2016年3月26日土曜日

北海道新幹線開通記念! 函館で行くべき心霊スポットはこれだ



祝北海道新幹線開通!


日本のインスマスこと函館シティと東京がついに新幹線でつながった。
立待岬あたりに潜む海底の邪神も(イカともいう)、海底トンネルを使って本州に侵攻しやすくなることであろう。
善哉、善哉。ふんぐるい、むぐるうなふ。


というわけで。


新幹線の開通を記念し、わが郷里函館を代表する怪奇心霊スポットを紹介しておくことにしよう。
ラッキーピエロ名物のチャイニーズチキンバーガーを片手に、ぜひ恐怖の旅路を満喫していただきたい。
ちなみにスポットの情報は、心霊スポットをよく巡っていた20世紀末当時のものである。21世紀の現在、下記のスポットがどうなっているのかわたしは知らない。追跡調査もしていない。詳しく調べることなく、あえて出所のさだかでない噂のとおり書いてみることにする。
あくまで個人的な記録として、話半分でお読みいただきたい。






まず最初に訪れるべきは「碧血碑」である。


函館戦争の徳川幕府方の戦死者を弔うために建てられた慰霊碑で、昼なおくらい函館山の麓にある。
ここはかの宜保愛子も近づいたら頭が痛くなったとか噂されており(テレビでやっていたというが、その番組を見た人がいないのは不思議なことだった)、その手の勘が鋭い人が行くと血まみれの戦死者がはっきり見えるという。
お前は何か感じたのか、と問われると答えはノーだ。わしゃ怖がりだから一度も行ったことないのよ。そのくらいやばい場所だと思っていただけると幸いです。心霊で幸いってのもなんかヘンだが。


ところで。
20世紀のある時期において、「宜保愛子がこう言ったから」というのは、かなり有効な文句として機能していた記憶がある。
たとえば、中学の頃、函館で大地震が発生するという流言が町中に飛びかったことがあった。
某女子高では生徒がパニックを起こして授業中止、全校生徒を早退させる大騒ぎにまで発展したのだが、この時も噂の確かさを保証していたのは「宜保愛子が言っていたから」なのである。宜保さんはスゴイのだ。


次に向かうべきは、「戸切地陣屋跡」である。


松前藩の由緒ある史跡だそうだが、土地の若者はそんなことお構いなしに「隠れキリシタン」「キリシタンの墓」と呼んで怖れている。
高校時代、クラスメイトがここでふざけて写真を撮り(打ち首の真似をしたらしい)、現像に出してみたら首がスパッと切れたようになっていた、という話もある。


実際に夜中出かけてみると、樹木のトンネルが延々と続き、車一台しか通れない悪路のせいもあって、相当に心細くなる(ヤンキー多発地帯でもあり、それもまた怖さを煽る)。
そこ抜けた地点には、鉄柵に囲まれた広大な墓所、敷地内には十字架がずらりと並んでいて、ドラキュラ的な非日常風景を作りだしている。
正直言って、あの十字架の群れを見たときには、怖さのあまり気が狂うかと思った。


映画『バタリアン』でパンクのお姉ちゃんがストリップをやっていた墓地、あれが鬱蒼とした森の中に広がっている眺めを想像してもらうといいだろう。
どうして北国の山中にこのような場所が生まれたのか。ちゃんと理由があるのだろうし、昼間でかければ風光明媚な場所なのだろうが……軽々に足を向けるようなところではない。


(追記:気になって調べてみた。あらためて見ると、記憶にあるのとずいぶん様子が違う。もっと海外ホラーっぽい場所のような気がしていたが、これは明らかに一般人が眠る墓所である。怖さのせいで記憶の修正作用が起こっていたようだ。もちろん、他所様のお墓で騒いではいけません!)


その後は、「銃殺の家」「人形の家」の2大定番心霊スポットに足を向けたい。


どちらも地元ではかなりの有名物件である。 市内を走っている黒の軽自動車を捕まえて「銃殺、人形、知ってる?」と聞けば、99%の確率で知っていると答えるであろう。
前者は父親が猟銃で家族を射殺した現場、後者は窓からびっしりと人形が覗いているという一軒家で、わたしも何度か行っているが、今にして思うとどっちもただの廃屋だったような……。今でも残っているのだろうか。場所もあやふや、怪談もあやふや。人によって教えてくれる場所が違ったりするので、はっきりいって観光客には辿りつくのが困難でありましょう。
次!


さらなるあやふや系スポットとしては、「中村家」なんてのもあった。カレー屋ではないよ。


天才を生み出すために近親相姦をくり返した結果、アルビノの子供が次々と生まれたという悲劇の一族・中村家。山の上にあるというその家を訪れたものは、肌の白い男に追いかけられるというのだが、なんとも現実離れのした話で、しかも家の所在がはっきりしない(一応、この辺だろう、という話はある)。
実際、中村家に行ってきたという人にも会ったことがないので、別の町から都市伝説が流れてきたものだろう。
怪奇漫画の妖しいムードがあって、この噂自体は嫌いじゃなかった。


「赤墓」は珍スポットとしても有名な場所。


かつて新聞王として名を馳せた傑物の墓らしいが、墓石が真っ赤なのでかなり異様。
しかもなぜか車道から見えやすい場所に建っており、深夜のドライブ中、これが目にはいるとイヤーな気分がしたものである。赤墓の裏には文字が書かれており、それを読んだら死ぬ、という噂も有名だ。


名前は明かせないが、温泉地湯ノ川から車で15分ほど走った所にある 「某神社」


ここも怪談話の絶えないところである。ある人が神社の敷地内に車を停め、ちょっと居眠りをして目を覚ますと、車の向きが180度変わっていたという。
ここはつい最近、真夜中に探訪してみた。そういう方面に詳しい友人が運転してくれたのだが、カーナビは狂うし、グーグルマップもおかしくなるし、同行者は「あの岩を見たら絶対ダメだ!」とか叫ぶしで、えらい目に遭いました。 久しぶりに「心霊スポットに行って怯える」というあの感覚を味わってしまった。



旅の最後に向かうべきは、「イカモニュメント」である。
青函連絡船摩周丸の記念館の脇に立っている、モダンなデザインのイカだ。
ほーら、心がバブル期に逆戻り。
イカに見えないって?いや、イカだよ。これはイカなんだよ。


なお、函館市はこのお洒落すぎるモニュメントに1億円を費やしたという。
信じようと信じまいと、それは事実なのだ。こわい!こわすぎる!


(画像は「はこだてフィルムコミッション」より転載)




と。
わけの分からないスポットばかり紹介してしまったが、五稜郭はじめ、ハリストス正教会、函館山などまともな史跡名所も数多い。寿司も旨いし、乳製品が旨いからスイーツも旨い。
この機会に函館を訪れてみていただきたい。


とりわけベイエリアに建つ函館市文学館は、久生十蘭、水谷準、長谷川海太郎(=牧逸馬、林不忘)など、『新青年』系の探偵作家の展示を含んでおり、ミステリー好きにおすすめだ。モダンシティだった戦前の函館からは、コスモポリタンな作風の怪奇探偵作家が多数生まれた。


これらの怪奇探偵作家と『ノストラダムスの大予言』の五島勉先生が、わが出身高校の大先輩ということになっている。
怪奇探偵と大予言。
意外性がなさ過ぎて、逆にびっくりだ。



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