『貞子VS伽椰子』を観てきた。
映画は最高。脚本が手堅く、隅々まで配慮が行きとどいていて、2大ヒロインが無理なく対決する流れになっているのに感心。両シリーズのファンはもちろん、未見の層も取りこむことに成功している、おもてなし精神にあふれたお祭りホラー。
『フレディVSジェイソン』に並ぶ、vsものホラーの名作だと思います。
が。
観ていてただひとつだけ、気になった点があった。
佐津川愛美演じる女子大生が、リサイクルショップの店内でこんなことを言うのである。
「もう~、今どきビデオテープなんて誰も使わないよ~」
ちょ、ちょいと待て!
と突っ込んだ人は全国に数千人いるはず。VHS、まだ現役だよね?
少なくともわが家では普通に使いつづけていて、たまにテレビを録るときは(「笑点」だけだけど)ビデオテープだったりする。
なぜビデオデッキ(正しくはDVDとVHSの複合機)を使いつづけているのか、といえば捨てられないテープがたくさんあるからだ。
デッキを買い換えればDVDに録画できたり、ブルーレイを観られたり、いいことが色々あるんだろうが、その一方で押入れに積まれたビデオテープが再生できなくなってしまう。
で。
VHSの良さを見なおそう、という主旨の緊急連続企画。
「ほんとにあった!カルトなビデオ」と題して、わが家に眠っているわけのわからないビデオテープを再生していこう。
記念すべき一本目は、これだ!!
『稲川淳二の冥土inお葬式 ―現代葬式講座―』(96年)
……ご覧いただけただろうか。
“マスター・オブ・KWAIDAN”こと稲川淳二師が、ドラマ仕立てでお葬式のルールを分かりやすく教えてくれる「これで安心シリーズ」の1本。レンタル店の心霊ビデオコーナーには置かれなかっただろうから、よほど物好きでなければ観ていないはずだ。
内容はといえば、稲川さん演じるパパが急性心不全で死を遂げ、残された家族は悲しみのなか、お通夜や葬儀の手配をしなければならなくなる。いざやろうとすると分からないことだらけ。さあ、どうする!?というもの。
ジャケの印象ほどふざけた作品ではなく、「自動車教習所の座学で観るビデオ」みたいなノリに近い。
戒名やお布施の仕組み、香典返しについても学ぶことができ、実用性はなかなか高いのだが、うーん、一切怪談を語らない稲川さんにそこはかとない違和感が……。
思い切って音声を消し、ファッショナブルでぎらぎらした20年前の稲川師をしみじみと愛でる(天使風のコスプレあり)環境ビデオとして楽しむのがいいだろう。
題名は「MADE IN OSOUSHIKI」って英タイトルとダブルミーニングのようで実はそうでもなく、深く考えると混乱する。
稲川さんがカッコいいので★70個です。
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