怪老人日乗：6月11日（日）

Kwai老人日乗、ついに日曜日がやってきた。うーむ、4つ〆切があるうち1つも終わってない。ジ・エンド。ひとつくらいは昼のうちに終わらせたいが……。

外は雨。子どもの野球はお休みで、たまにはノンビリでいいのだろうが、わたしは部屋に籠もって仕事、ろくろく相手もできない。自分が子どもの頃、当時はうちの父親も宿直などがあって、一緒に職場についていったりしたけれども、あれはあれで楽しいものだった。しかし子ども心に「大人は日曜でも働くんだなあ」と思ったけれど、何のことはない、土曜も日曜も働かざるをえないKwai老人になってしまった。

さてヤフーオークションで文学全集を買おうとした話の続き。しばらく私がトップを走っていたのだが、そのうちどんどん値段がつり上がってきて、これ幸いとリタイアした。28冊もあるのだ。ちょっと残念だが、すぐ読めるものでもなし、他に読むべき本は山ほどあるしで、落とせないでよかったと思う。

といった端から、だったら他の本を買おう、と思って国書刊行会の『野坂昭如リターンズ』を中古で買う。『野坂昭如コレクション』は学生時代、こつこつとお金をためて買っていたが、『リターンズ』までは体力が続かなかった。これもいつ読めるかだが、まあ野坂はそのうち仕事にしそうな気がするし。

さらに日本の古本屋を見ていたら、日本ホラー史的に重要っぽい資料を見つけてしまい慌てて買う。古雑誌に手を出したら、いよいよ古本道も底なし沼という感じになってくるが、黒史郎さんのことを思い出してがんばって買う。同じ時代に黒史郎さんという資料収集の鬼みたいな方がいたのは幸運なことだったと思う。楽をしそうになったとき、黒さんやあるいは吉田悠軌さんの地道なお仕事ぶりに「ちゃんとしなければ」と喝を入れられる気がするのだ。