2022年11月19日土曜日

怪老人日乗:11月19日(土)

私はお風呂で本を読むわけです。どうしても仕事が差し迫っているときはゲラなどを読むけれども、そうでない場合は昔読んだ本を再読することが多い。なかなかそんな機会でもないと読み返すことはないし、また一度読んでいるからストレスなく読めて、リラックスタイムにちょうどいい按配なのですね。

で、昨日の晩は小池壮彦『怪奇探偵の実録事件ファイル2』(扶桑社)をお風呂で読み返していた。昔読んで死ぬほど怖かった「じゅんいち君道路」のくだりを久しぶりに読みたくなったのだ。私は本を読んでいてそんなに怖いと思うことはないのだが、小池壮彦さんの本だけは別で『幽霊は足跡を残す 怪奇探偵の実録事件ファイル』とこの『実録事件ファイル2』はいい歳して文字通り夜うなされた覚えがある。

このトンチキなブログの読者のなかに編集者はいないと思うけれども、小池壮彦さんの『幽霊物件案内』シリーズや『実録事件ファイル』正続、『怪談 Final Edition』など一連の怪談ルポものは文庫化すれば売れると思うなあ。怪談実話界の黒く輝く星だった小池さんが、このところあまり本を出していないのが往年のファンとしては実に淋しい。どんどんイベントとかに出演してほしいのだけど。




さて、今日は6時半にガバリと目が覚めた。夢の中、まぶたの裏に活字がもやもやと浮かび、やがてはっきりした青い太字になって、俳句を形作った。「ミッキーのパズルを作っていると思ったらロボ」。どういうことなんだ。どういう夢なんだ。うつむいて木製パズルを作っているあの人は振り返ったらロボだった、というシチュエーションと思うのだが(同時に映像も浮かんでいた)それにしても妙な夢である。ついに芭蕉の霊が夢枕に立ったのかもしれない。古池や本を売るならブックオフ。

午前からゆるゆると仕事。今週はあまり稼いでいないので(つまり納品した数が少ない)ぎりっと気合いを入れねばならん局面なのだが、その他にもやるべき作業山積しており、ふらふらと周囲を徘徊してしまうのは、つらい作業に向き合うだけの覚悟がなかなか決まらないためだろう。ゲラ読み、メール返信などしているうちに昼。お餅の入ったおうどんを食べる。

一昨日検診受けたメメントモリ病院から電話。誤ってお金を取りを過ぎたから返したいとのこと。さらに貧血検査をするのも忘れたから、また採血にきてほしいという。むーん。月曜日また行くことになった。返金といえば書き込みがあった古書、日本の古本屋を介してお店に一応連絡。返金に応じてくれることになって、ほっと一安心なのだった。

そのお金を流用する形で新書一冊注文する。良書らしいとの評判を目にした『聞く技術 聞いてもらう技術』(ちくま新書)。これまでは大型書店に出かけて、ぱらぱらページをめくって新刊を買うことが多かったが、最近は本の値段があがり、とりわけ新書はページ数の割に1000円を超えることも増えて、冷静になると買い控えしてしまう。下手に立ち読みなどせず、思い切ってネットで買う方がいいようだ。

午後も取材用のゲラ読み。四人囃子『ゴールデン・ピクニックス』を聴きつつ読み進む。気分転換に隣駅まで散歩。ぶらぶら歩いている時間もないので、やや早足で。外で仕事しようと思ったが、どこのお店も混んでいて、仕事道具を抱えて帰ってきた。ドシェー。


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