2017年6月12日月曜日

この週末に買った本


ホラー関連の新刊チェックのため新宿の大型書店へ。
以下の3冊を回収してきた。




ホラーとダークファンタジーの専門誌『ナイトランド・クォータリー』9号(アトリエサード)は、「悪夢と幻影」特集。
怪奇幻想文学とは縁の深い“夢”をテーマに、国内外の作品11編を掲載している。


『NLQ』といえば、ホラーの目利きである牧原勝志編集長による作品選定が最大の魅力。
今回もエドワード・ルーカス・ホワイト、М・P・シールらの古典系作家から、リサ・タトル、アンジェラ・スラッターなどの現代作家まで、かゆいところに手が届くセレクションで楽しませてくれる。
国産ホラー界の新鋭・澤村伊智が短編「夢の行き先」で『NLQ』初登場を果たしているのも嬉しい。
この週末に81ページまで読みましたが、いやあ面白いのなんの。1700円+税のもとは十分とれるので、怪奇幻想小説ファンはぜひお手元に。





ところでこれは余談なのだが。
「ルクンド」のE・L・ホワイトって「ジャンビー」のH・S・ホワイトヘッドとよくごっちゃになりません? わたしだけ? だって名前が似てるし、作風も若干かぶるし。しかも『NLQ』の作品解説によれば、ホワイトヘッドはホワイトを高く評価していたらしい。ホワイトヘッドの「唇」はホワイトの「ルクンド」を踏まえており、ホワイトの「アーミナ」の続編を企図したようにも読めるのがホワイトヘッドの「チャドボーン奇談」で……。ああ、ますますごっちゃになってきた!



黒木あるじ『怪談実話 終』(竹書房文庫)は、2010年刊の『怪談実話 叫』以来書き継がれてきた人気シリーズの最終巻。
あとがきによれば、一旦は怪談実話から離れることになるらしい。「これまでとはやや異なる視点で怪談にアプローチしたい」ということなので、黒木さんの今後の動向に注目である。





皿井垂『トラウマ日曜洋画劇場』(彩図社)は、1970~80年代にかけてテレビの洋画劇場で放映された映画49本をレビューしたもの。
この手のB級映画ガイドは見かけるとつい買ってしまうが、ジャンルや監督、制作年代ではなしに、「洋画劇場」というくくりで紹介しているのが新しい。


たとえば第三章「水曜ロードショー」では、『午後の曳航』『世界残酷物語』『ウィークエンド』『ダラスの熱い日』『恐怖のメロディ』『狼男アメリカン』『ウィラード』『ドラゴンへの道』『カサンドラ・クロス』の9本が取り上げられており、 ホラーとエロスとバイオレンスが混然一体となった、往年の洋画劇場の熱気を伝えてくれる。


『ヘルハウス』を「お化け屋敷映画の高尾山」に喩えたり、『カサンドラ・クロス』を「北大路魯山人の器にすき家の牛丼をよそって食べたような、不思議な気分が味わえる作品」と評したり、という作品への愛と知識に裏うちされた文章も楽しい。これは名著でありましょう。




そうこうしてたら椰月美智子さん『消えてなくなっても』(角川文庫)も届きました。
同じ本が2冊。なぜ?
答えは文庫版の解説を書かせてもらったから。
単行本刊行時、著者の椰月さんにインタビューする機会があり、そのご縁で文庫解説にもお声がけいただきました。


わたしが解説を書いていることからも分かるとおり、『消えてなくなっても』は椰月さんの作品にしては珍しい怪談&ファンタジー寄りの作品。それが椰月ワールドに特有の手ざわりとどう関わっているか、そのあたりを書いてみました。






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