お仕事の原稿料が振り込まれたので、さっそく仕事帰りに古本屋を覗いてきました。あれこれ購入した中で、特に嬉しかった釣果がこれ。
ブルース・L・キャッシー&ピーター・N・テム著『謎の反重力網』
1990年代後半、角川春樹事務所が刊行していた超常現象本専門のレーベル「ボーダーランド文庫」の一冊です。このレーベル、気になるものは当時リアルタイムで読んでいたのですが、自分から縁遠いテーマはどうしても後回しになり、結局コンプリートせぬまま今にいたっていました。
で、どうせなら全部揃えてしまおうと、この『謎の反重力網』を購入したというわけです。
(ページをぱらぱらめくって、なぜこの本を買っていなかったのか思い出しました。数式がたくさん出きて難しそうなのです。錯乱将軍、噫!)
ボーダーランド文庫は第1巻であるジェームズ・チャーチワード『失われたムー大陸』から、最終巻となったスー・コヴァック『世にも不思議な物語』まで、全28冊が刊行されました。
で、書棚を調べてみると、手もとにあったのは今日買った分をいれて24冊。
備忘録がわりに記しておくと
・10巻 ピーター・コロージモ『オデュッセウスの宇宙船』
・15巻 ピーター・コロージモ『神々の秘密』
・17巻 ハンス・ホルツァー『霊界写本』
・24巻 フィリップ・ファンデンベルグ『ツタンカーメンの呪い』
の4冊が抜けていますね。
ボーダーランド文庫がややこしいのは、かつて大陸書房から刊行されていた超常現象本を文庫化しているものが多いこと。文庫化にあたってタイトルが大幅に変えられているし、底本が何なのかも示されていない。なので、大陸書房版とボーダーランド文庫版、誤って両方買ってしまう、という痛恨のミスも往々にして起こりうるのです。
それはさておき。
このブログを読んでいる方は、やはり怪談などに興味があるでしょうから、怪談ファンにお薦めのボーダーランド文庫を紹介してみましょう。
まず筆頭はジョン・A・キールの『不思議現象ファイル』。
世界の怪奇現象を生々しい筆致で紹介し、読んでいると頭がグラグラしてくるような感覚を味わえる一冊。キールといえば『モスマンの黙示』が有名ですが、こちらも是非。世界観そのものがホラーです、キールは。もっと翻訳されないかなあ。
あとはF・W・ホリディの『奇現象ファイル』。
不思議現象と奇現象……。だから、こういうややこしいタイトルはつけないで欲しいのですが……こちらはネッシーとUFO現象を関連づけた一冊。奇策のように思われるでしょうが、読むとなかなか怪談めいていて良いんです。以前、『幽』の書評コーナーで中島晶也氏が紹介していましたね。ホリディはあのコリン・ウィルソンがよく言及することでも(一部では)知られている作家です。
そいからJ・アレン・ハイネックの『第三種接近遭遇』。
UFO否定派から肯定派に転じたハイネック博士の、真摯なUFO探求の記録。UFO体験談というのは、稲生平太郎さんも指摘されているとおり、妖精譚と共通するモチーフがたくさんあって、かなり怖いものなんです。
追加で、クトゥルー神話好きにはレイモンド・バーナードの名著『地球空洞説』、エリック・ノーマン『地底都市の巨神』あたりもお薦めでしょうかね。 H・P・ラヴクラフトの「狂気の山脈にて」のような超古代史幻想に、思いきり浸ることができます。
と、いうわけで、古本屋さんに出かけたらボーダーランド文庫をチェック!上記の4冊を見かけたら、こっそり耳打ちしてくださいね。では、次回「今月のおこづかいで買うべき本」でお会いしましょう。喝!
0 件のコメント:
コメントを投稿