2022年3月21日月曜日

怪老人日乗:3月21日(月)

春分の日で世間はお休み。しかし世間様が休んでいる間にこそ、トンネルを掘り進めなければならない。脱獄囚としてのフリーランス。そんなビジネス書を書こうかな。売れないだろうなー。

朝からメール返信。どうも忙しくなるとメールのお返事が溜まるので心苦しく思っている。この春の目標はレスを早くするですね。というわけでいくつかのメールを確認。今春こそは仕事の早い人になりたい。スラッシュメタルをBGMにせっせと仕事進める。

インタビュー原稿に時間がかかるのは構成に迷うからである。そんなもの取材時のまま、インタビューイが話したとおりの順番で書いたらいいじゃないか、という考え方もある。たとえば『東京の生活史』はそのようにして書かれた本で、そのむき出しの語りが面白いし、とっちらかったエピソードも特に気にならないのだが、それを新刊インタビューに当てはめていいかどうか。新刊インタビューというのは、著者の語りを通して新刊の読みどころを浮かび上がらせる、大げさにいうと一種の批評的行為でもあるわけで、そのためには論理に展開があった方がいいし、始まりと終わりがあった方がいいとも思うのだ。

そんなわけで、構成を決めるのにいつも一番時間がかかる。エピソードを取捨選択しつつ、前後を入れ替えて、一本筋の通った記事にする。まあ、この「一本筋の通った」というのは幻想であり、そんなものは存在しないのかもしれないが。それでも納得がいく形を見つけ出すまで迷い続ける。稲川淳二氏が怪談を「土器の破片からもとの形を想像する」と表現しているのに近い作業のような気もする。

気晴らしに近所のコーヒー屋へ出た。三連休ほとんど仕事ばかり、私はそれで構わないのだが家族にも申し訳ないし、まあこのくらいは許していただこう。初めて入ったのだが落ち着けるよい店だった。古い店を常連客だった若い人が受け継いでやっているのである。漢字オセロというのがあって子供とやったが、なかなかに難しい。




こんな建物も見つけた。UFO基地のようだが何だろうね。得体の知れない科学的な施設が絡むホラーといえば朝松健の『弧の増殖』がそうだった。あの小説、大好きなんだけどなー。ユゴスからのものと猟奇犯罪者が絡んで、街に都市伝説があふれかえる。最高。朝松健氏は都市伝説っぽいものをホラーに取り入れた先駆者だと思う(『天外魔艦』でも不気味な実験の噂が効果的に使われていた)。



これが始まりだ、人間ども!!

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