今日も薄曇り。やや肌寒し。朝食、昨日の竹の子の煮物。春野菜は美味しいですね。気づけば大型連休まで10日である。「連休までに」と請け負っている仕事がいくつかあるので、そろそろ捻子を巻いていかねばならん。
とはいえ生きるとは雑用の連続なので、朝から大型のホームセンターへ。必要あって砂利を20袋、レンガを15片という人間でも埋めそうなセットを買う。いかにエスパー朝宮でもこの量は運べないので、お店の軽トラを借りた。東京と埼玉を隔てるまっすぐなロードの右手にはビニールハウス、左手にはフナが泳ぐ曖昧な川、トラックの荷台には大量の砂利。入江悠『SR サイタマノラッパー』みたいな怪奇幻想ライターの日常。
トラック返却し、帰宅してコーヒー淹れてさて仕事。近所の方が町内会費を集めにくる。いかにも腰の低い白髪頭の男性で、「すみませんね、こんな時間にねえ」としきりに恐縮している。「私だって苦手なんです。でもね、仕方ないんです。誰でもいつかはやることになるんですから」と不吉な言葉を残して去って行った。死神みたいでおそろしかった。
合間に思い立って古本2冊注文。昭和の怪談とホラー。仕事上必要な本がまだいくつかあり、電子書籍があまり得意ではない私としてはなるべく現物で欲しいのだが、そうすると値段が何十倍にもなるから悩ましい。たとえば田中文雄の『妖髪』はアドレナライズの電子書籍だとKindle読み放題対象だが、大陸ノベルス版を買おうとすると2万円くらいする。稲生平太郎『アムネジア』にしても似たような状況。
先日芦辺拓氏が最近ツイッターに書いていたとおり、「本を手放してもまたすぐ買える」という時代は終わったようだ。どうしてこんなことになったのか。転売ヤー的な人が跳梁しているせいなのか。古書流通のあり方が変わったのか。まあ地の利をいかして、こまめに都内のリアル古本屋をめぐるしかない。
夕方までに短い原稿ひとつ。明日の原稿のためにリサーチの本読み。そうこうしてたら、もう日が暮れる。毎日10枚の目標はなかなか達成できないね。明日こそは。
仕事していたら明正堂アトレ上野店閉店の報。東京の繁華街で、しかも有名書店員さんのいるお店であってもリアル書店は厳しいのか。関係者ではないので事情は分からないが、なんというかショックなニュースであった。街の本屋にふらっと行ける暮らし、というのが日本の大部分でもう成り立たなくなっているのかもしれない。いろいろ考えてしまう。
夜からどしゃ降り。雨音を聞きながら、お風呂で鈴木光司『リング』久しぶりに再再…読。構成がキビキビしていて、文章に隙がないこと、超自然描写のリアルであること、科学とオカルトのバランスが絶妙であることなど、鈴木作品の美点がぎゅっと詰まった、やはり一世一代の作であると思う。『らせん』『ループ』も忘れているから再読しなくては。
怪獣マークの引越社。アリやパンダやクロネコには負けねえ、という気概を感じる。
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