2011年12月25日日曜日

『ダ・ヴィンチ』1月号発売中。

またしても告知が遅くなりましたが『ダ・ヴィンチ』1月号が発売中。今回は恩田陸さん2年ぶりの新作『夢違』についてのインタビューを担当させていただきました。


 夢を映像データとして記録することが可能になった世界での、奇怪な事件を描いた長編でかなりホラー度が高く、恩田さんの初期モダンホラー系作品『六番目の小夜子』『球形の季節』『月の裏側』あたりで描かれていたような、現実がじわじわと異界に侵攻されてゆく怖さがたっぷりと味わえる力作です。


「夢と現実の境界」が大きなテーマになっているので、『虚空の眼』『火星のタイムスリップ』などのP・K・ディックの諸作、最近でいうと映画『インセプション』や乾緑郎の『完全なる首長竜の日』のような、現実がグワングワンと崩れていって、頭がグウラグウラとめくるめくような、現実崩壊SFのテイストも濃厚ですね。
 この手がお好きな方なら(一定数はかならずいるはず)主人公の周囲で頻発する異常現象のつみかさねから、前半の山場である「小学校でのパニックシーン」へといたる流れに、きっと大興奮させられるでしょう。


 今回のインタビューではなぜ「夢」をテーマに選んだのか?というポイントを中心にお話をうかがっています。『ダ・ヴィンチ』本誌の他、ウェブ(ダ・ヴィンチ電子ナビ)でも読むことができますので、機会があればご覧ください。


 余談ですが、『夢違』冒頭で描かれる怪談実話的なシーン。生々しい筆致がたいへん怖ろしく、気になって恩田さんに尋ねてみたところ、なんとよく知った某社編集さんの体験談なのだと分かって驚愕しました。



●恩田陸『夢違』(角川書店 1890円)

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