怪老人日乗：3月6日（月）

うおう、もう週明けではないか。金土日と原稿書きずっと。近所のスーパーでどら焼きを大量に買ってきて、それを齧りながらやる。しかし昨日起きたら風邪気味。珍しいなあ。コロナ禍以降、マスク生活でほとんど風邪をもらうことがなくなったのだが、朝夕の冷え込みと疲れで風邪博士になってしまったらしい。

しかし。寝ているわけにもいかないのでコツコツと原稿書き。前にとあるSF系のレビュアーの方が、自分がどうやって原稿を仕上げているかをnoteかなにかで公開しており、それを読むとざっくり初稿を作った後、4～7回再稿を書き直して、やっと仕上げをするというようなことが書かれていて、ああ、時間かかるのは自分だけじゃなかったのだと安心した次第。

しかしそんなやり方をしていると時間がかかるのは当然で、この方は兼業レビュアーらしく普段お仕事をしながら、少しずつ改稿をくり返しているような感じだが、私はこの作業をががっと短時間に圧縮しておこなわねばならず、そうすると朝から晩まで机に向かいっぱなし、夢の中にも文章が出てくる、という感じになるのだった。

でなんとか5回くらい改稿したらやっと目鼻が見えてきて、でもここからがまた大変なんだろうな。「状況どうでしょう」と担当さんから進捗うかがいのメールが届いたので、やってますと言ってプリントアウトの写真を撮って送った。何もないよりはマシだろう。白紙じゃないよという証拠である。いずれにせよ「すぐ出ます」のそば屋詐欺めいているのは間違いなく、来世ではキッチンタイマーに生まれ変わろうと思う。

して今日。風邪まだよくならず。少し仮眠して昼前から作業再開。原稿修正、メールあれこれ返信、明日の取材の準備、ゲラ読みなど並行して。それにしても最近のAIの進歩はめざましく、イラストだけなら対岸の火事と構えていられたが、チャットで文章まで書かれてしまうとさすがに危機感を覚えずにいられない。

やはり人類に残された道は、ひたすら下手な絵を描くことだけではないだろうか……違うだろうか……というわけで今日の一枚。タイトルは「空飛ぶ円盤にAIが乗ったよ」です。背後に心霊を2体描いたのに、塗りつぶしたら見えなくなっちゃった。心霊だからいいけど。赤いのは蟹、黒いのは南部式。私の下手コワい絵については、2月19日の怪老人日乗も参照のこと。

ああ、そうだ。某放送局から出演依頼あり。まだお返事していないが、多分出ることになるだろう。なんだかんだで3月も予定が埋まり、こうして人間は水銀になっていくのです。