンカツが出てきた、みたいな不思議な映画だった。あらかじめトンカツ映画だと思っているかどうかで評価が分かれそうなところではある。

月曜日は何をしていたかなー。覚えていないので日記はこのあたりで。おほほのほ。土日は寒いらしい。今日はあったかいらしい。どっちやねんの介。