今年は暖冬である。
といっても2月にはいり、北向きの仕事部屋がラヴクラフトの小説ばりに冷え込んできたので、ついに押入れから灯油ストーブを引っぱり出してきた。
扠。
家庭で灯油ストーブを使用するにあたって、欠かせないのが「とらぽん」だ。知ってますよね、とらぽん。
知らない方のため念のため説明しておくと、灯油タンクからストーブの給油口まで、灯油を注ぎ込むための手動ポンプである(上写真参照)。
その本体上部に、商品名の由来となったトラの浮き彫りがなされているのだが、それがなんともいえず脱力系でかわいらしい。
つかうたびに、「へへ……」と妙な笑いがもれてしまう。
そもそも「とらぽん」というネーミング自体、駄菓子めいていて好もしいではないか。
(眉毛が2列。コアラにもクマにも見える)
で。
このとらぽん、1シーズン使っていると必ず壊れる。
ポンプの部分がダメになってきて、春がくるころにはじわじわと灯油がにじみ出てしまうのだ。
だから毎年買い換えることになる。
そのへんのタフじゃなさが、またとらぽんらしくて(「ぼく、もうダメ……がくっ」という感じで、ポンコツなロボのようにつぎつぎ壊れていく)、わたしは大好きです。
電池でうごかす式のポンプだと、毎年買い換える必要もないのだろうが、あれはトラの絵がついていなし、けなげでないからどうも使う気になれない。
というわけで、今年も新しいとらぽんを連れてきたのだ。
ひとまずはこれで冷気も退散である。
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