2012年9月19日水曜日
『幻想文学講義』を買ったのじゃ
東雅夫氏編『幻想文学講義』(国書刊行会)を買いましたです。
みんな大好き、日本中の少年少女が影響を受けまくった伝説の雑誌『幻想文学』。
その20年あまりの歴史から、貴重なインタビュー74本を収録したもので、これはもうトテツモナイ読みごたえなのです。
インタビュー集で税込6720円、という値段を聞いた時には、正直センリツいたしましたが、現物を見て納得しました。断言しましょう。7000円近く出す値は充分にあります!
メンバーもすごければ、内容もすごい。日本幻想文学史に名を刻む作家・評論家たちの貴重なナマの言葉が、ページ狭しと踊っており、読んでいると非常にテンションがあがる。
近所の塀に「幻想!文学!」と赤いペンキで落書きしたくなるような、そんな一冊なのであります。
この厚さを見てください。
同じ国書刊行会の『日本幻想作家事典』と並べてみても、遜色のない大ボリューム!
さらに『世界幻想作家事典』も詰んでみました。こうなると階段としても役に立つというか。非常に贅沢なレゴブロックで遊んでいるような気がしてきました。
毎日15分ずつ、ちびりちびりと読み進めています。
さて、同書発売記念のトークイベントにもお邪魔してきました。
9月1日、パラボリカ・ビスでおこなわれた東雅夫氏、『幻想文学』発行人だった石堂藍氏、そして『YASO』の今野裕一氏のトークイベントでは、貴重なインタビューの生音源を聴くことができました。
『幻想文学』と『夜想』というともに一時代を築いた素敵なリトルマガジンのこぼれ話、裏話もたくさん。質疑応答のコーナーでは、ずーっと気になっていた『幻想文学』の謎のレビュアー、「幻想さんと怪奇くん」「諸星翔」について質問させてもらいました。
ああ、積年の謎が解けてすっきりした。
さらに9月18日、日付のうえでは昨日、意識のうえではついさっきですが、ジュンク堂書店池袋本店にて東雅夫氏、風間賢二氏のトークセッション。
こちらは『幻想文学講義』刊行と、国書刊行会40周年を記念したトークで、幻想文学出版史(異端文学リバイバルから70年代の海外幻想文学の紹介、そして80年代のファンタジー&ホラーブームという流れ)を、お二人のお仕事と絡めながら、という内容。リアルタイムでしらない後追いの幻想文学ファンとしては(筆者は70年代生まれ)、非常に興味深い内容でした。
それにしても。
イベントの最後に東氏が仰った言葉、好きな本や出版社は読者が買い支えないといけないんだ、というのは本当にそうだと思います。
というわけだから、君も買うのじゃ!
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