2018年8月4日土曜日

御仕事紹介之助


全国数人の怪老人ファンの皆さん、ごぶさたであります。
只今8月4日の午後11時30分。BGMはザ・ディランⅡのファースト『きのうの思い出に別れをつげるんだもの』(1972)であります。再生するたび心のネジがゆるむ愛聴盤。


扠。
前回の投稿からすこし経ったので、お仕事紹介をさせていただこう。
「お仕事紹介ばっかでつまんなーい」とフグのように頬を膨らませ、タコのように口をとがらせ、ネッシーのように手足をジタバタさせているお嬢さん方とは、いつか個別にお会いしたと思っている。


まずは。
『本の旅人』8月号(KADOKAWA)が書店に並んでいるはず。
こちらでは初の経済エッセイマンガ『キミのお金はどこに消えるのか』(KADOKAWA)を刊行した井上純一さんと、同書監修者で経済学者の飯田泰之さんの対談を取材・執筆した。わたしのような経済オンチにもすごく分かりやすい内容なので(対談も新刊もね)、ぜひご一読を。ベストセラー『中国嫁日記』の人気キャラ、月サンも重要な役どころで登場する。







『東京人』9月号(都市出版)も出た。
「江戸東京 妖怪探訪」と題し、同誌としてはじめて妖怪を扱っている。京極夏彦×加門七海×東雅夫の三氏による鼎談をはじめとして、江戸・妖怪の妖怪をさまざまな切り口で紹介している好特集だ。
 自分が関わっていなくても購入しただろうが、こちらの号で現在放映中のテレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(6期)について、東映アニメーションの永富プロデューサーと小川孝治シリーズディレクターにインタビューさせていただいた。怖いこわいと評判の今期『鬼太郎』。その恐怖演出には作り手サイドのメッセージがこめられていた。詳しくはぜひ誌面で。

 



朝日新聞社「好書好日」上のWEB連載「朝宮運河のホラーワールド」も月3回のペースで更新中。
伊藤潤二『人間失格』(小学館)インタビュー、「変身ホラー」を5冊紹介した怪奇幻想時評に続いて、今日は大濱普美子『十四番線上のハレルヤ』(国書刊行会)に関する書評がアップされている。次回更新は、再来週末を予定。
すでに某人気ホラー作家さんにインタビューして準備を着々と進めておりますので、お楽しみに!






また。
わたしの不得要領かつおぼろげな日常を覗いてみたいという向きは、斎戒沐浴のうえツイッターをご覧ください。明日は『ズッコケ三人組』の同窓会イベントに行って参ります。これを書いている間にCDは変わり、友部正人の『にんじん』になりました。



2018年7月15日日曜日

お仕事紹介


こちらでもお仕事紹介をまとめて。ざざざと。
 

まずは澤村伊智さんの『ずうのめ人形』(角川文庫)に文庫解説を寄稿しました。
『ぼぎわんが、来る』で鮮烈なデビューを果たした澤村さんの第二作にして、鈴木光司『リング』にまっこう勝負を挑んだ都市伝説ホラーとあって、刊行当時は「こ、こ、これは!」と大興奮したものです。その興奮さめやらぬまま確か「ダ・ヴィンチ」で澤村さんにインタビューさせてもらって、おそらくそのご縁が今回の解説につながったものではないかと。



短い枚数ゆえやや駆け足な解説になってしまいましたが、『リング』との関係に象徴されるメタ・ホラー性について言及した文章になっております。作品本編を堪能した後で、さらっとお読みいただけると幸い。7月24日発売。かみんぐすーん。


『ずうのめ人形』といえば、角川文庫創刊70周年記念のペーパーがですね、書店で配られることになるはずです(もう配られているのかな)。
そこに載っている宮部みゆきさん『過ぎ去りし王国の城』のインタビューと、宮部さん×澤村さんの対談のまとめも担当しました。稀代のホラーマニアでもあるお二人だけに、当日はアーサー・マッケンやマリオン・クロフォード、岡本綺堂や都筑道夫などの名前が出て、大いに盛り上がったのでした。
書店で見かけたら、ぜひゲットされたし。




すでに書店に並んでいるものとしては、『ダ・ヴィンチ』8月号に『星空の16進数』(KADOKAWA)を刊行した逸木裕さんにインタビュー。見出しを引用しますと「11年前の誘拐事件に秘められた謎 色彩豊かな感動のミステリー」。他人とのコミュニケーションは苦手ながら、抜群の色彩感覚をそなえた主人公が、11年前に自分を数時間誘拐した犯人を探すよう私立探偵に依頼する……という魅惑的な冒頭から、事件は思わぬ方向へと展開してゆきます。




これまで二転三転するプロットが特色だった逸木さんですが、今回はあえてストレートな私立探偵モノ+青春モノ。色彩によってつながる人の縁が感動を呼ぶ、逸木ミステリーの新境地と呼べるものになっています。




『小説 野性時代』8月号では「偽りの春」で第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した降田天さんにインタビュー。『女王はかえらない』でこのミス大賞を受賞してデビューした降田さんは、萩野瑛さんと鮎川颯さんからなるコンビ作家。インタビューでは倒叙ミステリーファン必読の受賞作創作秘話から、気になるコンビでの執筆作法まで、いろいろお話をうかがっています。息もぴったりのかけあいをお楽しみください。




あとは。
朝日新聞社WEB『好書好日』で連載している「朝宮運河のホラーワールド渉猟」ですが、順調に月3回、土曜日(金曜から土曜になりました)に更新されています。
初回の飴村行さんインタビューに続き、第2回の怪奇幻想時評では山尾悠子『飛ぶ孔雀』(文藝春秋)を入り口に幻想文学再評価の機運を紹介しました。第3回のブックレビューでは読みやすい訳と装画の美形ラヴィニア・ウェイトリーが一部で話題を呼んでいるH・P・ラヴクラフト『「ネクロノミコン」の物語 新訳クトゥルー神話コレクション2』(森瀬繚訳/星海社)を詳しくレビューしています。




 次回更新は7月21日(土)の午前10時。ビッグな方にインタビューしていますので、こちらもお楽しみに。この連載については完全に好き勝手やらせてもらっていますので、今後もマニアックな路線を突き進む予定。
こんな感じでしょうかネ。


https://book.asahi.com/series/11014826



2018年7月14日土曜日

怪老人日乗:7月14日(土)


案の定というべきか。
ツイッターを始めたらブログの更新が滞るようになった。
こちらはこちらで大事にしていきたいし、愛着めいたものもあるので、粘着質に続けていきたいと思っておりますが。


さて。世間は三連休。しかし平日遊んでしまったので(福島旅行に行っていたのである)気にせず自宅作業に没頭。
ゴールデンウィークからこっち、妙に気ぜわしい日々が続いていたが、やっと一段落したので本を読んで過ごす。
ドナルド・E・ウェストレイク『さらば、シェへラザード』、工藤美代子『凡人の怪談 不思議がひょんと現れて』、ヘレン・マクロイ『牧神の影』などを同時並行で進めつつ、仕事用のゲラも読む。
やはり〆切に追われていない生活というのは、心身に負担がなくていいですなあ。かつて喜国雅彦氏が「(原稿を書かずに)本だけ読める仕事があればいいのに」ということを書いていたが、つくづく同感。


夕涼みに散歩に出るが、いやいや、全然涼しくない。バイクの修理に西荻まで行きたいが、この炎天下運転する元気もない。
ウェストレイク『さらば、シェへラザード』は原稿が書けないのに〆切だけがどんどん迫ってくる、でどうしようもないから自伝的な原稿を書いちゃう、もうアカン、ヘルプミー……といった感じのメタフィクション。〆切に遅れがちなわたしには非常におっかない本である。脱線してゆくぼやき芸がとにかく可笑しく、1章ずつちびちびと読んでいる。




福島旅行についても簡単に触れておくと。
火曜日から木曜日にかけて、福島に2泊3日で出かけてきた。
1日目と2日目は会津若松で刊行。鶴ヶ城を見たり、竹本健治の小説で有名な栄螺堂を見たり、白虎隊の墓所を訪ねたり、県立博物館で恐竜の骨を見たりした。 宿泊したのは東山温泉。フロントに「近所にクマが出ました」と張り紙があっておののいたが、山すその静かな温泉地でした。窓からは一面の墓。


3日目は円谷英二監督の故郷、須賀川まで。街中にあるウルトラヒーロー&怪獣のモニュメントを探して歩き回る。
円谷英二の縁者がやっているウルトラマンショップにも立ち寄り、子どもにソフビ人形などを買う。郡山から新幹線、銘菓ままどおるなどを買って帰宅。
初めて足を運んだが福島は近い、近い。大宮から郡山なんて1時間である。また行ってみたいと思っています。





(ユートム!)


仕事の報告したかったけれど、長くなったので項を改めます。

 

2018年6月23日土曜日

怪老人日乗:6月22日(金)

快晴。気温は日中30℃近くまであがる。


渋滞していた仕事もやっと一段落。日常的なペースにもどる。5月後半、あれこれ立て込んでカレンダーの残りの日数より〆切のほうが多い、という状況になってしまった。筆のはやい人ならちゃっちゃとこなすところだが、わたしはどう頑張っても1日で1つが精一杯。じりじりずれこんでいるうちに6月分の仕事も入り交じり、マルキ・ド・サドの乱交シーンのようなわけのわからない状況に。
それをひとつひとつ解きほぐし、終わったところで6月ももう後半である。




すこし時間ができたので、西荻窪までスクーターの定期点検にゆく。真昼の五日市街道を走っていたら、直射日光でふとももが焼けるようだった。ところが。途上バイク屋さんに電話したところ「しばらく混み合ってるんで、一週間後にまた連絡くださいー」とのこと。およよのよ。まあしょうがない。


そうと決まればのんびり走ろう(西荻までは行くことにした)。五日市街道沿いにある喫茶店「くすの樹」で休憩。仕事用のゲラを読みすすめる。こういうロッジ風の喫茶店、昔のドラマやアニメにはよく出てくるけど、最近ほとんど見かけない。内装もシックで素敵。ほぼ一か月ぶりに心晴れやかである。


西荻にバイク駐め、そこから電車で飯田橋。某K社で仕事。車中では篠田航一『ヒトラーとUFO 謎と都市伝説の国ドイツ』(平凡社新書)をよむ。


ドイツ南東部の小都市パッサウでまことしやかに語られる都市伝説。ある牧師が冬の川で溺れかけた少年の命を救った。それは幼少期のヒトラーだった。もし彼を救わなければ、世界の歴史が変わっていたのに……というキングの『デッド・ゾーン』的命題を含んだ話が面白い。パッサウには実際、ヒトラー一家が住んでいたという。




仕事夜までやって西荻まで戻り、古本屋をひやかす。といっても20時過ぎていたので盛林堂書房はすでにクローズ。音羽館を中心に見る。駅北口の輸入食料品店、人から聞いたとおり更地になっていた。町の景観大きく変わりそうで残念。


すっかり日が暮れた道を一時間ほど運転して帰宅。夕飯とったのち世間で話題の『バーフバリ 伝説誕生』をDVDで鑑賞。なんとも過剰な映画。
この映画、バーフバリが知力体力絶倫で、とにかく圧倒的に強すぎるところがいい。大作アクション映画につきものの段取り感(どうせ勝つことが分かっているのに、中盤で一回「ま、負けそうだ……」となるとか)が皆無なので、ありがたいお経でも聞くようにバーフバリの活躍に身を任せることができる。忘れないうちに『王の凱旋』も観よう。
 風呂で『ヒットラーとUFO』続き読む。寝ぼけて浴槽に半分ひたしてしまったよ……。

2018年6月17日日曜日

怪老人日乗:6月17日(日)

曇っていた。のち晴れた。
さあて日曜である。どこかに遊びに行きたいが、〆切に追われていてはそれもできず。朝から仕事部屋にこもって原稿。9時にはリビングに出て、ゲゲゲの鬼太郎見る。狸があばれまくるおはなし。


さてさて。
昨日16日から「好書好日」での連載「朝宮運河のホラーワールド渉猟」がスタートした。「好書好日」は朝日新聞社の新しい書評系ウェブメディアで、従来の「ブック・アサヒ・コム」に比べて趣味系&やわらかめの記事が多いのが特徴。デザインもうんとスタイリッシュになった。で、ここでホラーの紹介記事を書いてほしい、という嬉しい依頼を受けまして、少し前から仕込みをしてきたわけ。

 
記念すべき第1回はホラー小説家・飴村行さんへのインタビュー。新刊『粘膜探偵』の話題を中心にカルト作家としての成功と、その人気が招いたスランプ、そこからの脱出についてうかがっている。飴村さんには3年前にもインタビューさせてもらっているが、ちょうどその続編のような内容だ。
こちらhttps://book.asahi.com/series/11014826/)で読めるので、ホラー愛好家の皆さんぜひご一読を。
こちらのインタビュー企画、すでに来月分の人選もほぼ確定。こちらもビッグな方なのでお楽しみに!
 

午後、原稿1本完成させてメール。あとはやや手強そうなのが2つほど。本腰を入れてやろうと思った矢先に地震があった。あわてて仕事部屋を飛び出した。ニュースを見ると群馬方面で震度5。本棚が倒れてきたらまず脱け出すのは不可能なので、ぐらっときたら何はなくとも逃げるようにしているのだ。

(デスクの横でわたしを狙うハヤカワ文庫と創元推理文庫)


世間は父の日。妻からはWELEDAのいい香いのするもの、息子からは家族3人の似顔絵をもらった。函館の父にはアロハシャツを贈る。お風呂での読書をはさみ、深夜までTHE HORRORS聴きながらせっせと仕事。


2018年6月16日土曜日

怪老人日乗:6月15日(金)

朝から雨。
ときに強風。気づいたらもう6月も半ばじゃないのさ。


某誌作業のために9時ちょっとには家を出る。中央線で眠りこけ、はっと目を覚ますと四谷。あたり見まわすと同じような人がたくさんいて、ぞろぞろと命吹き込まれた人形のようにホームに降りてゆく。飯田橋某社にて編集作業すこしやって、そのまま原稿。
〆切2本あるけどできるかしら、できないかしら。お昼はさんでじりじり。怠けずやったのだが、急にペース上がるわけでもなし。ひとつ完成したところで19時。慌ててもう一方に着手するもエネルギー残量ゼロ。かえろっと。


週末なので21時でも電車は混んでいて、ぎゅっと挟まれながら『ナルニア国物語』再読しながら帰る。今日は『カスピアン王子のつのぶえ』、ネズミのリープチープが最高にかわいい。帰宅して22時半。座り続けてふらふらだったが、夕飯食べたら復活。お風呂で東海林さだお『漫画文学全集』読み返して、ふっふっふと笑う。


ツイッターを始めたら始めたで、こちらのブログ更新頻度が落ちてしまった。うまい具合に両立できりゃあいいんだけど。
で、ここでも告知させてもらうと朝日新聞社のウェブ媒体「好書好日(こうしょこうじつ)」にて、ホラー関連の情報をレポートする連載、「朝宮運河のホラーワールド渉猟」がスタートする。第1回は明日16日(土)から。
ホラー&幻想系の注目作家にお話を聞く「インタビュー」、注目すべき動きを時評的にフォローする「コラム」、その月の熱烈推奨本を1冊ピックアップする「レビュー」の3本柱で、月3本、毎週金曜日の更新予定だ。


連載の担当さんはホラーやミステリに理解のある方で「本紙にのらないような本を紹介してください」と言ってくれているので、遠慮なく尖ったセレクションを(もちろん内容重視で)していきたいと思っています。できるだけ現代の国産小説を紹介したいですが、もちろん翻訳ものも、怪談実話も復刊も評論もコミックも対象となります。どんなことができるのか、自分でもワクワクしているのでご愛読よろしくお願いします。

●朝宮運河のホラーワールド渉猟
https://book.asahi.com/series/11014826/






2018年6月8日金曜日

怪老人日乗:6月6日(水) 静岡取材


 朝から雨。だった気がする。
午前中から家を出て東京駅。新幹線で日帰りの遠方取材である。担当さん&カメラマンさんとは車中で待ち合わせ。こだまで静岡県の三島まで。取材の準備をしているうちにあっという間に着いた。通過するばかりで初めて降りたが、海が近くて住みよそうな町である。




駅からタクシー拾って取材現場に直行。空いた時間に仏像を見たりした。取材が滞りなく済んで16時。温泉につかる間もなく、東京にとんぼ返りである。以前、東京のデパートで「あげ潮」という静岡産のクッキーを買ったことがあって、とっても美味しかったのでまた食べたかったのだけど、浜松近辺にしかないみたい。おなじみうなぎパイと「福太郎」という草餅を買って帰る。


東京駅で担当さんと別れ、そのまま駅構内地下のパン屋でさっそく今日のテープ起こし。〆切が明日なので原稿待ったなしなのだ。今日は朝からずっとテープ起こししていたので、二の腕が痺れてくる。電気風呂のよう。担当さんは「最近、テープ起こしは音声入力でやっています」と近未来人みたいなことを言っていたけど…そんなこと可能なんだろうか?


さて。パン屋のカウンター、隣の席には20代くらいの女性。一心に目をつぶり、ヨーガとも気功ともつかない動作をくり返している。腕をゆっくりと広げては閉じ、透明のボールをくるくるとなで回す。ああ。むかし学研のムーブックスで読んだ、高藤聡一郎さんの仙道気功法みたい。なんか嬉しいぞ。(高藤氏に興味ある方はこちら→http://tocroponto.blogspot.com/2016/08/blog-post_21.html


マッサージ受けて帰ろうと思ったが、混んでいて入れず。帰宅して夕飯。さっそくお土産の福太郎開けてみたらこんな感じの可愛い草餅でした。のっぺらぼうの小人が詰めこまれているみたい。かなりあっさり目のこしあんと柔らかめのお餅との相性がよく、「これはよいものだよ」と朝宮翁は静かに語ったそうである。
仕事すこし進めて就眠。リビングに毛布敷いて寝る。お蔭で4時半に目が覚めたけど、こんな働き方でいいのだろうか。





2018年5月29日火曜日

怪老人日乗:5月28日(月) 『ネクロノミコンの物語』


曇天の穴。されど気温は25℃以上、蒸し暑い。
朝食とって珍しく午前のうちから外出。電車内では週末にたまったメールの返信。21世紀人みたいでどうも違和感だが、こうでもしないとメールを開けない&返さないので仕方なし。新宿あたりから持参した海外ホラーを読む、読む。


飯田橋にて某誌校了の作業。なんとか無事に済ませて、そのまま某誌のゲラ戻し。5行ほど本文足りなかったので、あわてて書き足す。そうこうしてたら14時。某ミステリー作家さんにインタビュー取材。1時間半ほど、読書遍歴などあれこれうかがう。
夕方、星海社編集部のクトゥルーM君と久しぶりにお茶。この春ライターになったN君もやってきて、3人で近況あれやこれや。M君からは明日発売の『ネクロノミコンの物語 新訳クトゥルー神話コレクション2』(星海社)をいただいた。




シリーズ既刊の『クトゥルーの呼び声』、FGO効果か翻訳ものが厳しいこのご時世によく売れているそうで、シリーズ化が決定。今回から「新訳クトゥルー神話コレクション」というサブタイトルが入った。M君とは彼が編集者になる前からの知り合いだが、まさかクトゥルーな人になるとはねぇ。世の中なにが起こるか分からんばい。
最近読んだ小説・漫画の話いろいろと。普段ノーマークのラノベ系、ウェブ漫画、百合小説のことなんかを興味津々で聞く。流行り言葉が分からず「Vチューバーって何?」と思わず尋ねてしまったよ(意味は分かったが、実体はいまだ不明)。こちらからは飴村行『粘膜探偵』を薦めておく。


2人と別れた後、別のコーヒー屋に入り直して今日〆切の原稿。終わってないけど目鼻が見えたので帰宅し、遅めの夕飯。海老のクリームシチュー、その他。風呂も入らず零時まで仕事やって、3時半にむつくりゾンビーのように起床。ピーナッツを怪人のように囓りながら、原稿つづき。連休明けからこっちこんな生活だが、さほど苦労に感じないのは、つくづく家にこもっているのが好きなのだろう。



2018年5月22日火曜日

怪老人日乗:5月20日(日) 第4回ホラー・アカデミア


快晴。
朝食とった後、日曜の恒例行事。一家でアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』。ちょうど姉の家が泊まりにきていて、3歳の甥っ子は鬼太郎初体験。こわいのか、口を半開きにして固まっていた。息子は慣れたもので「ちゃみのちぇばり!」(髪の毛針)とまわらない口で鬼太郎を応援しておる。前半ホラー、後半アクションという見応えのある回でした。
その後、ふいに天啓にうたれ、ツイッターのアカウントを取得。
とりいそぎ稲川淳二と『幽』公式アカウントのみフォローする。
https://twitter.com/Unga_Asamiya


子どもたちはテント持って近所の公園へ。その間、午後までせっせこ仕事進める。うーん。週明けまでになんとかする、というプロジェクトは大抵破綻するな。神風は吹かない。夕方になったので身繕い、中央線に乗って新宿まで。


まずは紀伊國屋にて新刊チェック。6月から時評めいたコラムを書くことになったので、その下調べ。新刊情報はネットでも見られるが、やはり大型書店で現物眺めたほうが、いろんなネタが頭のなかで有機的につながる気がする。
『夢の器 原民喜 初期幻想傑作集』(彩流社)、『別冊文藝 諸星大二郎 大増補新版』(河出書房新社)など、欲しい本あれこれ目につくが、軍資金に限りがあるのでぐっと我慢。今月、なんだかお金がないなあと思ったら、『夢野久作全集』4巻(国書刊行会)のお金を振り込んだのでした。結局、ブックレビューのネタになりそうな本のみ購入。
夕飯、紀伊國屋地下のモンスナックでカレー。微妙にそっけないいつもの女店員さんが愛らしい。これまで気づかなかったが、壁には美輪明宏のサインが貼ってある。ますますこの店が好きになった。


で。新宿5丁目のトークライブスペース、Live Wireまで。
19時半より「ホラーアカデミア#4 鏡花と怪異怪談」を観覧。ホラーアカデミアは、怪異怪談研究会がプロデュースしているイベントで、訪れるのはこれが初めて。会場は満員御礼。
アンソロジストの東雅夫氏と、新進気鋭の国文学者・今藤晃裕氏&鈴木彩氏が、泉鏡花作品における怪異怪談についてトークをくり広げた。




二部構成で前半は鏡花作品にひそむサブカルチャーとの親和性について。『文スト』『文アル』はもちろん、劇場版『サクラ大戦』、鈴木清順『陽炎座』などにも話が及ぶ。
後半は昨年逝去された鏡花研究者の清水潤氏をめぐるトーク。いい意味でオタク気質の持ち主だった清水氏だからこそ、従来の文学研究の枠組みを踏み越えた、斬新な研究ができたのではないか、というようなお話(大意)。前後編どちらにも「オタク」というキーワードが浮上していたのが、現代の鏡花受容のあり方を示すようで興味深かった。

 
質疑応答コーナーでは、鏡花と能楽の関係について質問。大学時代、田中励儀先生の授業(日本文学講読)で『歌行燈』を読んで以来、鏡花と能楽の関係についてずっと気になっていたのである。怪異怪談的なるものを読者に伝えるうえで、日本人に古くからなじみのある能楽の構成が有効だったんじゃないか(たとえば『高野聖』)、という東氏の回答に膝を打つ。
文学研究の世界から見事に脱落した僕としては、鏡花と怪異についてばりばり研究している鈴木氏、今藤氏がたいへんかっこ良く、頼もしく感じられたのでありました。


すぐ横の席には作家の水沫流人さん、光原百合さん。鏡花といえば水沫さんなので、会える気がしていました。光原さんとは初対面のご挨拶。ナナメ前にはちょうどアニメ演出家の角銅博之さんが座っていたので、今朝の鬼太郎アニメについて感想伝える。
会場では清水潤氏の遺著『鏡花と妖怪』を購入。財布のお金が足らず、パスモのケースからこっそり紙幣を抜き出したのは内緒だよ。一緒にもらった「潭々 清水潤さんを偲んで」という追悼冊子には、恩師・田中励儀先生の書かれた追悼文も載っていました。鏡花とサブカルチャーといえば、当時田中先生とも「『サクラ大戦』行きました!?」って盛りあがった記憶があるなあ。


時間もないので懇親会には出ず。ふらふらと歩く案山子のように帰宅。夜なべ仕事するつもりで諸肌脱ぎになるが、気づくと明け方。スズメの声。むーん。




2018年5月20日日曜日

怪老人日乗:5月18日(金) 『粘膜探偵』解説!

晴れのち曇り。気温は30℃近い。
仕事してたらあっという間に週末。水と木の間にもう1日くらい謎曜日があってくれてもいいのだが。


14時から飯田橋K社にて某ミステリー作家さんにインタビュー取材。今月は遠方含め取材多かったが、おそらくこれで打ち止め(と思ったら、急遽メールインタビューが飛びこんできた)。滞りなく済んで16時散会。自由業特権を行使して、まだ空の明るいうちに都心を離脱。国分寺駅まで帰還し、改装中の紀伊國屋書店で新刊チェックした後、コーヒー屋で仕事夜まで。


本日の怪人物。
スーパーで男が青汁(らしきもの)のなみなみ入った水筒を持って歩いている。ふたが緩いのか、青汁がぼたぼた床にこぼれる。そんなこと気にせず、男は歩く。あちこちに緑色の水たまりができる。男のTシャツには「人生は縁、すべての出会いに感謝!」みたいなモットーが書かれているが、あいつと縁ができたら青汁をかけられそうでイヤだな。


本日の仕事紹介。
飴村行さんの「粘膜」シリーズ6年ぶりの新作、『粘膜探偵』(角川ホラー文庫)が届いた。発売日は来週25日だが、巻末解説を書いた関係で、一足お先に送っていただいたのである。今回もすごい。
混沌!酸鼻!妖美!幻影!飴村行初の探偵小説にして、暗黒のゴシックホラーに仕上がっているのだ。たとえるなら『秘密の花園』meets香山滋。偽史的妄想と幻想博物誌が絡み合い、ブルドーザーのような勢いで爛れた結末へと突き進む!医学者に老婆に爬虫人。恐怖の幻覚剤「髑髏」も再登場。今回も話題をさらうこと必至であろう。
先日は解説とはまた別件で、飴村行さんに新作についてお話をうかがってきました。こちらも近々詳細をお伝えできると思いますので、お楽しみに。ソクソク!




『小説野性時代』6月号(KADOKAWA)も届く。
今野敏さんの作家生活40周年記念企画、「担当編集者特別座談会」の取材・構成を担当した。長年今野さんと作品を生みだしてきた古強者4人の座談会、なかなか聞くことができない裏話満載で、聞き手としてもたいへん興味深かった。今野ファンは必読です。