原作との大きな違いといえば、まず作中時間が1989年に設定されていること。原作だと1958年だから約30年のずれがある。なんでこうなったかといえば、大人編を2010年代に持ってくるためだろう。その結果、作中で流行っている音楽がニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックだったりする。懐かしい(笑)。リッチーがはまっているのはアーケードの格闘ゲームだ。そういう細かい変更はあるにせよ、ほぼ忠実な映画化。1990年に作られたオリジナル版だと殺人ピエロのペニーワイズがどこかユーモラスだったのに比べると、こちらはかなりシリアスに怖さを狙っている。全体に正攻法で悪くないんじゃないでしょうか。役者さんたちもはまっていて、特にベヴァリー役のソフィア・リリスは「そうそう、ベヴァリーってこんな感じ」と雰囲気ぴったり。すこし残念だったのは、はみだしクラブの面々がダムを作るシーンがなかったこと。いろいろ考えてみると、突っ込みどころは多々あるにせよ、90年のオリジナル版は雰囲気があって良くできていたのだな。
疲れたのでベルクでお茶。今どき珍しく煙草の煙もうもうとする、新宿駅のオアシスである。コーヒー立ち飲みしながら、文庫解説用の本すこし読んで帰る。某誌編集さんからのメールで〆切が今日であることを思い出し(昨日の解放感は何だったのだ!)あわてて深夜原稿、同時並行で文庫解説。うーんむ。
お風呂では新訳『クトゥルーの呼び声』(森瀬繚訳/星海社)を読む。そういや「ダゴン」と「クトゥルーの呼び声」と「インスマスを覆う影」が一挙に読める本って意外となかったのでは。語注や解説も詳しく関連地図までついているので、クトゥルービギナーは迷わず“買い”の一冊だと思います。すでに読んでるよって方々にはホワイトヘッドとラヴクラフトの合作「挫傷」(初訳)が嬉しい。
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