いやあ、なんだろう。月刊誌の仕事がなくなったらめっちゃ体が楽である。この体がすっきりした感じ、中央線から西武線に引っ越した時のことを思い出す。以前は中央線の西国分寺駅から中央線で仕事に出ていたのだが、電車が混んで混んで、特に夕方のくだり電車なんて、乗り込むだけでも大変で、本なんて読めたものじゃなくて、それを何年間も続けていたら、体がすっかり参ってしまったのである。で西武沿線に引っ越したら、こちらの混み方はまだ常識的で、席取り合戦もそこまで殺伐としている感じでもなく、だいぶ体が楽になった覚えがある。最近は週に何度か出かけていた飯田橋の仕事がなくなったから、その分また落ち着いて暮らせるようになった。ってこれ半ば隠居じゃないかと思うのだが、ほんとの隠居にならないように真面目にフリーランス生活を送りたいと思っております。
さて昨日はそんなわけで原稿書き。帰省した時に、友人からもらった南部せんべいを齧りながらやる。南部せんべいというのは東京でも売っているけれど、米でなく小麦粉で作ったせんべいである。落花生が入っていたり、黒ごまが練り込まれていたりするが、わたしが好きなのは例によって落花生の入っているやつで、これを仕事をしながら齧ると、頭がシャキッとクリアになり、脳の中にはねぶた祭りがラッセラーラッセラーと展開し、恐山から真っ赤な血の色が滴ってくるのだった。というのは大げさだけど、ふつうに美味しいのでよく食べるんですね。と書いていて思ったけど、南部せんべいって岩手でも売ってるし、厳密にいうと青森県でも「南部」と「津軽」では文化が異なるはずだけど(青森市や弘前市は津軽)まあいい。ざっくり東北のうまいお菓子=南部せんべいということでご理解いただきたい。この段落無駄に長いな。
先日ふとしたことを検索していたら、大森望氏のブログがヒットして、懐かしい思いで読んだ。あの頃は(1990年代から2000年代)ブログをしている作家・評論家が結構いて、そういうのをちらちら読んでいたのであるが、消えてしまったものも少なくない。大森氏のブログは90年代当時の空気を保存した状態でそのままネット上に残っており、読むとなんだか不思議な感じだ。この怪老人日乗もブログサービスが続くかぎりは続けるつもりですけれども、なにぶん無料で借りているサービスだから将来的にどうなるか分からない。でも続けたいですね。そのためには日常の些事、できれば人名地名を具体的に入れた日記を付けて、現在の記録としたいけれども、この日記の読者の皆さんは先刻ご承知のとおり、意味のわからないことばかり書いているから歴史的価値はなさそうだ。おばれうおばれう。
で日記だ。昨日は仕事をしていて、お昼を食べる。お昼はですね、函館から密輸した焼きそば弁当である。いわゆるカップ焼きそばだが、北海道ではマルちゃんの「焼きそば弁当」が主流で、東京あたりでよく食べられているペヤングは見たことも聞いたこともなかった。まあ味はそう変わらない。お湯を使ってコンソメスープが作れるのが特徴といえば特徴だけど。でお土産に買ってかえったので、それを家族で分け合って食べ、それだけではあまりに不健康症候群なので、ほかのおかずも食べたのである。
午後はいいお天気でバイクに乗って散歩。どこか公園に行きたいなと思って、いろいろ迷ったすえ吉祥寺の井の頭公園に行くことにする。昔は近くに住んでいてよく出かけた。ホラー好きなら津原泰水の作品によく出てくる(「猫背の女」『ペニス』など)ことでご存じだろう。バイクを止めてぶらぶらと歩く。そういえば三鷹の森ジブリ美術館って行ったことがなかったな、と思って近くまで行ってみると、そばでお祭りをやっていた。いろんな出店が出ていて、みんながレジャーシートを敷いて座り、歌手のコンサートなどを見ている。賑やかだなあ。うちの近所にはこんなに若い人がいない。いや、いないことはないか。でもなんか人々の雰囲気が「吉祥寺」という感じで、それは先入観がそうさせるのかもしれないが、皆さん穏やかでピースフルな雰囲気であった。
さらに歩いて、いわゆる井の頭恩賜公園、弁天池のあるあたりまで。このあたりはバラバラ殺人事件があったことで有名だが(またそんな話を書いてしまった)それを思わせる痕跡はなく、みんなにこやかに散歩したり、スワンボートに乗ったり、ソフトクリームを食べていたりする。うらやましくなって私も瓶のコーラを飲む。瓶のコーラを見て思い出すのは、プロゴルファー猿のジェロニモという賭けゴルファーだ。ジェロニモはコーラの瓶を使ってゴルフボールを打ち、見事グリーンにオンさせる。ということを別に思い出したりしないままに公園を歩いた。いい天気である。近所に住んでいた頃はあまり意識しなかったが、植物もいろいろ生えているし、思ったよりもずっと自然豊かだった。そして人間がたくさんいた。
バイクでささーっと帰宅して、夕方からまた仕事。新聞書評のための書籍届く。書評の仕事、各所からいただけてありがたい話であり、かつその多くがホラー・怪談系であるというのも嬉しい話だ。













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