2015年4月20日月曜日

幻のご当地あんパンを求めて



若菜晃子氏の『地元菓子』(新潮社)を読んだ。
タイトルのとおり、日本津々浦々、地元のみで愛されているお菓子を、美しい写真とともに紹介した一冊。まだまだわたしの知らないご当地甘味が存在していることに驚かされ、たいへん勉強にもなった。未知の甘いものを求めて、日本全国を旅行して回りたいものだなあ。芭蕉のように……って芭蕉はそんなことしてないけど。


わたしが今気になっているのは、ご当地あんパンについてなのである。


わたしの生まれた北海道には、「月寒あんぱん」という商品が存在し、札幌土産としてロングセラーの地位を保っている。
あんパンと言っても、生地はパン生地とちょっと違って、どちらかというと栗まんじゅうのようなものだ。サイズはこぶりで、おやつにぴったり。北海道物産館などに行けば売られていると思うので(吉祥寺コピスの地下とか)、興味のある方はいちど食べてみてください。


で。
先日某スーパーに行ったらこんな商品を見つけたのだ。



レトロなパッケージのアンドーナツ。
秋田県の山口製菓という店が作っているものらしい。買いました、もちろん。
地元では「油パン」というすごい名前で親しまれているというが、予想外に油っぽくはなく、むしろふわりっとして品がいい食感だ。大きなサイズでも、たちまち食べ終わってしまう。


さらにその翌日。
別の某スーパーに行ったらこんな商品が目にとまった。




「羊羹ぱん」。
こっちは高知県の老舗、菱田ベーカリーが作ったもので、こしあんパンの上に羊羹がコーティングされているという代物。パン部分がもっちりしていて、三位一体の美味しさである。


調べてみると、羊羹パンは北海道にも、静岡にも存在しているようで(知らなかった!)、どこが本拠地なのか謎めいている。そもそも菱田ベーカリーのホームページによれば、高知県の羊羹ぱんも、九州方面から伝わったという説があるらしい。こうなるとますます分からない。


そもそもあんパンは明治期の実業家、木村安兵衛が舶来品であるパンを、日本人の口に合うようにと開発したものだ。それが地方にわたり、さらなるリアレンジメントを加えられて、羊羹パンや月寒あんぱんのような進化発展を遂げていった、と考えるなら、日本各地にはまだまだ未知のオリジナルあんパンが存在していてもおかしくはない。


たとえば八ヶ岳の山奥でひっそりと食べられている筍あんパンとか、オホーツク海に面した孤島に代々伝えられているウミネコあんパンとか。
うーむ。一度じっくり腰を据えて調べてみたいな。ご当地あんパンのすべて。


以下、あんパンではないけど最近食べた甘いものをざっと紹介。


●中野 縁屋の焼きだんご 
注文してから焼いてくれるだんごは絶品。最近は中野でUFO本を漁り、ここのだんごを買うのがひそかなマイブームなのです。




●人形町 重盛永信堂の人形焼き
知り合いが住んでいるので、最近は人形町方面にしばしば出かける。帰りに必ず買ってくるのが、永信堂の人形焼き。会話させながら食べると、一人でももう淋しくないよ!




●神楽坂 紀の善のあんみつ
仕事で飯田橋によく行くようになって、紀の善のあんみつにも初めて手を出した。寒天はもちろん天然もの。あんみつの肝はやっぱり寒天だよ、キミィ。




●吉祥寺 天音のたい焼き
ハモニカ横町名物の羽根つきたい焼き。頭どころか、羽根まではみ出すほどたっぷりのあんは、黒糖仕立てで一度食べるとくせになる。100個くらい食べたい。







こういうものを食べながら、以下のような本を使うお仕事をしているわけである。





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