2014年11月1日土曜日

怪老人日乗・その13 「十月の旅人」


ああ、一年でいちばん好きな十月が終わってしまった。
なんでか知らないが、この一カ月記憶がない。
わたしはだあれ。


さて。
本日はハロウィーンである。
幻想文学ファンとしては、レイ・ブラッドベリやチャールズ・ウィリアムズの話でもするべきなのだろうが、そういうまともなことは別の方が書くでしょうから、わたしは七夕の話でもしようと思います。


十月に七夕だって?
朝宮老人、ついに持病の中耳炎が脳にまわってしまったのだな。そう思われるかもしれませんが、否、否、そうではありませんのよ。
 

ハロウィーンの晩、子供たちが「Trick or Treat(お菓子をくれなきゃ、いたずらするわよ!) 」といいながら戸口を訪ねて歩く、という行事は日本でもすこしずつ広まってきているようです。
が。
これとよく似た行事は、もう何十年もまえから北海道でおこなわれてきたのですね。それもハロウィーンではなく、なぜか七夕に。


どんな行事かといいますと。
浴衣を着て、数人のグループで近所の戸口をまわって、歌をうたって、お菓子(とロウソク)をもらって、ビニール袋が破れそうなほどお菓子を集めて、夜の9時ころに帰宅する。そんな行事であります。ほらね、ハロウィーンにそっくりでしょう?
参加するのはだいたい小学生まで。中学生になるころには卒業します。


子供の頃、夜に出歩けるのなんて七夕くらいでしたから、ちょっと特別な気持がして、朝からワクワクしたものでした。


戸口でうたう歌というのは、どうも土地によって違いがあるらしく、わたしの育った函館シティでは「ロウソク一本ちょうだいナ」という可愛らしいものでしたが、札幌生まれの父親によれば「出ーせー、出ーせー、ロウソク出ーせー、出さねーとかっちゃく(=ひっかくぞ、の意)ぞー」という脅迫的なものだったとか。まあ、意味としては、こちらの方が「Trick or Treat」に近いんですが。


それにしても、なにゆえ北海道にこんな行事が根づいたのか。
個人的には、文明開化の時代、蒸気船によって北海道にやってきたアメリカ人がハロウィーンの行事を伝えた、それを万事細かいことにこだわらない北海道民が七月の行事にしてしまった、という伝奇的な説を唱えたいところですが、さて、どうなのでしょうか。
「明治の北海道+カボチャのランタン」という空想上の場面がなんとなく気に入っているので、つい今日まで真相を調べずにいます。


これから北海道に引っ越す予定がある方は、七月七日、お菓子の用意を忘れずに!!
お菓子を出さないと、かっちゃかれますよ。


それではよきハロウィーンを。
グッドナイト。
(もう日付が変わってた……)


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