2017年2月9日木曜日
【お仕事紹介】恒川光太郎さんにインタビュー!
おそらくそうするように教育されているのだろうが、スターバックスの店員さんって突如フレンドリーに話しかけてくることがあって、驚きますよね。
昨日も仕事の合間、さて夢枕獏でも読むか、と都心のスターバックスに立ち寄ったところ、いきなり「お洒落なリュックですね!」と若い女店員さんに声をかけられたのだった。
あらかじめ断っておくと、わたしのリュックはなんの変哲もない、黒いナイロン地のリュックである。マアお洒落だわ、と一目見て感じるようなものでは決してない。
「そうでしょう。これはビルマで死んだ祖父の形見なんですよ」とでも切り返せたらよかったのだが、突然のことに心が動揺してしまって、有り体にいうなら「知らない女の人に話しかけられた!」とふわふわ舞いあがってしまって、頭の中が白紙状態になり「いっひっひ」と意図不明に笑うのが精いっぱいであった。
美しい店員さんはムッとした顔になって、コーヒーを渡してくれたものである。
あんな時、澁澤龍彦ならどう答えたのだろうなあ、とぼんやり考えながら、満員電車に揺られて帰った怪奇幻想ライターなのだった。幻想文学の道は険しい。
さて。
これから仕事の紹介がしばらく続く。
まずは直近のところで、2月6日発売になったばかりの『ダ・ヴィンチ』3月号(KADOKAWA)。
ホラー短篇集『無貌の神』(KADOKAWA)を刊行した恒川光太郎さんに見開き2ページでインタビューした。
金色の神を崇める閉鎖的な集落を描いた表題作のほか、灰色に曇った空のもと生あたたかい風がどろどろと吹き抜けてゆくような、怪奇幻想譚が6編。デビュー作『夜市』以来の「隠れ里」趣味も健在で、懐かしき恐怖と幻想を心ゆくまで味わうことができる。恒川光太郎にしか描き得ない世界で、オススメ度、文句なしの★5ツだ。
ちなみに今月の『ダ・ヴィンチ』では北尾トロ氏の連載「走れ!トロイカ学習帳」がたいへんにおもしろい。
毎回出版業界周辺のネタを取りあげているこのコーナー、今月は「出版業界フリーランス物語 ライター・マンガ家のリアルとは!?」と銘打って、フリーランスとお金の関係に迫っている。
おお、おそろしいけど気になる話題!
たまに同業者と会っても、この手の際どい会話はできないので、興味津々で読んだ。
ライターとお金の問題について、もっと生々しく知りたいという奇特な方は(就活シーズンだしね)『編集会議』2016年秋号の特集「編集者・ライター、生き残りの条件」も併読されたい。
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