2025年9月2日火曜日

怪老人日乗:9月2日(火)

さて思い起こせば5月、6月は尋常でなく忙しかった。7月も似たようなものであった。書き下ろしの作業と普段の原稿仕事がまざって、倒れそうなくらいであった。喉元過ぎれば熱さを忘れて、へへーんという気持ちになっているから、原稿仕事をこうやって続けていられるのだが、忘れっぽくない人なら「もうあんなつらい思いはしないぞ」と思うであろう。わたしは忘れてしまうので、続けていられるのである。

で。で。で。9月もそんな感じになりそうで、怖い。ゾクゾクホリデーである。休日でもないのにホリデー気分とはこれいかに。南無阿弥陀仏の声のみ聞こゆ。まずですね、書き下ろしの3冊目がある。それはまあいい、以前からのお約束だ。やりましょう。しかし6月7月忙しくしていて、結構お断りしていた解説とか、書評とかがあったのである。で9月くらいになったら暇になっているだろうし、生活費を稼がなくては、と仕事を面白がってばんばん受けていたら、それが積み重なっており、9月4日くらいにまとめて締め切りがくる。どれもまだできていない。大変だねえ。

そういうのの作業をしているから今日はめっちゃ大変だ。しかも4日は某月刊誌の入稿日であり、そういうのの作業もある。えらいこっちゃわ。まずゲラ読みが1000ページくらいある。それだけで大変なのだが、細かい原稿を10本書いたり、映画を観て評を書いたりもしないといけない。どれからやろうかなあ、刺身と天ぷらとステーキとおはぎがあるようなビュッフェスタイルであり、目移りするほどだ。クラクラ日記……。

しかし川奈まり子さんとか吉田悠軌さんみたいにイベント出まくりつつ原稿を書いている人もいるし、梨さんとか背筋さんみたいに尋常でない量の仕事を受けている人もいるし、朝里樹さんみたいにありえない数の単著、監修書を出している方もいるので、まだまだ私の仕事の詰め方も甘いのである。もっとお弁当箱のようにぎゅっとすれば、いろいろできるはずなのだ。と思ってがんばっております。来年はもすこし休むけどね。

そういえばXで一昨日あたりから「ライターの原稿料が安い問題」が噴出している。そりゃあ高いに越したことはないのである。わたしも安いものは断る。実はこの額以上でなければ断ろう、という基準があって、それにしたがって選んではいるつもり。もっとも媒体によっては「お金ないんだろうなあ」というところも実際あるので、そういうところは伝統的にその安い値段なのだろうし、そういう時は何も言わずに引き受ける。媒体とか特集の内容にもよるところも大きい。面白そうなら安くても受けられるのです。さらっとアリの巣の前で踊って、アリからお金がもらえたらいけど、そんな仕事はない。


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