2017年8月7日月曜日

もう少し棚が欲しいと書痴が鳴く(芭蕉)2


さて。
なぜわたしが本を処分しなければならなくなったのか。
すべては阿佐ヶ谷に出かけたのがいけなかったのである。


中央線沿線にお住まいの方はご存じであろう。いま東京都杉並区の阿佐ヶ谷駅前では毎年恒例の「阿佐ヶ谷七夕祭り」が開催されている。
8月開催の七夕祭りといえば仙台のものが有名だが、阿佐ヶ谷の七夕も負けてはおらず、今年で実に64回目。昭和20年代から続いている伝統のあるお祭りだ。
と、知ったようなことを書いているが東京に住んでいてこれまで一度も行ったことがなく、今日(8月6日)初めて足を運んできたわけです。


それはもう結構でございました。
あの蛇のように長いパールセンター商店街が、色とりどりの吹き流しと手作りのはりぼてで飾られ、通りの両側には出店がずらりと居並んでたいへんな賑わい。
南口ロータリー広場で催されている盆踊り大会では、おばあちゃんたちが荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」にあわせて可愛らしく跳ねかつ踊っておりました。




露天の生ビールやワインに心惹かれながらも、わたしはアルコールが一滴も飲めないのだということを思い出し、甘党の本領を遺憾なく発揮して「とらや椿山」で焼きたてのなみすけどら焼きを、「たいやきともえ庵」で鯛焼きをそれぞれ買い食い。


焼きたてのどら焼きというのは初めて食べたけどほぼホットケーキで、ちょっとした焦げ目が香ばしく、あれはあれで美味しいものでした。ちなみに「なみすけ」というのは杉並区のオリジナルキャラクターです。
ともえ庵のたい焼きはパリッとした薄皮が特色。これまで食べてきた薄皮系のなかでも、かなりのパリパリ伝説系ですね。その薄皮が粒の立ったもっちりあんことよく調和して、喩えるなら甘い鈍器。この食感が楽しい。ふだんは行列のできるお店らしいので、すんなり買えてよかったよかった。







南口の商店街をたっぷり堪能した後は、阿佐ヶ谷駅構内を抜けて北口へ。
北口といえば映画館のラピュタ阿佐ヶ谷がある側ですが、小さい飲み屋が多くてこれまた大賑わいでした。下戸なりに路地をさまよいつつ、じりじり足を向けたのは「古書コンコ堂」。
知る人ぞ知る阿佐ヶ谷の名物古書店です。
久しぶりに訪れたこの店で、わたしはある決断をすることになるのですが……。


→続きを読みたいという人は「3」へ。
→ここまでのあらすじを忘れた人は「1」へ。
割とどうでもいいかも、という人は日野日出志でも読んで待っててください。




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