2023年6月14日水曜日

怪老人日乗:6月14日(水)

さてあっという間に水曜日じゃないですか。そして6月ももう半ば。昨日はどうにも仕事進まず。120文字の短文原稿書いたのみ。月曜にがんばり過ぎたか。今日はぎりっとやるぞ。昨日はあちこちから本をお送りいただいた。見本や出版社や著者よりのご恵贈本、仕事柄いろいろ届くのだが昨日は5冊。ありがとうございます。私は貧窮問答歌で本がまったく買えない時代があったので、本をいただけるのが今でも一番嬉しい。ありがたい。

昨日届いた本の中に、上田麻由子さんからの荷物があった。ヘレン・オイェイェミ『あなたのものじゃないものは、あなたのものじゃない』(河出書房新社)である。訳者の上田さんはかれこれ20年以上の付き合いになる古い友だちで、バンドなどをして遊んでいた仲なのだが、今はお互い出版業界で仕事をする立場となり、向こうはアメリカ文学、こちらは日本の怪奇幻想文学とやっているジャンルは違うけれど、まあ近いといえば近い業界で、大人になっても縁が続いているのは不思議な気がするのであった。



さて今日は朝イチで是枝裕和監督『怪物』を観てくる。ほとんど事前情報なしで観たが、ミステリ的な構成とテーマがうまくかみ合っていて面白かった。湖があって、緑が深い、上諏訪の風景もいい。子役2人もとても達者で、なかなか難しい役どころだと思うのだが、説得力をもって演じていた。ところで私は――本当にところでだが――昔からおトイレが近いたちで、特に映画館や観劇など、多少の緊張感のともなう場だと余計にお手洗いに行きたくなってしまうという困った体質であり、「まさか2回もトイレに行くとは思わなかった……」と同行した奥さまが呆れていたが、まあいいじゃないの。みうらじゅんのように「そこがいいんじゃない」と無理やり自分を納得させた。そんなわけで2度の中座は挟んだが、映画は面白かったです。

午後は家にこもって仕事。今週は取材・打ち合わせがないので集中して仕事ができる。嬉しや。私は外に出るのが苦手で、子どもの頃友だちが遊びにきても居留守を使っていたくらいだから、いくらでも部屋にこもっていられるのです。物書き業というのは経済的に不安定で、これでいろいろ苦労の多い仕事だが、日中外に出なくていいというだけで、もうお釣りがくるくらいありがたい話と思っている。


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