2019年9月20日金曜日

『GINZA』10月号にブックガイド寄稿!

というわけで。
久しぶりにブログを更新します。
ツイッターが主な情報発信ツールになってしまうと、ついブログ更新をさぼってしまいますが、こっちはこっちで活用しないとね。




さて、最近のお仕事紹介。
といってもだいぶ間が開いてしまって、自分でも把握しきれていないので、直近のもののみ。ファッション誌『GINZA』10月号(マガジンハウス)が発売中です。
こちらに「ダークファンタジー的文学ガイド」という記事を寄稿しました。229ページです。




今回ご相談を受けて初めて知ったのですが、モード界ではここ最近「ダークファンタジー的要素」が流行の兆しを見せているのだとか。その動きを紹介する特集内企画において、ダークファンタジー的な文学作品を紹介してほしい、というのがご依頼でした。


「ダークファンタジー」と聞いて即座に連想するのは、『死者の書』などで知られるジョナサン・キャロルの諸作でしょう。しかしプラダのコレクションを紹介したこちらの記事(https://www.wwdjapan.com/articles/773351)などを読む限り、小説ジャンルで言うところのダークファンタジーとは異なるものらしい、ということが分かってきます。


しかしまだニュアンスがよく掴めない。そこで打ち合わせには、大量の文庫本を持ち込んで(取材や打ち合わせに本を持ち込むのは、私の習性みたいなものです)、現物を前にしながら2人の担当さんとあれこれ話し合いました。キャロルはもちろん、スティーヴン・キングも持ち込みましたし、キム・ニューマンも、シャーリイ・ジャクスンもニール・ゲイマンも新訳のラヴクラフトも持参しました。


で、お話をするうちに見えてきたのは、『フランケンシュタイン』や『吸血鬼ドラキュラ』のイメージに由来する黒を基調とした装い、そしてクラシカルな要素を取り入れながらも現代的、という「ダークファンタジー」観。
となると、今回のガイドで求められているのは、むしろゴシックロマンス系統なのかなと推測しました(担当さんからも『フランケンシュタイン』はキーなのでぜひ!とのオーダーがありましたし)。 そして『GINZA』はモードファッション誌、版元はマガジンハウスということで、あれこれ思案の末セレクトしたのが以下の5冊です。








全体に「幻想」や「恐怖」よりも「怪奇」を重視したセレクションになりました。ダークファンタジーという言葉を広く取って、暗い魂の権化であるカヴァンも入れています。
エンリケス『わたしたちが火の中で失くしたもの』は、打ち合わせの席で好感触だったもの。この本と『フランケンシュタイン』を基準にして、その間を結ぶように3冊を選定、という感じの作業でありました。
結果としては私の好みにも合致した(自分が選んでいるので当然ですが)セレクションになったと思っております。自分はこういうのが好きなんだよなあ、と再認識。


それぞれ作品紹介を書いておりますので、ぜひ『GINZA』10月号をご覧ください。ファッションにおける「ダークファンタジー 」のイメージも伝わると思います。
それにしても、ここ最近「ホラーのことなら」という感じでご相談を受ける機会が増えてきて、嬉しいことだなと思っております。


あ、久しぶりに更新したせいか、なんだか真面目に終わってしまった。
もっと下らないことを書かなくては。


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