どどどーんと土曜日である。狸の耳元で銅鑼が鳴っている。やめてくれ……うるさくしないでくれ……おれは狸なんだ……という気持ちになったことが君はあるか?
というわけで今日も日記を書くのだが、ええとですね、まだ今日は半日ほどしか経っていないので(いま13時半すぎ)日記ちうても昨日のことを書いたり、二日前のことを書いたりすると思います。看板に偽りありと人の言う(小林一茶)。
そうそう、最近もありましたが、まったく初めましての方からお仕事のメールをいただくことがある。メールアドレスは公開しているが、このブログにしか載せていないので、おそらくこの怪老人な日記から辿ってこられたのであろう。なんというか申し訳ないことである。食べログ的なものでお店を調べていざ行ってみたら、裸のマネキン人形がぎっしり並んでいるような、化物屋敷みたいなところだったときの衝撃というか、申し訳なさというか、そういう気持ちにもなったりもするけど……と小沢健二風に締めてみた。
そんなわけで日記です。書き下ろしAがやっと終わりました!お疲れさまでした!まだゲラチェックなどの作業はあるが、ここまできたら本は出るでしょうお疲れさまでした。俺。それ以上に編集さん。4年もかかったよ。このまま温泉地になど消えてみたいが、日々の仕事がどっちゃりあるのと、書き下ろしB、書き下ろしCの仕事があるので全然暇にはならない。
しかし人生で一番大変だった5月がやっと終わろうとしているのであった。まあ上記のような状態なので、人生で一番大変な6月が来そうですけれどもねえ。それにしても皆さんやっていることなので泣き言は言いたくないが、普段の仕事しながら書き下ろしをやるというのは、ひっきりなしにやってくるお客さんに向けてランチメニューを作りながら、裏では仏像を彫っているみたいな、それを並行してやるみたいな作業でして、頭も体もぐじゃぐじゃになりますね。せめてどっちかだろう。仏像彫るのと親子丼作るのとは。そんな5月でありまして、当然ランチの提供は遅れがちになるし、深夜に仏像を彫るので睡眠不足になるしで、もうへろへろだ。
さすがにアカンので6月はレギュラーの仕事以外は断っているが、それでもまあまあ普通に忙しく、なんかもう「書き下ろしとか……やらなくてよくない?」という悪い気持ちになってくるほどだ(やりますけど)。この土日で6冊くらい新刊を読まないといけないが、それ全部、書き下ろしとは関係ないというね。いやあ、いつになったら腰を据えて仏像を彫れるんでしょうか。
今日はこれから某ホラー映画パンフの仕事。こちらは短めのコメントだから気楽なのだが、それ以外にも対談のまとめとか、文庫解説とか、いくつも滞留していてシェーという言葉がのどまで出かかっているが、シェーという言葉を喉から出したら、富士山が噴火するといわれており、私が見たミイラみたいになるので、無言でシェーのポーズをしてますね。
あと日記っぽいことを書くと、去る水曜日、早稲田大学で『人形のアルファベット』(河出書房新社)が出た作家カミラ・グルドーヴァのさんのトークイベントに行ってきた。訳者の上田麻由子は昔バンドを一緒にやっていた古い友だちで、お互い海のものとも山のものともつかぬ時代からよく知っているのである。上田さんが立派な翻訳家になって、しかも私好みの怪奇幻想系の短編集を紹介してくれたというのがとても嬉しい。イベント後、登壇されていた上田さんと久しぶりにご挨拶。お元気そうで何よりでした。
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