2026年5月30日土曜日

怪老人日乗:5月29日(金)

怪老人といえば江戸川乱歩の『孤島の鬼』なんです。「ふたたび、怪老人」といういかした章タイトルがあるんですね。というわけで今日も怪老人を探してまいりましょう。えーと、どこかな、どこかな。戸棚の中かな。戸棚恵梨香。

今日は一日トークイベントの準備に追われていた。夜19時半から池袋シネマ・ロサにて岩澤宏樹監督の映画『クニコからはじまる話』の舞台挨拶にお呼ばれしていたのである。心霊ドキュメンタリーの世界は鬼のように詳しいファンがいて、私なんてとてもとても、という感じで遠慮していたのだが、岩澤監督はわたしの本もかなり読んでくださっている様子で、だったら小説方面の話をするのもありか、と思って舞台に臨んだのでありました。

とはいえ不安なので心霊映像をあれこれおさらいしまくる。やはり『心霊玉手匣』は名作で、ラストにはシューゲイザーが流れるし、エモい心霊映像の筆頭だと思います。その『心霊玉手匣』に出ている髙尾勇次さんが『クニコからはじまる話』にも出ていて、見返してよかったと思ったのでした。

ノートに今日のしゃべることをあれこれ書き込む。ここまで準備しなくてもノリと勢いで成立しなくもないのだろうが、まあ準備はやり過ぎということはないのです。でトークは19時半からだけど、間に合わなかったら怖いので18時くらいに家を出る。しかしまあゆっくりで気が楽だ。シネマ・ロサの前でちょっと待っていたら岩澤監督が向こうから歩いてきて、いきなり握手してくれました。

控え室で打ち合わせの後、トーク本番。わたしがあれこれ感想を述べ、それに対して制作の意図とか舞台裏を語っていただくという流れ。お伝えしたかったのはエモい心霊映画であること、青春ものであること、記憶テーマであることなど。さらに物件ホラーであるという話もできて、大体しゃべりたいことは詰め込んだけど、それでもアッという間に25分経過。事前の打ち合わせでは「ホラーの歴史を語りましょう、北海道の話もしましょう、小池壮彦さんの怪談の魅力についても」などと盛り上がっていたのだが、そこまでの時間的余裕はとてもなし。まあ作品の話メインであるのが一番いいので、時間が足りないくらいでちょうどよかった。

来場していた髙尾勇次さんもステージにあがって記念撮影。上映後、岩澤ファンの皆さんともちょっとお話ししたり、写真に写ったりする。岩澤監督のファンサービス、見習いたいものである。大阪や秋田から見に来たという人もいて、心霊ドキュメンタリー文化の厚みをあらためて感じる次第だった。

さらりと解散になったが夜の都会で何かしてみたかったので、さりとてお酒を飲めないので飲み屋には入れないので、いつものごとくでミスドに入る。しかし「あと3分で閉店ですがいいですか」と暴力みたいなことを言うので、さささっと退散して駅ナカのスタバで座ってから帰宅。なぜかバナナのドーナツを食べてしまった。


(写真はシネマ・ロサのX投稿からお借りしましたよ)


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