なんというか8月26日ってもう、「夏も終わりですね」的な日付でありますね。あまり夏らしいことをした記憶のない一年であったが、考えてみるともともと海に行ったり山にいったりするタイプではないし、それでも栃木に行ったり鎌倉に行ったりちょいちょい出かけてはいるので、私にしては満喫した方かもしれない。2025年は書籍の作業でほぼ家から出ず、家庭内地蔵と化していたので、それに比べるとずいぶんマシだろう。イベントもいくつかあってそこでたくさんの人にも会えた。嬉しいことである。
んで。イベント続きの土日だったのだ。先日は土曜日の三津田信三さんとのイベントについて書きましたので、今日は日曜の分を書きます。Kukurineziである。KukuriNeziとは何かというと作家の森晶麿さんが芳林堂書店高田馬場店さんを舞台に展開している、プロ作家によるZINEの即売イベントだ。今年の1月くらいからスタートして今回で3回目。詳しくはイベントのきっかけとなった森さん自身のnoteなどを読んでいただきたいが、要は作家が生活していくためには出版社任せではどうにもアカン時代に差しかかっており、それを打破するためには作家自身が作品を売り、そこで収入を得られるシステムが必要ではないか、という提案から始まったイベントである。そこには「稼業」としてきちんと作家業を成り立たせていこうという意志があり、私はそこにたいへん共感した。
作家というのは作品を書いていればいいのだ、売り上げなんて気にしてはいけない、出版社に任せていれば、という人もいるかもしれないけれども、それは兼業作家で他に収入のある人だから言えることであって、筆一本で生活していこうと思ったら(まして家族を養おうと思ったら)そんな悠長なことは言っていられない。もちろん出版社との仕事は大切だし、今後も作家業にとって大きなウエイトを占めるものではあるだろうが、それだけじゃ足りない(年に10冊も出せる作家はいないだろう)部分を補う方策として、こういう即売会はイベントや配信と並んで、これからますます大事になってくるのではないか。即売会のいいところは、イベント出演や動画配信と違って、基本的にはいつもの執筆作業の延長線上で行えるということで、むしろ自由度が高い分、新しい表現が生まれてくる可能性もある。
というわけで、長くなったけれどもKukuriNeziである。ところでどうしてこういうイベント名なんだろう。ZINEをひっくりかえしてネジなのかなあ。今度森さんに聞いてみよう。
でそんなわけで大盛況らしいのだが、これまで機会がなくて覗きに行けていなかったんですね。うまくいっているらしい、森さんの行動力と巻き込み力はすげえな、と思ってはいたのですが、土日は仕事が入っていることも多く、近いのに見にいっていなかったのである。さて今回、そんななかで私もお誘いをいただいた。ワニの文芸誌『CROC』というのを出すから、ワニ絵を描いてというご依頼である。
わたしがワニ絵を描いていることは、あまこのブログを読むほどの精鋭ならば知っているだろうから(なにしろこのブログの読者は世界で10人くらいしかいない)説明は省きますけれども、ワニ絵を描いて~いいですよ~的なノリで軽く受け止めました。文章の原稿依頼だったら若干悩むとか、数日寝かすとかするんですけども、ワニは迷わず受けるという。〆切が迫ってきてぱぱっと5枚描きまして、プラスアルファで「これも入れておくか」という予備のものも追加で送って計6枚。いつもの感じのワニ絵に短い文章を添えて「ワニワニ日記」としました。森さんは全部使ってくれたうえに、予備の一枚を表4に掲載してくれたのであって、いいのかなあという感じだけど、ワニ本だからいいのだ。
んで。当日の23日がやってきた。週末のうちにという原稿があったので大慌てでそれをやるけれども終わらず、どうにもうまくまとまらんなー、というところで外出。高田馬場へ。お昼たべそこねてパン屋でカレーパンを買ってドンキ法廷の前で食べていたら、Xのフォロワーさんとばったり会った。今日のイベントに来たという。奇特な人もあるものじゃ、と思ったら結構その奇特な方がいまして、ワニのイベントは大盛況だったのでした。そう、イベントだ。雑誌を出すだけでなく、イベントをやろうということになり(弁明会見という形)森さん、あすみねねさん、岩城裕明さんという寄稿者が集まってのトーク。伊藤なむあひさんは欠席、落款での参加という形になりました。
で芳林堂に足を踏み入れたところで、いつもお世話になっている書店員Eさんにばったり。ちょうどよかった、と小池壮彦『怪奇の断片』3冊にサインを入れることに。なんともありがたいことであります。小池さんの本だから遠慮もあったけど、これで少しでも売り上げに貢献できるならお断りする道理はない。8階イベントスペースのすみっこでサインを入れました。
で1時半からイベント開始。8階の控え室があるわけだけども、そこを使ってのトーク。30人くらいは来てくださったのかなあ。ワニなのにねえ、申し訳ないですねえ。なぜワニなのか、お互い書いた作品は、みたいな話をぼんやりとする。まあ意味は最後まで分からなかったですが、楽しいイベントだったのではないでしょうか。後から気づいたけど岩城裕明さんの「怪奇ワニ男」って、カーの「怪奇雨男」のパロディだったのかなあ。そんなことを後から思いました。森さんとトークするのは初だったけど(それを言ったらあすみさんと岩城さんとトークするのは初だったのだが)とても話しやすかった。あ、思い出した。森さんと直接お会いするのは初めてだけど、以前リモートで取材させてもらっているのだ。あとはSNSでくだらないことを言い合っている感じなので、それもあって初めてという感じがあまりなかったです。文明の利器。
それにしても即売会場はすごい熱気だ。夜の懇親会までちょっと時間があったのでサブウェイでお茶飲んで休憩。オープンカフェ風に外でコーヒーを飲んでみたが、ビルの一階でふつうに蒸し暑い。目の前はドンキ法廷であるし。倉野憲比古さんから連絡あって顔出すというので合流。芳林堂の上のカフェでコーヒー飲みつつあれこれ近況を語らう。その後8階に顔を出し、倉野さんと森さんのところまで連れていったりなんだりした。昔はなるべく人と会わないように、繋がらないようにと思って暗く暗く生きてきたのだが、もうこの年になるとむしろどんどん会える人には会おう、行ける場所にはなるべく顔を出そうという気持ちになっている。そしてそこから広がる仕事やご縁もあるので、やっぱり大事なんですよね、人と会うのは。
で午後5時半から懇親会で、お茶とかビールとかを飲みながら雑談。初めてましての方々と7、8人ほどご挨拶して名刺交換する。森さんとも話せたので嬉しかった。芳林堂書店高田馬場店さんY店長のバックアップがあるにせよ、これだけのイベントを懇親会まで含めて成功させちゃうんだから森さんはすごい人だ。しかも東京在住じゃないし。
締めきりあったので19時頃に会場を出て帰宅。なんか疲れて寝てしまう。原稿は翌日に持ち越し。で月曜は某月刊誌の校了作業で昼から外出、夜は疲れがどっと出てきて、夏バテめいた感じになり、早めに寝てしまうというわけで原稿進まず。できて送ったのが火曜の午後だった。申し訳なし。これを書いているのは26日(水)ですが、その日については明日また書くことにしよう。ベロベロバー。
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