先日の『幽』文学賞パーティでお会いした千街晶之さん&澤村伊智さんと「あれはなかなか!」とひとしきり盛り上がったのがこちらの映画。
フェデ・アルバレス監督の『ドント・ブリーズ』。
ヒットしてるっぽいんでご覧になった方も多いでしょうが、いや、これが意外に良作で。
結構怖いです。というより、ドキドキします。
つまりはホラーじゃなくて、よくできたサスペンス映画ですね。
「もしも泥棒に入った先が凶悪バイオレント爺ちゃんの棲み家だったら?」という、明快きわまりないログラインを120パーセント生かし切った脚本がいい味出してました。
このログラインだけでは、いわゆる出落ちになることは目に見えており、それを中盤以降どう回避してゆくかかが勝敗の分かれ目となるわけですが、この映画の出した答えは「いや、そうだよね、そうするしかないよね」と大いに納得のできるもの。
やり過ぎてはダメだけど、踏み込みが浅くてもダメ。
その狭間でうまいこと最良の答えを見付けたなあ、と感心いたしました。
個人的に気に入ったのは、硝子製のスポイトが出てくるあのシーン。笑っていいのか怖がっていいのか。ガンガン高まる狂気節に、ひいひい叫びながらの大笑いです。
同監督がリメイクを手がけた『死霊のはらわた』、どうせいつもの劣化リメイクだろ…と敬遠してたんですが、さっそくレンタルしてみなくては。
話はがらりと変わって、購書日記。
hontoに注文していたシェリダン・レ・ファニュの短編集『ドラゴン・ヴォランの部屋』(創元推理文庫)が届きました。
英国怪奇小説の巨匠、レ・ファニュ久々の邦訳版選集。
アトリエサードの「ナイトランド叢書」からは『魔術師の帝国 《1ゾシーク篇》』も出たし、年明け早々古典ホラー小説ファンには嬉しい展開となりましたね。
同時に届いたのは以下の4冊。
2016年に出たホラーで未読だったものをまとめて注文しました。
これらを消化したうえで、2016年活字ホラーの総括をきっちりしたいと思います。
ジョナサン・オージェ『夜の庭師』(創元推理文庫)はまったくのノーマークだった作品。カバーデザインから勝手にファンタジー系だと思いこんでいました。東雅夫氏の幻想と怪奇時評で「『クリムゾン・ピーク』と一脈通じる世界観」と紹介されていて、あわてて購入した次第。
風呂で読みました。面白かった。ティム・バートンが映画にしそうなゴーストストーリーです。
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