今日は5月の21日、探偵の日であるという。
わが偏愛の探偵は誰か、といえばグラント・モリスン「情欲空間の囚」に登場する心霊探偵オーブリー・ヴァレンタインということになるだろう。この短編を収めた『囁く血』は官能&恐怖のアンソロジーで、「情欲空間の囚」で描かれているのもエロティックな怪事件だ。壮麗な邸宅の一室に、異次元のパワーによって住人に催淫的な作用をおよぼす情欲の空間が出現。現場に向かったヴァレンタインは快楽に溺れ、恍惚の表情を浮かべながら、異世界に飲み込まれていく。馬鹿馬鹿しくも実にかっこよく、胸に迫る一編である。
さてさて、本日は子どもの運動会。今は「運動学習発表会」というのが正式名称のようだ。コロナ禍のため競技は2学年ずつ、保護者は自分の受付を済ませ、自分の子だけ見て帰るという方式になっている。YOASOBI、きゃりーぱみゅぱみゅに合わせてのダンス。こういうのはその時々の流行が色濃いのだなあ、と自分の幼稚園時代を回想しつつ思った。あれは幼稚園の年少組の時であったか、段ボールに入ってキャタピラーのように園庭を進む、「すすめガンダム」という謎の競技をやらされたのである。当時はガンダムブームだったのだね。
10時半には帰宅。走ってもいないのにくたびれ、コーヒーと白い恋人で休憩。仕事していたら小雨降り出し、午後から本降りになる。運動会はぎりぎり大丈夫だったが、午後からの野球の稽古はなし。珍しく半日空いたので、急遽外出することにし、電車に乗ってまずは久しぶりに中野。ブロードウェイで古本などを物色。
子どもが小さい時からブロードウェイにはよく来ているが、その時々で子どもの興味関心の対象が変わり、成長と時間の流れを実感する。はじめは只管アンパンマンだったが、それが働く車のミニカーになり、ウルトラ怪獣の時代がかなり長くあって、そこから戦隊もの、トランスフォーマー、ゾイド、そして今はもっぱらポケモン関連である。ウルトラ怪獣の知識など、当時に比べるとかなり乏しくなっており、「あれほど好きだったのになあ」と寂しくもなる。
4階の古書店も覗くが特に欲しいものなし。『椿實全作品』が出ていて気になったが、なにか虫の知らせめいたものを感じて買わず。帰宅して調べてみると、手元にある『メーゾン・ベルビウ地帯』と同内容と分かった。ほっ。ブロードウェイ内の不動産屋広告に事故物件があったので写真を撮る。たしかに中野エリアで風呂付き38000円は破格。何かが出るのだろう。
池袋の大型家電店でサーキュレーターを下見した後、怪談話をしながら帰る。今日したのは中山市朗氏の「K君」の話、三木大運氏の「レンタル彼女」「アフリカケンネル」など。いつの日か「ああ!親父がよくしていた怪談は、有名な話だったのか」と気づく日は来るだろうか。遅くなったので夕飯はテイクアウトで。土曜の午後ゆえ新宿も池袋もすごい人出だった。海盤車だった。
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