新しい本の見本が届くのはいつも気持ちのいいものである。自分のやったことが形になった感じがして、初めて「書いたんだなあ」という実感が湧いてくる。それまではデータのやり取りなので、終わってほっとはするが達成感というのはあまりないのですね。
で昨日、8月21日発売予定の『怖い話名著88』(講談社)の見本が届いた。段ボールを開けたら見本がででーん、おお、いいデザインの本ではないか。装丁はいつもお願いしている坂野公一さん(welle design)、装画は早川洋貴さん。デザインどうしましょうと編集さんに尋ねられたので、坂野さんにお願いできれば、と提案したのですが、それが予算的にもスケジュール的にも叶ってよかったです。願望を叶えてくださった坂野さん、編集さんには感謝。そして素敵な絵を貸してくださった早川さんにも。この絵は本当にいい。本の世界に入っていく、その時のドキドキ感、世界が広がる感じが幻想的なタッチで描かれていて、ずっと見ていたくなる絵です。
中身をぱらぱら読む。『ホラ100』の時も思ったが、原稿を書いている時はヘロヘロの介なのでほとんど内容をふり返る余力がないのである。今こうして読み返してみると、うん、結構面白いんじゃないでしょうか。ホラーガイドみたいな本はこれまでも出ているけど、ミステリや純文学も含めてトータルな怖い話ガイドである点、100年で区切ってクロニクルになっている点、いろいろ新味があると思う。国内外の2010~20年代の動きもカバーできたので、分断や差別に抵抗する文学、という新しいホラーの潮流も紹介できたしね。
澤村伊智さん、背筋さんとの対談もとても楽しかったー。ホラーについてこれまで一人で読んで、黙々と読書日記をつけてみたいな生活しかしてこなかったので、怖い本についてあれこれ語れるというのが本当に嬉しく、個人的には大変テンションのあがる対談でした。お二人ともまたよく読まれているので、とても頼もしく、ありがたかったです。超多忙なお二人に出ていただいたことで、この本も鬼に金棒、盤石なガイドになったのではないかと思っておりますよ。
でそんなんを読みながら土日は原稿。うう、遅れているなあ。いろいろと……。タイマーをかけて30分で1枚書く。パソコン作業だとどうも気が散るので原稿用紙に万年筆で手書きだ。こう言うと文豪のようだが、字が下手なので小学生のやんちゃ坊主の落書きのようだ。やんちゃ坊主が逆立ちして小説を書いたら?そんなタイトルのラノベはあるでしょうか。ありますよ。え、ほんとですか!?
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