2017年11月22日水曜日

怪老人日乗:11月21日(火)


快晴。しかし気温は12月並。すでに世間は冬コートである。
朝食とってすぐに仕事。懸案だった某仕事、やっとこ完成して昼前にメール送信。ほっ。すぐさま身繕いして、久しぶりに都会へ。
現在〆切過ぎている仕事はなし。それだけのことで三上寛風に「もうこれ以上めでたい日なんか来やしない」とでもいった解放感を味わう。電線で小鳥さんまで唄っているわ、ララララー。電車では岡崎武志『読書の腕前』を読む。先日読んだ『蔵書の苦しみ』が面白かったのでこちらも読んでいるのだが、同郷の作家佐藤泰志(『海炭市叙景』)が上京後住んでいたのが国分寺で、終焉の地もうちのマンションのすぐそば、と知って驚いた。


午後神保町。某出版社まで出向いて、仕事の顔合わせ兼打合わせ。滞りなく済んだ後の雑談で各種ミステリランキングの話題が出る。ああ、もう年末なのだなあ。お昼、久しぶりにエチオピアでビーフカレー。0から70まで辛さが選べるが、0倍でも十分スパイシー。外国人カップルが4倍を注文し、みるみる口数少なくなってゆくのが面白かった。お肉もでっかいし、茹でたじゃがいもまでつくので半日はお腹いっぱい。古本屋の軒先で『悪魔祓い、聖なる儀式』なるドキュメンタリー映画のビラをもらう。東京ではシアターイメージフォーラムのみ。あ、もう公開してるのか。飯田橋に寄って、別件の仕事20時まで。明日は『IT』に行かなくちゃ。


帰宅して夕飯。さらりとゲラを戻して、お風呂でのんびり読書。買ったままになっていた西山智則『エドガー・アラン・ポーとテロリズム 恐怖の文学の系譜』(彩流社)を読んでいるうちに、すーっと意識を失う。しばらくウトウトしていたらしい。気がつくと、ひえー、本が半分水没していた!




2017年11月21日火曜日

怪老人日乗:11月20日(月)


快晴。だったような気がする。12月並の冷え込みとかや。
わたしが使っている腕時計は自動巻きである。これがよく止まるのである。自動巻きというのはご存じの通り、腕を動かす振動によって動力を得る仕組みの時計だ。いかに机の前から動いていないか、ということであろう。今日は時計こそ止まらなかったが、ほとんど仕事部屋で原稿。ちょいとお待たせしている文章があり、肚の底がヒヤッと冷えるような気分を味わっている。唸ったり、頭を抱えたりして作業を進める。側頭葉のあたりでチラチラと、藤子不二雄A『まんが道』のワンシーンが明滅する。主人公のマンガ家コンビが依頼されていた原稿をほとんど落として、マンガ家の道を経たれてしまうという最強におそろしいエピソードだ。


お昼タイカレーなど。午後も原稿ずっとやって夜は水炊き。 気晴らしにコーヒー豆買いに出て、これがほとんど唯一の散歩。冷や汗が咽喉の奥から出てきそう。しかし夕食を過ぎたあたりから調子が出てきて(家族に相談したのがよかった)しゃらしゃらと書いて第一稿。夜中、僧院のように冷え込む仕事部屋の床で寝たり起きたりをくり返しながら、エコノミークラス症候群と闘いつつ原稿をやる。諸君、夜明けは近いぞ。
というわけで、ちくま文庫の怪奇幻想棚を撮影してみる。何を持っていて何が抜けているのか、明日以降ちゃんとリストにしてみよう。


2017年11月20日月曜日

怪老人日乗:11月19日(日)


快晴。久しぶりに頭髪を刈りに国分寺の美容院。店主はUKロックと鉄製スクーターの好きな方で、これまではそういう話をよくしていたのだが、今日はひたすらガンダムの話だった。『サンダーボルト』は見た方がいいですよ、と推奨される。そうなのかあ。
昼前に終わって、公園で家族と合流。しばらく遊具で遊ぶ。レアキャラ扱いなのか、子どもはしきりにわたしと遊びたがり、ともに走ったりしたので少々疲労困憊。葉っぱが色づき始めている。


差し迫った仕事あったのでコーヒー屋にこもって夕方までやる。うーん。なんだか頭がはち切れそうになり帰宅。いまレントゲン撮ったら頭蓋骨割れているんじゃないかしら。夕飯とった後もひたすらテーブルで書く。珍しく徹夜してしまって朝6時。人間追い詰められるとさすがに寝ないものだね。諸方面よりメール。心臓に悪い。




2017年11月19日日曜日

怪老人日乗:11月18日(土)


曇天、たまにちらちらと雨。朝食とった後、『ウルトラマンジード』も見ずに仕事部屋で作業。いつも使っている机を畳み、折りたたみ式の小さなテーブルを床に据える。椅子に座るよりあぐらをかいた方が、ここぞという時は気合いが入るようだ。書棚の低い位置にある本も、同じ目線にあるから探しやすい。寒いけどね。ちなみにこのテーブル、数年前に某誌の撮影で使用したものである。撮影後、編集さんがもう要らない、処分するというのでもらって帰ったのだ。だから綺麗な芸能人の方が触れたはずなのである。


昼頃、子どもを背負って駅前書店まで駆ける。必要な資料、手持ちがないのに気づいてあわてて買いに行ったのだ。人これを泥縄と呼ぶ。結局、国分寺の紀伊國屋まで行ってやっと発見。とんぼ返りして帰る。いやあ、シリーズものは全巻買っておかないと駄目ですね。後でどの巻を持っているのか分からなくなる。角川ソフィア文庫版の『遠野物語』はなぜだか2冊出てきた。ドシェー。


午後地道に書いて、なんとか目鼻が見えてきたので夕方ケーキ。子どもに苺取られてしまった。夕飯後も側転したりチャネリングしたりしながら原稿をやって、夜遅くなんとか完成。書棚から抜き出した本を戻して、ほっと一息。ただし差し迫った仕事はまだある。
気晴らしに0時過ぎコンビニ。 風強く、異様なほど空が明るい。むしろ手前の森のあたりに闇がわだかまっていて、マグリット『光の帝国』のよう。



2017年11月18日土曜日

怪老人日乗:11月17日(金)


早朝から原稿。今日中に色々なんとかしないとやばい感じ。とりあえず書き上げたレビュー原稿一本送り、そこから図書館に出かけて文庫解説の原稿。お昼を食べてさらに夕方までじりじりと。アッという間に夜になり(原稿やっていると一日の早いことよ)、早めに夕飯。朝食にジョンソンヴィルのソーセージが出てきたのを、まちがえて「ジャクソンビル」と言ってしまう。そりゃあフランスのゾンビ小説だ。


どうしても作業することがあり、日が暮れてから中央線で都会まで。某誌のための編集作業する。行き帰りの電車では仮眠するつもりだったが、岡崎武志『蔵書の苦しみ』(光文社智恵の森文庫)が面白くて目がさえてしまう。大量の本を持ち続けることがいかに大変であるか、蔵書数万冊をほこる著者が、ほかの蔵書家へのインタビューを交え、なかば「惚気」ながら綴った本。読んでいて驚いたのは、西荻窪時代によく通っていた青梅街道沿いの古書店「モンガ堂」に関するエピソード。もとサラリーマンのご主人は岡崎氏の著作をきっかけに古本にはまり、定年退職後わずか数年でトランクルームを借りるほどの超古本マニアになってしまった。モンガ堂はその蔵書を並べた店だというのだ。しかしこの本に出てくるコレクター、みんな蔵書が「万」の単位なのがすごい。


 夜道をひたひた帰宅して23時。仕事部屋の机と椅子をたたんでスペースを確保した後、手持ちの本をひたすら広げる作業。岡崎氏の本でも書かれていたことだが、いざという時頼りになるのは自宅の蔵書なのだよなあ。ずっと買おうと思っていた岡本綺堂『中国怪奇小説集』、書棚の奥で発見。オーノー。風呂にはいって深夜まで作業。




2017年11月17日金曜日

怪老人日乗:11月16日(木)


快晴されど風冷たし。息をすると鼻孔にガラス棒突き刺されたかのよう。普段どおりに起きて朝食。子ども風邪気味で体温測ると39度。そのため珍しく食欲なし。それでもお父ちゃんは仕事に行かねばならんよ。午前から都心に出て、コーヒー屋にこもって原稿書き、取材の仕度。
午後KADOKAWA本社にて某誌取材一件。 ビルのエントランスで『ザ・リング リバース』なる映画のチラシ置かれているのを発見。「これぞ原点回帰。ハリウッドで作られたリングシリーズ史上、もっとも原作に忠実で、もっとも怖い。驚いた」(鈴木光司)ということである。1月26日公開。行こうかなあ。


楽しい取材を終えて夕方。そそくさと自宅方面へ戻って、タリーズコーヒーにて作業。なんとなく曙光さしてきて心晴れやかになり、多摩図書館に移動して閉館時間まで。といっても原稿終わったわけではなくて、なんとかなるという目算が立ったのみ。帰宅すると家中深閑。子どもが風邪で寝ているのでそっと夕飯を食べ、妻とウルトラマンレオの話してから仕事再開。大物を一旦わきにのけ、小物をいくつか片づける。豆を食べ、コーヒーを飲み、深夜まで作業。
今日会った編集氏、リメイク版『IT』行ってきたそうで「かなり怖いですよ……」と真顔で脅してくる。そんなこと言われると怖いじゃないのよ。


さて。この日記を開始して10日ほどが経過した。続いているのは意外ではない。というのもここ20年くらい、私的な日記をつけ続けているからだ。このウェブ日記はその出張版という感じであって、日記を付けること自体は苦ではないのです。問題はこのウェブ日記をつけているせいで、個人的日記の更新が滞っていることくらいか。
しかし、あらためて読み返してみると華のない日々であるなあ。出先でコーヒーばっか飲んでいるではないか。一度ドンペリというものを飲んでみたいよ。



2017年11月16日木曜日

怪老人日乗:11月15日(水)


快晴。起きて朝食。午前中原稿をやって午後から仕事。小石川にて某誌の取材一本。面白くも刺激的なシチュエーションでの取材でした。そのまま春日駅直結のコーヒー店で仕事。仕事用の本読みなど。なかなか趣味的な本が読めないなあ。そっから地下鉄で新宿に移動。これまた仕事用で本買い。なかなか趣味的な本が買えないなあ。


くたびれ果ててマッサージに行こうと思ったが、いざ探すと見つからず。むーん。へろへろになって夜帰宅。夕飯、水餃子、海老炒飯、その他。なぜか山本嘉次郎監督『ハワイ・マレー沖海戦』(1942)をDVDで鑑賞。日本海軍直伝の「がんばりの精神」を骨身に叩き込み、えいやっと夜まで仕事。でも疲れたよー。寝る。
というわけで今日は写真ナシ。



2017年11月15日水曜日

怪老人日乗:11月14日(火)


曇りときどき小雨。朝食とって仕事。中途半端だった原稿、一本仕上げて昼までにメール。外出するつもりでお弁当用意してもらっていたのだが、行かなくても大丈夫になり、家族と一緒に自宅で食べる。


しかしまあ、このまま家にこもっているのも何なので30分歩いて国立駅前まで。国立の駅付近はコーヒー店多く、仕事するのに困らない。そういえばうちの遠い親戚がこのあたりで喫茶店を営業していると風の便りに聞いたが、一体どこなんだろう? ここぞという時のミスド頼み。ミスタードーナツにこもってゲラ読了。うう、感動的な話であった。河岸を変えてさらに原稿書き。座り疲れたので、駅に隣接した書店のぞく。マンガの新刊チェック。『恋は雨上がりのように』『累』の新刊出ていたが、とりあえず『アオイホノオ』のみ購入して帰る。伊藤潤二は今『人間失格』を描いているのか……。ノラネコぐんだんのコラボカフェが出ておりました。愛い奴よのう。


いくつか〆切のしかかり、悪い霊にでも追い詰められた気分。大学に入学してすぐ、とある授業で壇上に立った教授がいきなり「このなかには夏休みの宿題を最終日まで後回しにしていた人もいるでしょう。そういう人はずっと変わりません。一生そのままだと思ってください」と言い放ち、なんてことを言うんだと反感抱いたものであったが、あの先生は正しかった。人生そういうものである。
「ストレス低減チョコ」GABAをかじりながら夜半過ぎまで仕事。ほんとうに効果があるかどうかは知らない。どうにか、なる。くたびれたので寝る。





2017年11月14日火曜日

怪老人日乗:11月13日(月)


朝食とって仕事。 おみやげでいただいたのどぐろの佃煮、美味。昨日あらかた書き終えた原稿をまとめてメール送信。午後は飽きてきたので都立多摩図書館。こまこました仕事、やっと終わって少々長めの原稿にとりかかる。都立図書館が近所にあると、文芸誌のバックナンバーが閲覧できて便利便利。途中、家の鍵もたずに出たという妻と子どもが顔を出す。


夕飯時に図書館を出ると、なんとまあ雨。小走りで帰るもやみそうになく、書店で雨宿り。『ムー』の最新号立ち読みする。夜な夜な寺院をさまよい歩く即身仏のミイラ、というニュースがなかなかすごい。コティングレー妖精事件の新写真発見、という記事も興味深かった。そのうち一般公開されるというから、ぜひ見に行きたいものだ。
帰宅して夕食、メインは鶏肉をA1ソースでソテーにしたもの。お風呂でゲラ読み。こいつあ面白いや。ここ数日、話が二転三転していた某仕事、結局なしになる。事前準備していたので残念だが、まあ往々にしてあること。それとは別にお仕事のメール一件。こちらはホラー/怪談絡みなのでありがたく引き受ける。


ところで普段使用しているoutlookメール、こちらでは普通に書いているつもりなのに、どうも先方に届く際には全文一行アケになっていると思しい。返信メールを見るたびに「うわ、わたしって阿呆みたい」と悩んでいたのだが、いま検索してみて分かりました。HTML形式をテキスト形式に直せば改善されるらしい。あー、よかった。
文藝春秋A氏より9月に出た陳浩基『13・67』(天野健太郎訳/文藝春秋)送っていただく。香港の現代史を扱ったミステリーで、ウォン・カーウァイが映画化権取得しているとか。上下二段組みの大作。じっくり読ませていただきます。新刊を買えない貧困生活が長かったので、本を送ってもらえるのが一番嬉しい。






2017年11月13日月曜日

怪老人日乗:11月12日(日)


東京は小春日和。朝食とって部屋で仕事。
このブログの閲覧内訳をみると、いまや大半の人がiPhoneかアンドロイド端末で読んでいるようなのだ。PCバージョンだと右端に最近の仕事一覧が表示されるが、スマホ用だとレイアウトの都合上それが出てこない。どうしたもんかな。公園に遊びに行っていた家族帰宅。お昼一緒にとる。


午後は運動がてら国分寺駅前まで歩き、コーヒー屋で作業続き。頭を使うというより、肉体を酷使するたぐいの作業を終日。家でやっていると気が散りそうだったので、外で音楽を聴きつつやる。19時までやってへとへと。努力の甲斐ありあらかた終わった。うちに帰ると3歳の息子が、使わなくなった古いノートパソコンを広げて、「スタバごっこ」をしている。これが21世紀の親父の背中であるか……。


夕飯、シーフードのストロガノフ、その他。
子どもが寝てから、DVDで見ているドラマ『テンペスト』を1話だけ鑑賞。池上永一の原作は読んでいるが仲間由紀恵のドラマ版は未見だった。最近沖縄旅行で初めて首里城に行き、あらためて琉球王朝に興味もったので今更見ているというわけ。後半の展開、かなり忘れているのでハラハラ。しかしよく出来た話だなあ。
ところでこの沖縄旅行、10月末ならまだ海に入れるぞというので出かけたのだが、折悪しく巨大台風が重なり、一日ホテルに缶詰というなかなかスゴイ経験をしたのであった。暇なので巨大なリゾートホテル内をぶらぶら、売店で小原猛氏の『琉球怪談作家、マジムン・パラダイスを行く』(ボーダーインク)を見つけて買った。さすが沖縄、ホテルの売店で小原怪談が買えるとは、と驚きながらベッドで読み、寝たり起きたりよだれをたらしたり。これでは家にいるのとあまり変わらないナア、と思った。


深夜まで仕事したところでエンジンが急停止し、朝まで寝る。