おう、なんとしたことだ。気づけば約2ヶ月もブログを書いていなかったではないか。南無阿弥陀仏の声だけが、茫々たる薄野原に聞こゆ。ここは冥途かや……。
という風になってはいけないので、心身に活をいれてブログを再開いたします。いやあ、尋常でなく忙しかった夏が終わり、その後しばらく虚脱していたんですね。やはり人間、夜ちゃんと寝ないといけません。いまだに睡眠不足のダメージが続いていて、10月に入っても疲れが抜けない。オーノー。
で。仕事が落ち着いてきたとはいうものの、通常業務とイレギュラーな取材や書評の仕事は相変わらずあるので、それなりに忙しく働いている。ありがたいことである。今月は特に取材モノが多いようで、ありがてえ、ありがてえとお引き受けしたり、予定の合わないものは辞退したり。
繁忙期につきしばらく手を付けられずにいたS社書き下ろしの仕事、C社アンソロジー作業も再開。営々90年代ホラーの再読に努めつつ、アンソロの目次作りを進めています。後者についてはずいぶん遅れてしまっていて、あいすみません……できない側転をしてお詫びします……という感じなのであるが、なんとかいい形にしてお渡ししたいところ。
しかし企画があぶくのように生まれては消えるのが出版業界の常というもので、K社で出すつもりだった怪談アンソロジーは最終的に関所を通過できず、一旦ペンディングということに相成った。まあ、セールス的に厳しいかもとは思っていたので、予想の範疇だったりはするのだが、資料をあれこれ買いそろえて形にならないのはもったいなく。別の機会を待ちたい。
さて。8月初旬は数万人を突破していた東京のコロナ新規感染者もだいぶ落ち着いてきて、今では数千人(それでも多いとは思いますけども)。数字以上に、なんだか世間のムード的に「そろそろ2019年の感じに近づけていきましょうか」という流れになっている感じで、対面の打ち合わせ、会食的なものが9月末から10月初旬にかけて、いくつか続けてあった。
まず9月23日には作家のK野さん、近代文学研究者のS木さんと神保町カレーの会。共栄堂でカレーを食べていたらS木さんが「就職が決まって、九州への転居が決まりました」とおっしゃるのでびっくり。カレー会が一転、祝賀の席になる。その後、古本屋を数件はしご。氷川瓏の話なども出来て、久しぶりに楽しい会であった。
9月26日には某ホラーな対談の取材があり、その打ち上げで会食。神楽坂のおでん屋さん。28日には長年仕事している某月刊誌の編集さんと久々の食事会。新宿の浪漫房。ライターのIさんも同席されていて、楽しい席だったが、がやがやした居酒屋に行くのは超久しぶりで、いつになく大声を出していたら喉がかれて、後半ほとんど声が出なくなる。虚弱ございます。
昨7日はどしゃ降りのなか、某社と新規案件の打ち合わせ。池袋の焼き鳥居酒屋にて。これまであまりホラーを手がけてこなかった版元から「うちもホラーをやりたい」という声があがるのは大変嬉しい話で、いよいよもってホラーブームの到来を感じる。私が関わろうが関わるまいが、ホラーのアンソロジーや特集が各社からどかどか出るのは大歓迎なので、関心のある方はお気軽にご相談ください。
その席で「もし究極のホラーアンソロジーを編めるなら何を入れたいですか?」という話題が出、うーんと思わず考え込んでしまった。普通に考えると岡本綺堂、田中貢太郎、都筑道夫、筒井康隆、小松左京といったあたりだろうが、現代作家まで範囲を広げると個性がいろいろ出る気がする。私だったら個人的な思い入れから竹本健治、皆川博子、牧野修、岩井志麻子あたりを入れるだろうか。デニス・ホイートリー『恐怖の一世紀』の日本版みたいのがあってもいいのではないか、と考えた(『日本怪奇小説傑作集』全3巻がそれにあたるわけですけども、2020年代までカバーしたやつも読みたい)。
昨晩打ち合わせでお会いした方の靴がかっこよかったので、写真を撮らせていただく。ブラックサバスとコラボしたドクターマーチン。
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