2011年7月18日月曜日

最近かつた本

【最近かつた本】
簡単な新刊レビューも兼ねて最近贖った本を紹介しましょう。
今月も面白そうな本がいろいろと刊行されています。
(タイトル又は画像をクリックで詳細表示します)

●『文豪怪談傑作選 明治編 夢魔は蠢く』
(東雅夫・編/ちくま文庫/924円)
文豪怪談シリーズ、今年は「夢と幽霊」を統一テーマとした
時代別のアンソロジーとして刊行されるそうです。
第一弾の明治編は、読んでいると頭が思わずグラグラしてくるような
文豪たちの妖しい夢幻小品を収録。なるほど内田百閒の『冥途』はこういう
土壌から生まれて来たのだな、と納得した次第です。
巻末附録の坪内逍遙『神変大菩薩伝』は、役行者が異国の魔神夫婦と
サイキックバトルをくり広げるという大活劇でした。





●『ライヘンバッハの奇跡 シャーロック・ホームズの沈黙』
(ジョン・R・キング/創元推理文庫/1323円)
名探偵シャーロック・ホームズと幽霊狩人トマス・カーナッキが
夢の共演を果たすという怪奇小説ファン待望の注目作。
先日『幽』15号に書いたゴーストハンターブックガイドでも
紹介したかったのですが、邦訳が間に合わず泣く泣く断念しました。
いまから読むのが愉しみです。




●『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』
(荒木飛呂彦/集英社新書/798円)
まるでDVDを流しながらオーディオコメンタリーを加えているかのような
熱のこもった作品の見所解説が嬉しいホラー映画論集。
「なぜホラー映画を観るのか?」という問いに対する回答も
すこぶる真摯なものがあります。必読の名著でしょう。



●『たまゆらり』
(高橋克彦/実業之日本社文庫/560円)
年齢を重ねてゆくとともに累積してゆく喪失感や諦念、
後悔や郷愁といった思いの中にフッと心霊的なものが入りこんで来る、
そんな瞬間を練達の筆致で描いた著者久々の怪談集です。
文庫版は単行本よりも1作多い全12編を収録。




【おまけ・最近もらつた本】
先日渋谷のメディアファクトリーに仕事に行きましたところ、
今月発売の新刊本を2冊頂戴いたしました。ありがとう御座います。

●『ゴーストハント5 鮮血の迷宮』
(小野不由美/メディアファクトリー/1418円)
度重なる増改築のはてに迷路のような構造をもつにいたった
諏訪の洋館を舞台に、霊能者たちが調査を進めます。
シリーズ最恐を謳われる『ゴーストハント』の第5弾です。



●『ひとり百物語 怪談実話集 闇より深い闇』
(立原透耶/メディアファクトリー/1365円)
立原透耶さんの怪談実話シリーズ〈ひとり百物語〉の第3弾。
今回はミュージシャン小出祐介さん(BaseBallBear)の体験談も収録。


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