2023年11月20日月曜日

怪老人日乗:11月20日(月)

月曜日は油を飲んで、火曜日は油を食べて、水曜日は油を浴びて、木曜日に油に入る、金曜日は油を舐めて、土曜日は油をかじり、日曜日はおやすみー。というわけで油が大好きな人の童謡を思いついたが、いかがだろうか。どうもこうもない。月曜が来てしまった。

この土日は珍しくのんびりだった。いや、本当は全然ノンビリじゃないのであるが、2週間ほど続いた修羅場をちょっと抜けだし、あと急ぎの〆切は1つ。そうなると気が抜けるのが人情というもので、土日はなんだか筆が動かなかったのである。まあ外出もしたしね。土曜は午前中バイクに乗って所沢。奥さまについてきてもらって冬物を買う。セーターとズボン。家計から出してもらえてラッキーであった。

その後、電車に乗って外出。池袋の東武百貨店にて芋と栗とあんこのフェア覗く。スイートポテト買って本日の手土産とした。神保町にて恒例の探偵小説友の会。倉野憲比古氏、鈴木優作氏と会う。羊頭、富士鷹とミステリ系の古書店を2軒だけ覗き、私は3冊買う。本を買うのが仕事なので仕方ないのである。それに富士鷹さんは今月末で実店舗を閉めるというではないか。この他人の書斎に忍び込んだような雰囲気、好きだったのだが。記念に竹河聖の短編集を買いました。

お二人とは近況報告と探偵小説の話。というかその両方がクロスオーバーしている人生なので近況報告すると自然に探偵小説の話になるという。これまで一人で本を読んできて、大学時代もミステリ研究会などには縁がなかった。四十路になって同好の士に出会えたのは嬉しいことである。17時頃解散。私は飯田橋に出て編集仕事。土曜日なのに仕事をするなんて偉い。というか平日には出てこられないので、土日に編集仕事を進めるしかないのである。

ところで金曜は何をしていたのかといえば、朝から外出、飯田橋にて某月刊誌編集作業を進めて、午後は護国寺で取材。なお東京に住んでいない方に説明しておくと、護国寺というのは講談社・光文社、神保町というのは集英社・小学館、飯田橋というのはKADOKAWA、双葉社などの隠語である。覚えておくとよろしかろう。取材は某ミステリ作家さんでお目にかかるのは結構久しぶり。

で日曜はといえばひとりで家にいたのだった。午前は文庫解説に赤字を入れて戻し、それだけでほぼ時間切れ。天気がよかったのでバイクに乗ってロードサイドのとんかつ屋へ。東京に住んでいても郊外の景色は地方とほぼ変わらない。お昼食べて帰宅、さらに仕事。

午後から外出。新所沢にてご近所さん一家と合流、夕方からゴジラ映画見る。すごく迫力があってよくできている部分と、首をかしげる部分が混在しているが、巨大生物に襲われたら怖いよね、という主軸はぶれておらず、戦後間もない時代とゴジラのマッチングも最高で、朝ドラ的な世界に怪獣が出てきたらどうなる、という設定の映画として見れば面白い。個人的にはある種の幻想映画、妄想映画として解釈するのがいいような気がする。神木隆之介が戦争という亡霊、太平洋の亡霊と格闘する心理ホラーのような話だ。

で昨晩は徹夜をしないといけない状況だったのだが、魔が差して早くに寝てしまう。そのせいか怖い夢をいくつか見た。うちに空き巣が入って通帳だの何だのをすべて盗まれる夢、それから何人もが除霊に失敗している事故物件に泊まり込みで解決にゆく夢。私はあまり夢を見ない方で、こういうストーリー性のある夢を見るのは珍しいのだが、ゴジラを見たせいか、仕事が半端に残っていて気になるせいか、いつもとは違う寝覚めであった。


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