2014年10月13日月曜日

怪老人日乗・その11 「真夜中のよしなしごと」



『幽』怪談通信について書くつもりだったが、資料写真をまだ揃えられていない(旧いダ・ヴィンチを撮影しようと思ったのだけれど、時間がありませんでした)。
ので。次回まで延期することにして。
真夜中まで仕事をしていたら、脳がとっちらかって眠れそうにない。しばしどうでもいいことを書きます。


   

よしなしごと、その①
デニス・ホイートリーの『黒魔団』(国書刊行会)は、血湧き肉躍る傑作ホラーだが、タイトルも抜群にすばらしいと思う。ああ、『黒魔団』。怪奇っぽいものに惹かれがちな人間なら、思わず声に出して読みたくなる名タイトルである。このゴシックで邪悪な響きよ。ああ、『黒魔団』。
訳した平井呈一は偉大であるなあ。


ちなみに、原題は『THE DEVIL RIDES OUT』。これまた言葉の意味はよく分からないが、なんだかすごく恰好いい題名なのであった。思わず「!」を付けたくなる響きである。RIDES OUT!






ちなみに。
さっきふと思い立って『世界幻想作家事典』で、デニス・ホイートリーの項を引いてみたら、あれ、ない、ない。Hの項をいくら探しても出てこない。
「おかしいなあ」と首を180度ひねって、巻末の五十音索引で調べてみると、ホイートリーさんの綴りは「Wheatley」なのだった。
す、すみませんでしたっ。




よしなしごと、その②
『桜庭一樹読書日記』(東京創元社)には、函館名物「イカ踊り」についての記述があって、ほんの数行ながら読み返すたび胸がドキドキする。
そうなのだ。一般にはなんとなく異国情緒漂うロマンの街と思われがちな函館だが、基本的には「イカの街」なのだ。
だから盆踊りのシーズンになると、みんなでひっそり「イカ踊り」を踊る。両手を鞍馬天狗の覆面のような形にして(イカの耳です)、80年代っぽい打ち込みのリズムに合わせて、ぐるぐる輪になって踊るのだ。
ええ、わたしも踊りましたよ、中学校の運動会で。


わたしは日々ゴシックに、耽美主義的ににありたいと願っているのだが、どうもそうなりきることができないのは、あのイカ踊りの魔的なリズムが全身に染みついているせいかもしれない。……イカ、イカ、イカ、イカ、イカ踊り……。
ゆ、ゆるしてくださいっ。




よしなしごと、その③
駐めていた自転車をまたまた撤去された。またまた、というのはつい先日もされたばかりだからである。世の中は厳しい。
こういうサイクルは数年に一度やってきて、そんな時は大抵どこかガス欠気味というか、心身ともに疲れて隙だらけになっている状態だから、注意が必要なのである。
このままだと、また寝過ごしたり、転んだり、捕まったりしてしまう。子持ちでそれはきついなあ。


で。撤去された自転車を取りに出かけてきた。
自転車がないから当然徒歩である。
季節外れの炎天下、とぼとぼ線路沿いを歩いて、映画版の『スタンド・バイ・ミー』で猛犬チョッパーが飛びついてきたみたいな、錆びたフェンスに囲まれた駐輪場にたどり着く。
すると……閉まっていた。おおう。日曜はお休みらしい。
やっぱり、こういうサイクルなのである。とぼとぼと家へ戻った。




というわけで、唐突に。完。
お、おやすみなさいっ。


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