2016年9月22日木曜日
『本当に恐ろしいサイコ・ホラー読本』
仕事帰り、高円寺のスゴい店に寄って1999年刊のムック『本当に恐ろしいサイコ・ホラー読本』(ぶんか社)を買う。
前にも書いたと思うが、わたしは90年代末のホラーブームの洗礼をもろに受けた世代で、あのムーブメントにはいまだに関心があるので、当時お金がなくて買えなかった本を見かけると、つい買ってしまうわけである。
90年代には映画『羊たちの沈黙』『セブン』、ロバート・K・レスラーの犯罪本のブームもあって、サイコ・ホラーが花盛りであった。
本書はそれらを総まくりしたガイドブックで小説&映画レビューの他、なぜか矢部美穂にストーカー体験を尋ねるインタビューまで掲載している(なんとなくストーカーされてそうだから…というだけの理由!) 。
発行元のぶんか社は、あの東雅夫を編集長に迎えたホラー専門誌『ホラーウェイヴ』を創刊し、牧野修や友成純一に書き下ろしホラーを依頼するなど、当時のホラーシーンにおける重要拠点ともいえる版元であった。
さて、この『サイコ・ホラー読本』。
巻末の執筆者プロフィールを眺めていると、なんともいえず懐かしい気持ちになる。
神無月マキナ、風間賢司(風間賢二とは別人)、矢吹武、中島晶也……。
当時、ホラー系のムックではよく見かけたお名前ばかりである。
とりわけホラー映画誌『SCARED スケアード』編集長でもあった神無月氏は、映画評に書評にと八面六臂の大活躍で、90年代ホラーブームを象徴するライターさんであったように思う。
「自分もこういうことがしたいなあ」、と当時明確に意識していたわけではなかったが、ただ「こちら側」に行けばなんだか愉しいことが待っている気がして、ぼんやり過ごしていたら早20年。気づくと自分も、怪奇幻想の世界で口を糊するライターになっていた。
(この項つづく)
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