2018年4月16日月曜日

怪老人日乗:4月14日(土)


天気よろし。ただし午後からは暴風雨になるという。
なんだかそら恐ろしいので、午前のうちに外出を済ませることにした。


家族を引き連れて、となり駅の国分寺まで。長らく工事していた新駅ビルがオープンして一週間経つので、そろそろ空いているじゃろうと探検に出かけたわけである。
しかし見よ!人が、人がうごめいている。何事かと思ったらば、新規オープンしたマクドナルドに若者たちが並んでいるのでした。これまでなかったからねえ、マクドナルド。そのほか箱根ベーカリーなど、新規出店の飲食店はいずれも大混雑。「がやがやぞろぞろ」という漫画のような擬音が聞こえてきそうだ。
3階にはやや小規模ながらHMVがやっている書店が一軒。本屋さんが増えるのはありがたい。3歳になる雪男(仮)とかこさとし御大の絵本を立ち読み。だるまちゃんシリーズ、全巻欲しいぜ(今年発売された『だるまちゃんとキジムナちゃん』なんて最高だよ)。
4階には東急ハンズも入っていることだし、靴やだのカルディだのもあるしで、わざわざ遠くからお買い物に来るという感じではないかもしれないが、近隣住人にはお役立ちの商業施設ではないでしょうかね。この春突如閉店して多くのノマドワーカーが途方に暮れたスターバックス国分寺店も、このビルの3階に忍法魔界転生。




コーヒー豆とだんごを仕入れ、嵐が来るまえにそろそろと帰宅。
途上、七七舎で漫画アンソロジー『恐怖&ホラーシリーズ 怪奇ホラー編』(集英社)を購入する。どっちがメインでサブなんだかよく分からないタイトルの本だが、中身は素晴らしかった。丸尾末広「犬神博士」、高橋洋介「壜の中」、日野日出志「サーカス綺譚」など11編を収録。手塚治虫、上村一夫のようなビッグネームから、蕪木彩子のような90年代『ホラーM』系のプロパー作家まで、目配りのきいたセレクションは誰によるものなのか。巻末に「恐怖まんが史1」という通史的論考まで収録していて、これで100円はお買い得でありました。




ポストを開けると、怪談専門誌『冥 Mei』3号の台湾版が届いている。『幽』の姉妹誌として刊行されていた『冥』だが、実はカバーデザインも誌面レイアウトもそのままに台湾で発売されており、わたしの連載「気味のわるい話」もちゃんと中国語に翻訳されている。どんな人が読んでくれているのかなあ。書いてるのはこんな人なんですよ。怪しい人。


ネット書店に予約していたアミの会(仮)『怪を編む』(光文社文庫)も届く。井上雅彦さんら総勢25作家によるショート・ショート競作集。カバーを見て気づいたのだが、怪談実話作家の丸山政也さんも小説を書いているようだ。最近はショート・ショートが人気のようだし、またホラー短編が盛んに書かれる時代が訪れてほしいものである。黄金時代よ来たれ!


(デザインはほぼ日本版と一緒)


2018年4月11日水曜日

怪老人日乗:4月10日(火)


本日も快晴なり。
午前中に取材一本。現場は普段あまりご縁のない原宿表参道のあたり。側転しながら電車を乗り継ぎ、あっという間に取材現場に到着。壁や天井を這いずりながらインタビュー取材1時間。テレコが炎を噴くこともなく、なんとか無事に終了。


同行した編集さんとは表参道駅で別れ、そのままタワーレコード渋谷を目指す。途上、「傷ついたダンサーが集まるBAR」というのを見かけたが、あれはどういう店なのだろうね。
タワレコ8階にて丸尾末広大原画展「麗しの地獄」鑑賞。主に2000年代に描かれた作品の原画を多数展示。貴重なラフも見られて嬉しい。丸尾画伯私蔵の怪談映画ポスターなどが会場をおどろおどろしく彩る。
今回の展示のために描き下ろされた新作(ポスターに使用されているもの)は購入可能。猛烈に欲しかったけれど、ムムム、やはりお値段が…。会期は4月15日まで。




  

 
(場内すべて撮影可)

そのまま外で仕事。某対談記事まとめ作業の合間に、取材の仕事が何本か入る。4月最終週は取材続きで若干忙しくなりそう。20時まで諸々の作業を済ませて帰宅。20年ぶりに再読している『深紅の法悦』に夢中になってつい電車を乗り過ごす。
夕飯とった後、怪談実話本を1冊読了。明日は雪男(仮)の入園式。早く寝なきゃあと思いつつ、ピーナツ囓りながら深夜まで曖昧に過ごす。曖昧だけが人生よ、噫。


2018年4月5日木曜日

怪老人日乗:4月4日(水)


快晴。東京は初の夏日という。
コツコツ続けている仕事部屋の整理、やってもやっても一向片付かない。ぎりぎりまで本を減らし、これ以上は減らせないというところまで来た。かっこいい部屋に住みたくて、たまにインテリアの本を立ち読みするのだが、残念ながら参考にならない。『カーサブルータス』などに載っているお洒落ハウスには、矢追純一の新書や東海林さだおの文庫はまず並んでいないのだよ。


焼け石に水だが、もう読まないかなという本を20冊ほど売りに行き(平河出版社のクリシュナムルティなど)そのまま外で仕事。コーヒー屋にこもって座談会の原稿まとめを進める。夕方帰宅の後、家族と夕食後、DVDで『天使の恍惚』を鑑賞。このところ若松孝二作品がわが村のレンタル屋にも大量入荷されており、嬉しいので片っ端から借りている。その後また仕事。


書庫整理のついでに念願の「揃っていないシリーズチェック」続き。前回は東雅夫編「文豪怪談傑作選」シリーズを総チェックし、案外持っていない巻が多くて愕然としたのだが(詳しくはこちらを参照)、さて今回はどうだろうか。


まずは、同じく東雅夫編「伝奇ノ匣」シリーズ(学研M文庫)をチェックしてみる。お、意外に優秀優秀。8巻『ゴシック名訳集成 暴夜幻想譚』が抜けているだけで、ほぼ全巻揃っているではないか。ただし「幻妖の匣」と題された白い背表紙の『赤江瀑名作選』は持っていません。ここで若い人たちへのアドバイス。東雅夫氏編纂のアンソロジーは出たらすぐ買っておくこと!でないと僕みたいな気持ち悪い本棚になるよ!




続いてこれまた気になっていた「ナイトランド」&「ナイトランド・クォータリー」を掻き集めてチェック。「ナイトランド」は「サイバーパンク特集」が抜けている気がしていて、何度か書店で手に取ったのだが、か、買わなくてよかったー。抜けていたのは第4号「オカルト探偵」特集。いかにも買いそうな号なのに……自分で自分が信じられない。
版元が変わり「クォータリー」になってからもどこか抜けているなという自覚はあったのだが、書店で眺めてもどれがどれやら。集合させてみてやっと判明。最新号と8号を買えばいいのだね。




ついでに「ナイトランド叢書」も点検してみると、意識的にスルーしていたホジスン『異次元を覗く家』 の他に、スミス『魔術師の帝国』の2巻のみ未購入だったことに気づく。やはり一回読んだことのある作品だと、購入決意がにぶってそのまま流れていってしまう模様。勢いも大事ですねえ。





最後にお待ちかねのVHSコーナーです。我ながらなんてインテリジェンスな棚なんだろう……。



2018年4月4日水曜日

怪老人日乗:4月3日(火)

本日も快晴なり。
午後から取材一件。というわけで午前中はゲラの再読。メモを取りながらの再読だから案外時間かかり、昼食はさんで15時まで。最寄りの公立図書館まで歩いたが、なんだか肌暑いほどである。肌暑いというのはたった今思いついた若者言葉で、ちらっと暑いくらいのニュアンス。今年流行るんですって。


身繕い済ませて外出。中央線と東西線を乗り継ぎ、東京右半分エリアにて某作家氏にインタビューする。1時間半ほどで無事終了。通りを歩いていたら、こんな人がいてギョッとする。ふだん東京の西側で暮らしていると、なかなか生きた忍者を見ることもないのである。


(背後に立つのはスタンドか)


某社編集さんらとお夕飯一緒し、東京をつーッと横断して22時帰宅。今日のしりとり読書は「キ」のつく本で、月村了衛『機龍警察』を再読中。噫、なんて面白いんでしょう。ママ感激。


長野の怪談作家、丸山政也氏から新作『奇譚百物語 拾骨』(竹書房文庫)送っていただく。丸山さんの怪談は見えない刀で肉を断たれるような、張り詰めた怖さがなんとも心地よい。拝読するのが愉しみ。ご恵贈感謝いたします。




先月お仕事した雑誌もあれこれ届く。
『怪 vol.0052』(KADOKAWA)にて京極夏彦さんに新刊インタビュー。あちこちで話題の短編集『虚談』(KADOKAWA)についてじっくりと。この世界で息をするようになって長いが『怪』への登板は今回が初めて。創刊号を大学生協で買い、同級生と口もきかずに読み耽ったあの日から20年、記念すべき号に載ることができてわたしは嬉しい。




『本の旅人』4月号(KADOKAWA)では、知念実希人さんに新刊インタビュー。最新医療ミステリー『祈りのカルテ』(KADOKAWA)についてお話をうかがっています。同作の主人公は『螺旋の手術室』にも出てくるあのキャラクター。感涙のストーリーとともに、両作がどうリンクするかもお楽しみ。




また、京極夏彦さんの3社合同新刊キャンペーン「三社横断京極夏彦新刊祭 三京祭」の特設サイトでも、著者インタビューを担当しております。
こちらで読めますのでぜひどうぞ。→http://kyogoku-fes.com/special.html
「百鬼夜行」シリーズの新作短編、読みたい……。


2018年3月25日日曜日

怪老人日乗:3月24日(土)

天気よろし。
都内でも桜が見頃という。
妻は雪男(仮)を連れて東京駅八重洲地下街まで。ウルトラマンタロウとの写真撮影会に出かける。わたしは隣駅前まで歩き、駅ビルであれこれの用足し。北口の古書店・七七舎にて夏目漱石『思い出すことなど 他七篇』(岩波文庫)を購入。


2018年に入ってからこっち、「しりとり」で読書を楽しむようになった。なんとなく思いつきで始めたものだが、買ったまま放置していた本や、気になっていて未読だった本がみるみる消化できて嬉しい。島尾敏雄『死の棘』に続いて読んだ東雅夫編『幻想の水脈(みお)』(ちくま文庫)を読了し、今日からは「お」で始まる本。というわけで漱石の随筆集『思い出すことなど』を探していたのですね。


午後は吉祥寺に出て、家族とお花見へ。
公園口から井の頭公園へといたるマルイ脇の路地は、まるで初詣のような混雑である。
人混みをさけて吉祥寺通りから公園に入る。途中、いせや総本店で持ち帰りの焼き鳥を購入。いい匂いの白煙もうもうと通りまでもれている。真上のマンションの住人は、毎日たまらないであろうなあ。ちょっと待たされたが、きっと井の頭公園のすぐ上にある公園店よりは空いていたはず。




都心に比べて気温が低いのか、桜はまだ三分咲き、四分咲きくらいであった。弁天堂の見えるあたりで焼き鳥をつまんだ後、人の流れと逆行するようにぶらぶらと公園を抜け、すこし買い物をして帰宅する。吉祥寺駅の改札からは夜桜見物に向かう人たちがわっと溢れてくる。夜は漱石と仕事用のプルーフ本を交互に読む。




黒史郎さんから『ミスミソウ』(双葉文庫)送っていただく。映画も近日公開される押切蓮介の同名人気コミックのノベライズ。原作にないシーンも加えられているというから、読むのが楽しみ。黒さんありがとうございます。


さらにKADOKAWAより献本2冊とどく。神永学さんの『確率捜査官 御子柴岳人 ファイヤーゲーム』は、大人気「御子柴」シリーズの3作目。わけあってすでに拝読しているが、ゲーム理論を駆使した御子柴の推理はもちろん、今回はヒロイン友紀の成長ぶりも読大きな読みどころ。
近藤文恵さんの『震える教室』は怪談専門誌『幽』に発表されたミステリー・ホラーの単行本化。これまた読むのが楽しみな一作である。両書の担当編集さんにはこの場を借りて御礼を。ありがとうございました(ウーパールーパーの声で)。






2018年3月21日水曜日

怪老人日乗:3月20日(火)

朝から冷たい雨。
朝食とって外出の支度するも、どうにも体調すぐれず。鉄分が足りないのか、糖分が足りないのか判らないが、放っておくと出先で貧血気味になるのがいつものパターンなので、 とりあえずイケアの板チョコを2列分食べてみる。よし治った。気がするぞ。


このブログを更新した後、傘差して外出。飯田橋K社にて取材立て続けに2件。どちらもややホラー色のあるお仕事で、A・E・コッパードやシャーリー・ジャクスンの文庫本を参考資料として持参する。チョコレート効果か途中、息が切れることもなく無事に終了。アーサー・マッケン、マリオン・クロフォード、岡本綺堂などの名前が飛び交う素敵な取材でした。詳細は追ってまた。


そのままコーヒー屋などで仕事、夜の9時すぎまで。
さて、スターバックスの店員さんが突如フレンドリーに話しかけてくる、ということは前にも書いた。前回はリュックについていきなり話をふられ、うまい切り返しができずにへどもど。巨大なろうそくのように立ち尽くしてしまったのだったが、今日は珍しく空からニューヨーカーの守護霊が舞い降りた。
レジのお姉さんが「近くで桜がもう咲いていますよ」と言ってくれたのに対して、「はい、帰りに行ってみます」とアルカイックスマイル浮かべつつ、受け答えることができました。(もしかして、世慣れたビジネスマンみたい……?)とそのときは非常に誇らしかったのですが、こうして回想してみると全然大したことは言っていない。まあ、知らない人と2語以上話せたので、自分で自分を褒めたい。
帰宅時にはもう雨は上がっていた。


このところ読むのが追いつかないくらいのペースで新刊を上梓している平谷美樹さん。そのユーモア時代小説シリーズ『江戸城御掃除之者!』の第3弾、『江戸城御掃除之者! 玉を磨く』(角川文庫)をKADOKAWAの編集Yさんからいただきました。




また、東雅夫氏編の澁澤龍彦アンソロジー『ドラコニアの夢』(角川文庫)もこの週末、編集Iさんから自宅に送っていただきました。どちらも拝読するのが楽しみ。この場を借りて御礼いたします。ありがとうございました(エリマキトカゲ風の声で)。




2018年3月20日火曜日

怪老人日乗:3月18日(日) またしても秋葉原

曇天。寒さやや戻り、コートを着込んで外出。先週に引き続き秋葉原。
『All Over クトゥルー クトゥルー神話作品大全』(三才ブックス)を刊行した森瀬繚氏のトークショーを見に、書泉ブックタワーまで出かけてきたのである。




 『All Overクトゥルー』は先にも紹介したが、日本国内で流通しているクトゥルー神話関連作品(書籍・映像・ゲーム)を1300作品以上カタログ化した、驚異的情報量の神話ガイドである。同書の制作にも関わったライターの犬憑ケンヂ氏を聞き手に、2時間にわたって楽しいトークがくり広げられた。


会場入口では来場者特典として「掲載作品一覧」が配布される。これはどの作品が同書何ページに掲載されているか検索できる、24ページの小冊子。同書のカタログには索引・目次がついていないし、掲載ルールがやや独特なので(50音順でも、年代順でもない)この冊子が手元にあるかないかで大違い。この特典だけでも出かけた甲斐があるというものだ。


カタログの掲載順についてはトークでも触れられていたが、基本的にはわが国のクトゥルー神話受容史において重要度・優先度の高いものを各項目の冒頭に置き、それ以降は作家別、という並びになっているらしい。索引を掲載しなかったのは、ひとつにはページ数の問題(480ページを超えると印刷代金が跳ね上がるのだという)、そしてもうひとつにはできれば拾い読みするのではなく、最初から通読してほしいという意図があってのこと。


現在の盛りあがっているクトゥルー神話ブームは、『魔界水滸伝』『デモンベイン』などのメガヒット作に牽引された過去何度かのブームと異なり、ネットユーザーのファン活動から自然発生的に生まれたところに大きな特徴があるそう。以後、これまでとは異なる拡散の仕方を見せるであろうから、『All Over~』のようなタイプの作品ガイドを出せるのはこれが最後のチャンスかも、という話が印象深かった。
後半はブライアン・ラムレイ、ラムジー・キャンベルにインタビューした際の裏話など。


会場には特に知っている人もおらず、誰とも口をきくことなく、ひとしきり路上で盆踊りを踊ってから秋葉原離脱。御茶ノ水まで一駅歩いて、楽器眺めてコーヒー飲んで帰宅した。たった一駅なのに御茶ノ水まで戻ると、ホッと人心地つくのはなぜならん。


そうそう。
なぜといえばこのブログ、函館の心霊スポットを紹介した記事だけが異様に読まれているのはなぜなのか。あまり役に立つ情報は書かれていないので、申し訳ない限りであるが、まあお茶でも飲んでゆっくりしていって下さい。


2018年3月19日月曜日

怪老人日乗:3月17日(土)

快晴。桜の開花も近い。
ぶらぶら歩いて国分寺駅前まで。いつもの美容院で妻と子が散髪。この春オープンの駅前ツインタワー、だいぶ完成に近づいてきて、現在判明しているだけでパン屋が2軒、マクドナルド、東急ハンズ、スターバックス、クイーンズ伊勢丹などが入る模様。


小ざっぱりした家族2人と合流し、中央線に乗って中野まで。休日のお出かけである。
中野ブロードウェイで古本と玩具、DVD見るのが主な目的。ブロードウェイ3階の「墓場の画廊」に立ち寄ったらBlu-ray BOX発売記念「ウルトラマンネオス展」をやっており、ネオスとセブン21の飛び人形など、撮影で実際使われた小道具が展示されていた。




子どもは「ダダCタイプ」の玩具を買うのだと昨日から息巻いており、スポンサーとしては冷や冷やものだったが、ブロードウェイ中探してもダダA、ダダBはあってもダダCだけ見つからず、ひそかに胸なで下ろす。妻は墓場の画廊でZATグッズ買って散財。わたしは欲しい怪奇幻想本見当たらず、100円の文庫本1冊(桜井哲夫『思想としての60年代』)買ったのみ。悔しいので地下でソフトクリームがじがじと囓る。なんにせよわが家のような怪奇特撮一家にとって、ブロードウェイはこの上ないお出かけスポットなのであった。
昼から飲める店が多いのも中野のいいところ。つい焼き鳥屋に寄り道し、静岡おでんなどつまんでウーロン茶飲んでいたら、いい案配に酔っ払い(雰囲気に)蹌踉と帰宅する。夜は子どもと買ったばかりのゾフィー人形を使い、『死刑!ウルトラ5兄弟』 ごっこをして遊ぶ。
いい日和である。悪いことなど起きねばいいが、家が火事になどならねばいいが、と持ち前のマイナス思考で思い悩むくらいには、いい日和であった。




ポスト覗くと『青春と読書』4月号(集英社)届いている。
すばる文学賞受賞作家・奥田亜希子さんにインタビュー。twitterでの全文公開が話題になっている新作『青春とジョーカー』(集英社)について詳しくお話をうかがった。男も女もいろんな形で「性欲」という怪物に支配されている思春期。『青春のジョーカー』はそんな物狂おしい季節を、奥手な中学生男子の視点から描ききった長編で、読んでいて胸がキリキリ締めつけられるのであった。




夜はレンタル屋に。見逃していたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』借りる。でも本心ではこれが見たくてたまらない。『IT』が面白かったから次は『THAT』だ!って、そんな借り方する奴いるのだろうか。詳細は後日。




2018年3月14日水曜日

怪老人日乗:3月13日(火)

午前2時、むつくり起床。
昨日某誌の〆切を一日間違えていたことが判明、数時間だけ寝て作業にかかる。


じりじりと書いていたら夜明け。どんなに急いでいても原稿を書く速度は変えられないから、とにかく作業時間で稼ぐしかない。朝食、仕事部屋でパソコン打ちながら食べ、いやな汗を流しながら正午を迎える。一旦作業部屋を出て家族と昼食、ピザトースト。そこから追い込みにかかって仕上がったのが14時。……ああ、ちかびれた。へろへろと担当さんにメール送信する。


で。
午後は立川税務署まで平成29年分の確定申告へ。今年もたくさん還付されますように、と手を合わせる。行列は順調に進み、さほど待つこともなく無事終了。
連れてきていた息子とコトブキヤ立川本店に立ち寄り、ロボットの類を眺めてから、南口の鬼公園でしばらく遊ぶ。鬼公園というのは写真のような遊具がある児童公園で、正式名称は他にあるのだろうが、うちでは鬼公園と呼んでいる。有名なテレビドラマのロケ地になったというが、鬼が出てくるドラマなんてあるのだろうか。夢枕獏?
ほかに青いエリマキトカゲの遊具もあって、息子に「乗ってみせてよ」と言ったら数秒だけ跨がって、すぐに降りてしまう。それがいかにもしぶしぶという感じ。ま、3歳児にエリマキトカゲのよさは分かるまい。ウルトラセブン21のテーマソングを歌いながら駅周辺まで戻り、ホワイトデーの買い物をして夕方帰宅。




平谷美樹さん新刊『鍬ヶ崎心中』(小学館)を送っていただく。小学館の担当さんにお礼メールを送ったところ、「UTF-8 以外の文字セットを使用して下さい」云々の文言が出て、何度やっても戻ってきてしまう。対処法が分からないのでここで御礼をしておきます。ご献本ありがとうございました。
ところで昨年ノートパソコンを紛失、新しいパソコン(Lenovo ThinkPad X260)に交換して1年が経つが、今日までのところキーボードが外れることもなく好調である。バッテリーの持ちもいいようだし、出先で文章を書くことの多い人間には、よい買い物だったのではないでしょうか。




怪老人日乗:3月11日(日) 『日本現代怪異事典』トークショウ

3日遅れの日記をしれっと付けよう。
さて、よく晴れた日曜日。
午前中から外出。電車を乗り継いで秋葉原まで。 書泉ブックタワーにて『日本現代怪異事典』(笠間書院)が話題の朝里樹氏と民俗学者・飯倉義之氏のトークショウ。




『日本現代怪異事典』はもともと同人誌として刊行されていたもので、増刷されるや品切れになるので、その実在が疑われていたほどの話題作であった。私も買えなかったクチなので、今回の商業版(同人版に大幅加筆)は大喜びで手に取った。そして圧倒された。こりゃすごいや。
世の中には物事を網羅しなければ気が済まない、根っからのコレクター気質の人というのがいるが、著者の朝里氏はまさにそのタイプだろう。「Rボタン」から「腕章の少年」まで、戦後日本で実話として語られた怪異を実に1000以上、五十音順でみっしり掲載する。作者のプロフィールを眺めて2度びっくり。1990年生まれというから20代、1990年代前半にはじまった学校の怪談ブーム当時はまだ赤ちゃんではないか。しかも普段は堅い仕事についておられるというのだから、いやはや世間にはスゴイ人がいるものだ。
書籍・新聞・雑誌に載ったものだけでなく、旧2ちゃんねるのオカルト板などネット発祥の怪談・都市伝説までカバーしているのが大きな特徴。ネットロアに疎い私には、このあたり大変ありがたかった。小学3年の頃に怯えた「カシマさん」の噂が、数ページにわたって詳述されているのにも感嘆。こんなに豊富なバリエーションがあるとは知らなかった。


前提が長くなったが、トークショウである。1階レジで参加券を受け取り、開始まで小一時間ほどブックタワー内を散策。すると森瀬繚『All Over クトゥルー クトゥルー神話作品大全』(三才ブックス)を見つけてしまい、迷わず購入。小説はもちろん映像・アニメ・ゲームまであらゆるクトゥルー作品を網羅した労作。わたしは根っからいい加減でずぼらな性格なので、こういう網羅型の頭脳の持ち主には(東雅夫氏などそのタイプの代表だろう)畏敬の念を抱かざるをえない。




で、13時。朝里氏、飯倉氏が登壇してトークショウがスタート。書店員さんの司会進行に沿って、怪談との出会い、もっとも思い入れのある怪異、刊行の経緯について1時間ほどトークが続く。この手の怪異・妖怪系の事典には口さけ女など有名なものを除いて、いわゆる「現代怪異」があまり載っていない。ならば自分で作るしかない、と思ったのが執筆の動機だったそうだ。社会人生活をしながらコツコツとデータベースを作成、自分で楽しむために作った同人誌が評判を呼び、少部数の増刷をくり返すうちに飯倉義之氏の目にとまり、それが商業版の刊行につながっていったという。
会場には案の定というか、おばけ関係者の姿がちらほら(笑)。サイン会まで大盛況でありました。


その後は時間をとっていただき、某社媒体のために朝里氏にインタビュー。
朝里氏、わたしと同じく北海道出身で、小樽市朝里がペンネームの由来という。朝里といえば『日本現代怪異事典』にも載っている朝里病院の怪談で有名だが、わたしは父方の祖父母宅が朝里にあったので、子どもの頃から何度となく訪ねており、朝里病院にも親戚が入院していたことがあって、なんだかとっても親近感。
朝里氏の怪異網羅ワークは今後も続けられるそうなので、次なる展開を楽しみに待ちたい。


取材後、同行した某社編集Nさんとコーヒー飲みつつ、ホラー企画について打ち合わせ。Nさんはわたし以上にあぶない小説が好きな方で、雑談をしているのか打ち合わせをしているのかよく分からない。白井智之『少女を殺す100の方法』がいかに素晴らしいかを力説しておられた。ともあれ、こちらも滞りなく終了して17時。


秋葉原というのは行くたび「なんて楽しそうな街なんだ」と思うのだが、アニメにもフィギュアにも鉄砲にもPCにも詳しくない人間には、よく考えてみると行くべき場所がなく、結局いつも大人のデパートに立ち寄って帰るのみなのであった(行かなかったけどね)。