2023年12月31日日曜日

怪老人日乗:12月31日(日)大晦日合戦編

というわけで365回にわたってお楽しみいただいた2023年も、早いもので最終回となりました。怪老人日乗も今年はこれでラストの更新です。今年もですね、まったくこの内容のない、ただのだらだらと指の趣くままに書き連ねている怪老人の生活をですね、辿ってくださった皆さまにはハッピーよ訪れろ、とまあ言いたいですね。

で今日は何をしていたか。といえばまあ概ね掃除とか、年賀状とか、そういうことだわなあ。今さっき近所のスーパーマーケットに行き、今年最後の買い物。ブックエンド3ツ。それを書庫に並べて、まあいんでないでしょうか。函館の夏祭りでは「とってもいんでないか~い」という地元オリジナルの音頭が流れるわけですが、そこまで行かないにせよ「そこそこいんでないか~い」という程度には片付きました。年賀状は紅白を見ながら書こう。遅れて済まん。

で今年の仕事というか、そういうのをざーっとふり返っておきたい。ええとですね、まずはアンソロジー関係。1月に『てのひら怪談 見てはいけない』(ポプラキミノベル)が出る。2月に『人間レコード 夢野久作怪奇暗黒傑作選』(角川文庫)が出る。8月に『てのひら怪談 ずっとトモダチ』が出る。12月に『影牢 現代ホラー小説傑作集』『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』(ともに角川ホラー文庫)が出る。というわけで合計5冊。お買い求めくださった皆さま、ありがとうございまする。特に『現代ホラー小説傑作集』はこんなホラーアンソロジーを作りたい、と前々から思っていたもの。理想的な内容の2冊になった。







そしてメディア関係。4月にMBSラジオ『松原タニシの恐味津々』にゲスト出演する。2回にわたってホラー小説の話を松原タニシさんと。また小学館のポッドキャスト「本の窓」にて対談の司会を2度(今村昌弘さん×一本木透さん、呉勝浩さん×一穂ミチさん)。いずれもインターネットに音声が残っておりますので、ご興味ある方はどんぞ。あ、夏場にホラー作家の方々をゲストに招いて、星海社M君とホラー小説を語るスペースを開催したのも楽しかったですね。

(松原タニシの恐味津々)

続いて解説方面。今年は文庫解説さほど多くなく、恒川光太郎『真夜中のたずねびと』(新潮文庫)、大島清昭『影踏亭の怪談』(創元推理文庫)、福澤徹三『怪を訊く日々』(ちくま文庫)くらいかな。忙しくてお断りしてしまったものもある気がする。『怪を訊く日々』はSNSでずっと好きだと言い続けていたら、ちくま文庫編集部のIさんが起用してくださった。なんでも言っておくものだ。



それから寄稿方面ですと『BRUTUS』のホラー特集に黒衣の一人的な立場で企画段階から関わり、辻村深月さんの公式ファンブック『Another side of 辻村深月』に辻村作品におけるホラーを論じた文章を寄稿。『朝日新聞』から背筋『近畿地方のある場所について』の書評をモキュメンタリーブームと絡めて依頼されたのは、いかもに2023年。一般層へのホラー人気の浸透をあらためて実感したものだった。『幻想と怪奇14 ロンドン怪奇小説傑作選』にはロンドンと日本作家の関わりを書いた論考。『幻想と怪奇』にはコロナ禍初期の頃、いろいろ忙しくて不義理をしてしまったことがあり、その借りを返すことができてホッとした。






また今年は国書刊行会が50周年、角川ホラー文庫が30周年だったのでそれに関するお仕事も多かった。前者では小冊子制作にライターとして関わった他、好書好日にお祝いエッセイを書かせてもらったのがいい思い出。後者では『怪と幽』に書いた「角川ホラー文庫30年の歩み」がそれなりに好評で、特設サイトにも転載された。




あとは何だろうな。新刊の推薦文もいくつか。芦花公園さん『パライソのどん底』(幻冬舎)、饗庭淵さん『対怪異アンドロイド開発研究室』(KADOKAWA)などの帯にコメントを寄せた他、知念実希人さん『ヨモツイクサ』(双葉社)の増刷時の全面帯にもコメントが使用されている。




好書好日の連載は早いもんで6年目に突入した。この11月から12月にかけてはインタビュー記事が朝日新聞土曜版に転載されていて、ホラーワールド渉猟がネットをしない全国の老若男女に楽しまれている(はず。紙面を確認していませんが)。『ダ・ヴィンチ』『怪と幽』の仕事も一時に比べると抑え気味だが継続中。小学館のウェブ雑誌「本の窓」は休刊になってしまったが、そこでやっていた新刊インタビュー企画はサイト「小説丸」に引っ越して続いている。

これは自分が直接原稿を書いたのではないが、神保町の三省堂書店(小川町仮店舗)さんにて夏に朝宮運河フェアをやってくださった。私が選んだ角川ホラー文庫の既刊と、ホラーワールド渉猟で紹介した本を大々的に並べてくださっていて、二三度訪れたが壮観でありました。




昨年も開催したツイッター上のランキング企画「ベストホラー」は今年も無事終了。去年の反省を生かし、しつこく広報宣伝に努めたおかげで、いっそう盛り上がったと思う。店頭でベストホラー2023フェアをやりたいという書店さんも複数あり、ネットからリアルへと波及してきたのはそれなりに狙い通りとはいえ、嬉しい展開だった。来年はさらなる展開がある(はず)。

またコロナ禍がやや落ち着きをみせ、従来どおりの生活が戻ってきた一年であった。出版社のパーティも復活し、11月には4年ぶりにおこなわれた角川三賞の贈賞式に出席。お久しぶりの皆さんに加え、阿泉来堂さん、東亮太さん、堀井拓馬さんなどのホラー作家さんと初めてお会いできた。

あとは何かなあ。仕事方面はこんなもんか。あとはワニの絵を唐突に描き始めて、「あいつ大丈夫か」という感じになっているが、それはまあもともと大丈夫でない人であることが最近露見しただけで、むしろ良かったのかもしれぬ。それにしても仕事で接することになるちゃんとした人たちに、ワニの絵を見られていると思うとへそのあたりがゾクゾクする。

ワニの絵は別に連載にするつもりはなくて、第1回を見てもらえると分かるんですが、ただの予定表の余白の落書きだったんですよね。それをつい出来心で2、3回続けてしまったら、「これ途中でやめたらかっこ悪いよな」という気持ちになってきまして、それで1000日続ける羽目になったわけ。しかし描いているとなかなかワニも可愛いのではないか、と思うようになり、最近すっかりワニが好きになってしまった。




SNSの世界には絵のうまい人がゴロゴロしているが、もっとオルタナ系というか、ガレージパンク的なでたらめな絵もあっていいのではないか、という気持ちもあって、あえて恥をさらしているのである。私だってうまく描けたら描きたいんですけどね……。下手なものはしょうがない。またお金に換えようという邪念もないので、非常にやっていて気楽である。そもそも私の絵と浅井健一の絵は、お金を取っちゃ駄目なんだよ……。

あとはプライベートでは何だろうな。久しぶりにバイクを買って嬉しかったけれども、いきなり自分ちの前のフェンスにぶつけてライトを壊しました。修理に8万円もかかって、毎月小遣いから返済しております。バイクは奥さまとの共用。ちなみに今は奥さまがチェーンロックの鍵をなくして、いい天気なのにどこにも行けない。まあ厄払いみたいなものだろう。




来年こそは単著を出さないと星海社M君に見放されてしまうので、他の仕事を減らしてでもやらないとなあ、ってこれ毎年言っていますよね。がんばろう。あともうひとつそういう系のご依頼もあって、うまくいくと来年はいろいろ出るのではないでしょうか。そんな感じですかね。あと半日で来年ですよ。ざっはっは。皆さまよいお年を。お年玉が出たら、ホラーを買いましょう。







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