2016年7月4日月曜日

ほんとにあった!カルトなビデオ④ 『幸運の輝き~その秘密を探る~』



カルトな魅力をたたえたビデオテープを紹介するこのコーナー。
今日紹介するテープは、歴代の引越しをしぶとく勝ち抜いてきたこれだ!
『幸運の輝き~その秘密を探る~』

 



大昔、京都のフリーマーケットでパンタロンやGジャン、火鉢や仏像と並んでいたビデオ。
一目見て「買わないと!」と直感し、味噌田楽のような顔つきのお婆さんから手に入れた。


それから、幾星霜。
何度かの引越しをのりこえ、いまだにわが家のマスコットとして君臨している。
最近流行の片づけメソッドに従うなら、わたしはこのビデオに今なおときめいている、という事なのだろう。この「ときめいている」の箇所はぜひ、山田正紀チックに傍点を振ってほしいのだが、とにかくだね、数十円で買ったわりには何度も大笑いさせてもらった。
昨日紹介した「パラ銀」アニメと並んで、観ていると意識がフニャフニャになってしまう、ピースフルなカルトビデオである。

 
内容はといえば、風水画の紹介ビデオだ。
Y・Hさんという「風水美術界に彗星のごとくデビュー」した女性画家(いろんな業界があるんだなあ)による、「独特の淡いタッチと幻想的な色使い」の肉筆油絵を部屋に飾るだけで、みるみる運気が上昇、金運がアップして人生がバラ色に輝きだすという。その素晴らしい効能を、約10分にわたってたっぷり注入してくれる。

 
ビデオでは自らも運気がよくなったという女性アナウンサーが、体験者のもとを訪れ、その奇跡を取材する。
息子さんのことで悩んでいた中年女性も、見事トラブルが解決した。
お見合い回数ではギネスに載りそうといわれた女性(ギャグにしても失礼!)は、素敵な結婚相手とめぐりあえた。
事業に失敗した初老男性も、いまではより大きな会社の経営者である。


この時点で貧しい私など思わず購入申込ハガキに記入してしまいそうだが、さらにビデオには風水研究家の紳士があらわれて、いかにこの絵がすぐれているかを説明してくれる。
ふむ、ふむ。ふむ。ふむ?……詳しい理屈はわからぬのだが、ま、とにかく「少女」「かもめ」「入江」「朝日」など、おめでたい題材がぎっしりと、しかるべき方位に描かれており、風水的に最強ということらしい。




ラストはだめ押しでさらに幸せ家族の紹介だ。
高そうなリビングのソファに腰掛けている、昔の富裕層っぽい4人家族。
「宝くじがあたったんですよ、なんと前後賞」
「それでオーストラリアに行ったんだ。それとね、成績があがったよ」
「わたしは志望校に合格したの」
「仕事も大成功でしてね、大抜擢ですよ。それというのも、この絵を飾ってからです」
4人そろって、「ハッハッハ、ハッハッハッハ」


ハッハッハッハって、惜しいことに演技が下手なので、★2つです!




(取材中にゲームをする少年)


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