まだ眠いザマス。子どもを少年野球のグラウンドに送った後、部屋の片付け。ゆるゆると仕事。土曜の朝から仕事するなんて哀しいことだなあ、哀・戦士だなあと思いつつ、こんな暮らしをずっと続けて十数年。生まれ変わったら週休4日くらいの仕事に就きたいね。
先日購入してきたブックエンドを使い、書庫の文庫コミック棚を整理。20個買っておいたけどまだ足りない。書庫が完成するまでに、ブックエンドを一体幾つ買うことになるのだろうか。100じゃ全然足りないだろうなあ。その後、家の敷地に砂利を撒いたり、雑草を抜いたりする。
「好書好日」連載〈朝宮運河のホラーワールド渉猟〉4月のインタビュー記事掲載。今月は『東大怪談』を上梓された豊島圭介さんである。
『東大怪談』を書店で見た時、正直「東大×怪談かあ、いかにも売れ線なコンセプトだなあ」と思ったのです。しかし!読んでみたら東大ブーム便乗本などではなく、私の大好きなあっさり中華そば系の本格怪談実話でした。日常にふっと怪異が入り込む、あの違和感、奇妙感。背脂でギラギラした怖さではなく、生活に密着したささやかな異変。
それを際立たせているのが体験者11人の人生で、いやー、東大生といってもいろんな方がいるのだなあ、とあらためて驚いたものでした。ゴミ屋敷で育った方、風俗街で性被害に遭った方、クリスチャンの父(母親の再婚相手)に暴力を振るわれていた方。もちろんザ・エリート街道という方もいるが、それだって人生いろいろだ。東大ブームに便乗した感じの本でしょ?という私の方こそ、東大生に先入観があったな、ということを思い知らされたのです。
『新耳袋』を愛読する豊島監督だけに、怪異への距離感も絶妙。体験者11人の中にはオカルト的な世界観にどっぷりな人もいるんですが、豊島監督はそれを否定するでも肯定するでもなく、「世界はそういうもの」というスタンスで提出している。その足もとのグラつく感じが心地いい。とにかく一見色モノのようで、オールドスタイル&王道系の怪談実話ですので、『新耳袋』『怪を訊く日々』あたりが好きな方はぜひ!
お昼とった後、午後は下読み作業。書き下ろしの準備も少しだけ進めて、夜は家族でおはじき大会をした。デザートは奈良公園土産のくず餅。奥さまは関西人なので「くず餅は葛粉が入っていないと」という人なのだが(東京のには入っていない)、関西人でも関東人でもない北国の民としては「美味けりゃなんでもいいじゃないか」という立場である。
田中文雄『死霊警官』読了。最終的には「死霊警察署」というキラーフレーズまで飛び出して、頭からしっぽまで美味しいホラーだった。とにかく首がポンポン落ちる!こんなに首が落ちる話もそうないんじゃないでしょうか。スプラッターだが怪奇趣味が濃厚なのは(戦争遺跡の残った猿島が舞台になるクライマックスに顕著)田中文雄さんらしい。
夜中まで下読み&原稿書き。ところで『同志少女よ、敵を撃て』が話題である。この作品、ヒットの要因のひとつにタイトルがあるような気がする。覚えにくそうに思えて、実はしっかり七五調なのだ。「古池や同志少女よ、敵を撃て」「降る雪や同志少女よ、敵を撃て」「水枕同志少女よ、敵を撃て」。とむりやり俳句にしてみたが(すみません)あまり違和感がないのは日本人に染みこんだリズム感ゆえだろう。同じように七五調タイトルのヒット作に『千と千尋の神隠し』がある、ということにも今気がついた。
もし全米ベストセラーリストに名を連ねたければ、きみも七五調のタイトルを考えてみたまえ!!(ディーン・クーンツ風)
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