2016年12月4日日曜日

ある冬の夜の怪老人 お仕事紹介篇


最近めっきり記憶力がダメになってきて、自分が昨日どこで何をしていたのか忘れがちであるので、ここ最近のお仕事を報告しておこう。
まずは新しいところから。




恩田陸さんの短篇集『私の家では何も起こらない』(角川文庫)の巻末対談(恩田陸さんと名久井直子さんによるもの)の取材・執筆を担当している。
実はこの巻末対談、単行本刊行時に雑誌『ダ・ヴィンチ』に掲載された記事の再録。
ずいぶん前に手がけた仕事が、こうして文庫に収められるのはライターとして嬉しいことである。
ただしどこにもクレジットが入っておらず、ライターとしては若干悲しいのであった。とほほ。
 




『本の旅人』12月号(KADOKAWA)では、日中共同製作映画『空海 -KU-KAI-』の製作報告会見の模様をレポートしている。原作は夢枕獏さんの伝奇小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』。会見場では、中国の湖北省に作られた巨大なオープンセットの映像などが公開された。
映画は2018年公開予定。楽しみなことである。




TEAM NACSが表紙の『ダ・ヴィンチ』12月号(KADOKAWA)では、京極夏彦さんに話題作『虚実妖怪百物語』(KADOKAWA)についてインタビューしている。
写真は京極さんのご自宅にある、水木グッズ専用スペースで撮影。妖怪&妖怪関係者が大挙して登場する(水木しげるご本人も登場!)作品世界にぴったりの写真なので、こちらもご注目を。




『青春と読書』12月号(集英社)では、同じく京極夏彦さんにインタビュー。
こちらは集英社から最近発売されたばかりの新刊『書楼弔堂 炎昼』についての記事。
明治期の書店を舞台にした「弔堂」シリーズも2冊目。今回は若い女性を語り手に、明治時代を彩った傑物たちと書物の関わりが描かれてゆく。
同内容のインタビューは、電子版で発売中の『「書楼弔堂」シリーズガイドブック』にも収録されているので、『青春と読書』が見付からないよという方はこちらも是非。




 

さらにさかのぼると『週刊現代』11月5日号(講談社)内「日本一の書評」コーナーに、長江俊和さんの『東京二十三区女』(幻冬舎)の書評を寄稿した。
同作は、賑やかな東京に隠されたもうひとつの顔をミステリー&ホラー仕立てで解き明かした連作短篇集。編集さんから書評の依頼をいただいた時には、「おれが『放送禁止』の大ファンと知ってのことか!」と嬉しくなったものである。
仕事の関係で並木橋のあたりをよく歩いていた時期があったので、収録作では渋谷の地下空間を舞台にした「渋谷区の女」がとりわけ印象深かった。




 『小説宝石』11月号(光文社)では、オウム真理教による一連のテロ事件をモチーフにしたミステリー長篇『コクーン』(光文社)について、著者の葉真中顕さんにインタビュー。
フィクションでなければ描きえない絶望と救済。デビュー以来、「善悪の彼岸」を追い求めてきた葉真中さんですが、3作目にしてこんな境地にまでいっちゃうんだ、という驚きがインタビュー記事にも表れているのではないかと思います。
こちらも是非。




こんな感じであろうか。
そうこうしていたら、そろそろ怪談専門誌『幽』26号が出るのであった。
お次の『幽』は、夢野久作だ!!








 










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