怪老人日乗：10月8日（日）

アマゾンオーディブルに加入した。このところ知力体力衰えがはげしく、ホラー以外の本がほとんど読めていない。これはいかがなものか、と思ったのでせめて耳から聞こうと思ったわけ。先日取材した作家さんが「お風呂では映画を観ているし、移動中はオーディブルを聞いている」と言っていて、インプット怠らない人はそうやってうまく時間を使っているんだよなあ、とあらためて思った次第です。まあ私も風呂では本を読んでいるが、ホラーばかりだからたまにはホラー以外も摂取したい。

というわけで宇佐美りん『推し、燃ゆ』を聞いている。ベストセラーだったのに今日まで読んだことがなかったが、そういう話だったのかあ。「推しを推す」という表現が出てきて、そこがなんか面白い。こういうベストセラーに3歩遅れてついていく感じ、おじいさんみたいでいいですよね。

体育の日を用いての3連休だが、明けに〆切が5つほどあるのでずっと仕事。子どもは野球の試合があるし、どこかに出かける予定もないのだ。昨日はちょっと仕事の合間に出かけ、バイク屋へ。奥さまも教習に通い出したし、いよいよ本当にバイクを購入することになりそうで、何を買おうかなあとソワソワする。125ｃｃまでだから選択肢は限られているけど、まあ私も大きいのに乗る予定はないので、高速を走れないやつで十分だろう。

前にも書いたがわたしは楽しいことの少ない人生で、コーヒーを飲むこととあんこを食べることくらいしか生きていて嬉しいと感じることがない無感動、無関心、無表情という人生の裏三冠王なのだが、思い返してみればバイクの運転は結構好きで（車はふつう）ただただ機械に体を揺られているあの感じ、生きていて楽しいと感じる数少ない瞬間のような気がする。

先日劇場版の『コワすぎ！』を観に行って、それがたいそう面白かったのでオリジナル版の『コワすぎ！』もまた見返している。心霊ビデオ投稿者の役で、今や怪談師として大活躍の村上ロックさんが出演されていて、おお、と思った。人に歴史有り。わたしも下積み的な時代が長かったので、業界のあちこちに「おお」と思われてしまうような人生の痕跡が散らばっているが、まあ発見しても大目に見てください。

急に寒くなってきて長袖。夏のうちにリビングの窓を二重にしておいてよかった。さっそく効果が出ている。東京の家は寒すぎるよ。脳が凍ってしまいそうだ。