2022年5月3日火曜日

怪老人日乗:5月2日(火)

うおう、もう連休も半ば。そろそろ明けた以降のことを考えて動かねば。とはいえ私は動物なのであまり長期的な展望を抱くことができず、今日をただ淡々と過ごすのみ。そして〆切直前になって焦るのだ。

午前から家族で外出。大泉学園のシネコンにて映画『ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021』を観る。平日なので劇場は空いていた。さて今調べたところによるとオリジナル版『のび太の宇宙小戦争』が公開されたのは1985年の3月。当時7歳で、偶然にもうちの子どもと同じ年齢だ。

一昨年公開の『ドラえもん のび太の新恐竜』がお世辞にもいい出来とはいえず、というか倫理的に許しがたいナチュラルに邪悪な映画で、またあんな感じだったらイヤだなあと思っていたのだが、今回の『宇宙小戦争2021』はオリジナルのほぼ忠実なリメイクで、一部今風のアレンジがなされているものの、抵抗の神話を描いた藤子不二雄原作のテイストは損なわれておらず、ほっと一安心だった。武田鉄矢の主題歌「少年期」の代わりにビリー・バンバンを使っているけれど、曲が流れるタイミングも見事にオリジナル版とぴったり。

『新恐竜』を観た当時の感想→https://twitter.com/Unga_Asamiya/status/1312580315257339904

それだけ忠実なリメイクなのだから、面白いに決まっている。思うにこの作品はスモールライトの効果で体が小さくなったり大きくなったりする、その『不思議の国のアリス』症候群的な体感を、小人世界での戦争ドラマに巧みに融合させた点が面白いので、クライマックスでしずかちゃんの体が巨大化し、戦車を突き破って海から現れるシーンの盛り上がりはやはりこたえられない。

それとあらためて観ていて気づいたが、この映画ドラえもんの武器がほとんど登場しないのね。スネ夫の戦車ラジコンの改造はあるけど、空気砲やひらりマントなどいつもの大長編に登場する未来兵器が登場しない。あくまで惑星ピリカにあるものを使ってことに対処しているので、そこが「民衆の勝利」という物語のテーマと響き合っていて、とてもいいなと思った。次から次へと困難が降りかかる容赦ないストーリーテリングも冴えている。リメイクで観直すといろいろ発見がありますね。

というわけでみんな満足。友人宅に遊びに行くという家族と別れ、私は大泉学園駅前のコーヒー屋で原稿仕事、夕方まで。インタビュー記事完成させて送り、そのまま解説用のゲラ読み途中まで。夕方、最寄り駅まで戻ったところで強い雨。歩くとかなり濡れそうだったので駅前で早めのお夕飯。小雨になったところを見計らって帰る。

朝干したままの洗濯物、水がしたたるほど濡れており、部屋干ししてもどうしようもない感じ。仕方ないのですべて抱えて近場のコインランドリーへ向かう。自宅に乾燥機があればなあと思うけれども、友人にアンケート取ってみたところ「あっても案外使わないよ」とのことなので、急いで導入する必要もないのかしら。まあ夜のコインランドリー、独特の雰囲気で嫌いではない。クーラ・シェイカーのボーカルであるクリスピアン・ミルズが監督した奇妙なコメディ映画『変態小説家』のあの感じである。

30分乾燥機回しながら読書。著者謹呈で今日いただいたばかりの阿泉来堂さん『贋物霊媒師 櫛備十三のうろんな除霊譚』(PHP文芸文庫)をさっそく読み始めた。4話収録のホラーミステリー。ちょっと抜けたところのある探偵役、櫛備のキャラクターがなんともいい味ですね。5月11日発売。




帰宅してお風呂入り、朝のうちに今日のノルマも達成しているしで早めに就眠。『てのひら怪談 こっちへおいで』に関するツイート、あちこちから反響あってありがたいことである。子ども向けのアピールは担当さんにお任せするとして、大人のホラーファンに届ける工夫を今後もいろいろ続けていきたい。オンラインででもイベントができたらいいんですけどね。




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