2022年4月14日木曜日

怪老人日乗:4月13日(水)

2時半起きで原稿。なんで四十路にもなって徹夜に近いことをせにゃあかんのか、と思うのだが〆切があるので仕方なし。そのうち家族が起きてくる。明け方は捗るけれども、時間が経つのも早いようだ。時計の針の進み方が違うのだろう。私は北国の人間なので、そういう迷信的乃至はテラヤマワールド的な考え方をするのである。

朝ご飯食べた後も昼までぶっ続けで原稿書く。仮眠したいが午後から打ち合わせがあるし、寝たら諸々間に合わない。柳のように揺れながらパソコンを打ち、インタビュー記事7割方。ネット覗いたら驚くべきニュースが。『新編・怪奇幻想の文学』刊行だって!?牧原勝志氏、そのうちノーベル怪奇文学賞を受賞するのではないか。

昼ご飯食べて身繕い。今日は暑いのでもう半袖シャツ&薄手の上着。まだ4月なのに30℃近くもあるのだ。池袋に出て東口のルノアールにて打ち合わせ。東口だけでルノアールが何カ所もあり、自分でパルコ前店を指定しておきながら、別の店に向かってしまった。幸い近かったので2、3分の遅刻で現地着。国書刊行会KさんIさんと初顔合わせ。某件について打ち合わせする。

国書の中の人というのはいわばMIBとか内調とか、私にとってはそういうイメージであり(世界を動かしている少数精鋭的な)、目の前にするとつい舞い上がってしまって「超科学シリーズ」の話をした。Kさんが国書に入ったきっかけは『バベルの図書館』、Iさんは『セリーヌの作品』だそうで、やはりMIBだなと思った。

打ち合わせ無事終了し、15時半に駅前で散会。そのままジュンク堂そばのコーヒー屋に入って、インタビュー原稿を仕上げる。まじめにやって18時すぎに完成。今日は12枚書いた。別件も仕上げたかったが時間切れ。そのまま飯田橋K社に向かって某誌編集作業。着いたら19時半で編集部閑散。眠気マキシマムだったのでささっと済ませて、怪談聞きながら帰宅。22時すぎにご飯。牛肉のすき煮。うまかつた。

お風呂では倉阪鬼一郎『活字狂想曲 怪奇作家の長すぎた会社の日々』再読。もう何度読み返しているか分からないが、何回読んでも面白い。生活のため日本的会社組織に加わることを余儀なくされた、怪奇小説の鬼。孤高の怪奇作家にせまりくる集団主義とウエットな人間関係。屈託し、むっとし、時には声を荒らげて、インディー時代の倉阪氏は社会人(校正者)と芸術家のはざまを行き来する。

化け猫課長、横光君、ラヴクラフト氏などバイプレイヤーも多彩で、本当に読んでいて飽きない。『活字狂想曲』『田舎の事件』『夢の断片、悪夢の破片』は「新生活で気が狂いそうになったら読む本」という特集があったらぜひあげたい3冊だ。

風呂でいい気持ちで本を読んでいたら、裏の家がやかましい。田舎とはいえ東京の窮屈な住宅事情、わが家の風呂場の窓のすぐ向こうが裏手の家のリビングになっていて、そこからテレビのスポーツ番組に大騒ぎする声がもれてくる。倉阪鬼一郎に感化されているので、やおら家を飛び出し「うるさい!俺を誰だと思ってるんだ!」と怒鳴り込みそうになった。




丸一日以上起きているのもいろいろな意味でなんなので、明日の自分に託して午前1時に就眠。


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