2022年6月4日土曜日

怪老人日乗:6月3日(金)

本日も晴天なり。解説原稿Aまだ終わっておらず、そろそろマズいわねえ、解説原稿Bの〆切も迫ってきているのに……と思ったら胃がキュッとなる。

とはいえ今日も取材。大宮まで行かねばならぬ。作品読み返し、インタビューの流れをざっと作ってから西武線、武蔵野線、埼京線と乗り継いで久しぶりの大宮へ。東北新幹線に乗ることはあるけど、駅から出るのは実に10数年ぶり、人生2度目じゃないかしら。1度目はそうだ、一龍斎貞水の怪談を聞きにきたのだった。駅近くの店でなぜかへぎそばを食べた記憶がある。

というわけで物珍しげにキョロキョロ。東口の駅前商店街、昔風の八百屋などあって感じがよろしい。活気ある地方都市という感じ。賑やかなアーケードを抜けて、しばらく進むと飲食店が途切れ、マンションと駐車場が建ち並ぶ一画になる。その一室が今日の取材場所。レンタルスペースを押さえたら、ごくふつうのマンションだったのだ。

初めてご一緒するカメラマンのKさんと待ち合わせて部屋を確認。なるほど、テーブルやホワイトボードはあるものの学生が住むようなワンルームである。多くの部屋にダイヤルキーがかかっているので、住んでいる人は少ないのだろう。空き部屋の有効利用なのかもしれない。暑い日だったが午後から雨になるらしく、撮影を先にする。

駅前で新潮社の編集Aさんとホラー作家のAさん――といっても紛らわしいのでお名前を出してしまおう――飴村行さんと合流。飴村さんとお会いするのは「好書好日」の初回インタビュー以来のはずだから、ちょうど4年ぶり。角川三賞のパーティもコロナで中止が続いているので、お会いする機会がなかったのだ。お元気そうでよかった。お会いできて嬉しい。

お二人とも「ダークサイドミステリー見ましたよ」と言ってくださって、ありがたいやら気恥ずかしいやら。マンションに移動し、近所で撮影。感じのいい路地で写真を撮っていたら、そこが吉村昭(飴村さんが西村寿行と並んで尊敬する作家)の小説のモデルになったお医者さんの邸宅の門前だったりして、一同あっと驚いた。

インタビューではこの4年間のこと、新作の創作裏話などをたっぷりうかがった。最近の飴村さんはデジタル修復されたモノクロ映画に凝っているそうで、ブルーレイディスクを買いまくっているという。『市民ケーン』『第三の男』『レベッカ』や小津安二郎の映画など、まるで別物だという。「こっちの沼はいいですよ」とお誘い受けてしまったが、ううむ、面白そうだなあ。

大宮駅で解散。古本屋で角川ホラー文庫を7冊くらい買い、電車乗り継いで秋津まで。ものすごい雨が降り出して、駅直結のタリーズに待避。テープ起こしなどをやる。18時半に帰宅してお夕飯、ミートソーススパゲティなど。重なるときは重なるもので新規のお仕事メール一件。某ホラー作家さんの新刊推薦文のお仕事。また読むゲラが増えてしまうが、好きな作家さんなので迷ったすえに引き受ける。某ウェブ記事を250文字だけ書いて就眠。ちかれた。残りは土日でなんとかする(って毎週言ってるな)。

そうそう、昨日からカナヘビを飼っているのです。家の裏で捕まえたそうで、狭いケースでも今のところ元気にやっている。目がぱちぱちしていて、可愛いものである。フレフレぼっちゃん!(『粘膜蜥蜴』)





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