2023年6月22日木曜日

怪老人日乗:6月22日(木)

ああもう木曜日。どうしてウィークデイは5日しかないのか。いや、精神的・肉体的にきつい労働に耐えている人にとっては5日でも長いよ、早く休みになってくれよ、という気持ちかもしれないし、自分も学生時代そう思っていたような気がするが、今はできるだけ一週間よ長くあれ、と思うようになってしまった。いろいろ金曜までに一段落しなければならないミッションが多く、木曜の朝からインポッシブルな気分でいっぱいです。

ところでツイッター、パソコンで見ることも多いのだが、GoogleChromeの拡張機能を使って「トレンド」とか「おすすめユーザー」とか、そういうのを表示しないようにした。ちょっと最近のツイッターは関心のない話題が出てきすぎるな、というのが気になっていて、試しに拡張機能を使ってみたらいやもうシンプルなこと。非常に快適である。ここ数日はさらにシンプルを極め、フォロワー数とかリツイートの数とか、そういう数字も出なくしたし、なんならタイムラインも非表示にしてしまったよ。自分の投稿しか表示されないので、もうほとんどこのブログと同じである。(携帯ではちゃんと皆さんの投稿も見ています)。

さて。昨日は取材でありました。小学館「本の窓」の新刊インタビューは、自分の守備範囲から微妙に外れていて、でも面白い本を取りあげるので(人選は編集部)刺激がある。仕事でこういう表現もどうかと思うが、勉強させてもらっているなあという感じ。穂村弘さん、平松洋子さんなんて、この企画でなかったらインタビューが叶わなかっただろうし、『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のデボラ・インストールさんもそう。昨日記事が公開された韓国の人気作家キム・ホヨンさんもそうだろう。

昨日の取材も怪奇幻想とはまったく違ったジャンルの本だったが、心に響くお話でありました。このインタビュー企画をやっていると、自分も真人間にならなくては、という気になっていいなあ。阿呆な我が身をちょっとふり返る時間。インタビュイーの方が「チャットGPTはまったく怖がるべきものではない」と言っていたのが印象的だった。人間のもっている沈黙の力、言語の底にある広大な世界を感じ取る能力に、AIは到達することはできないだろうというのである。

取材、無事に終わって3時半。お昼がまだだったので神保町ですませる。某店でソースカツ丼を食べ、古本屋を数年覗いて飯田橋に移動。編集仕事を夜までやり、池袋のジュンク堂で新刊チェックして複数冊本を買って帰る。ところで東京の地理に明るくない方は、神保町だの飯田橋だの池袋だの、よく目にするけどイメージが湧かない、という気持ちだろう。私もそうだったのでその隔靴掻痒感はとてもよく分かる。なので簡単に説明すると、神保町はやたら本屋と古本屋が並んでいるところ(カレーを食べている人も多い)、飯田橋はむかし侍みたいな人が住んでいたところ、池袋はなんだかしらないが雑然と栄えているところ、と思っていただければ間違いはない。

で神保町の古書店でホラーを買う。谷甲州『背筋が冷たくなる話』(集英社文庫)。2000年に出ている文庫オリジナルのホラー作品集だが、まったく存在に気づいていなかった。SF系はチェックが甘くなるなあ。



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