2015年12月21日月曜日
『幽』24号発売!
このあいだ創刊10周年記念号に書いたと思っていたら、もう12年目なんですね。干支がぐるっとひとめぐり。おなじみ怪談専門誌『幽』24号が(KADOKAWA)が発売となりました。
第一特集は「リアルか、フェイクか。」で、現実と虚構という怪談とは切っても切れないテーマを深く掘りさげています。
そもそも「リアルか、フェイクか。」問題というのは、大半の創作物につきまとう問題でしょうが、怪談ではそれが特に作り手と受け手の意識にのぼりやすい。さまざまなレベルで怪談ブームが叫ばれる昨今、こうした根源的なテーマが取りあげられるのは、たいへん意義のあることではないか、と思ったりします。
なあんて小難しいことは措いといて(書いていてもサッパリ分かりません)、相変わらず読んで面白く、知ってタメになり、触って分厚い、充実の面白娯楽文芸雑誌に仕上がっております。 連載作家陣をぱっと眺めても、ここまで刺激的な文芸誌は今日、そうそうないんじゃないでしょうか。
こんな超弩級の雑誌が、幽霊船のごとく年に2回現れるという奇跡。
今回もいろいろと書かせてもらっています。
まずは同特集内、映画監督の中村義洋さんインタビュー。最新作『残穢【さんえ】―住んではいけない部屋―』公開を目前に控えた中村監督が考える、リアルとフェイクとは。あの『ほんとにあった!呪いのビデオ』のことも含めて、たっぷりうかがっています。
また、「必読必見のFAKEドキュメンタリー・ガイド」も担当。活字編と映像編で、フェイク・ドキュメンタリーの傑作をいくつも紹介しました。心霊ビデオを借りまくっていた青春時代が、まさか役に立つ日がこようとは……。
それ以外のところでは、『山怪 山人が語る不思議な話』(山と渓谷社)が話題の田中康弘さんと加門七海さんの対談、初の怪談小説集『きのうの影踏み』(KADOKAWA)に関する辻村深月さんへのインタビュー、「ニコニコホラーゲームフェス」の審査員を務めた黒史郎さんへのインタビューを、それぞれ取材&執筆。
また、ブックレビューコーナーにて、佐藤春夫『たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集』(平凡社ライブラリー)など、巨匠の怪談3冊をまとめてレビューしています。
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