2023年11月15日水曜日

怪老人日乗:11月15日(水)

まさか今日更新されているとは思わなかったでしょ?こういうところですよ、こういう唐突な感じが大事なんですよ。これぞスターの所業ですよ。諸行無常ですよ。お遍路を逆に回って死人を甦らせますよ。

というわけで(どういうわけだ)今は原稿書きの佳境である。といってもまだ急ぎの〆切が3つあり、今やっているのが終わっても休めないのであるが、数日前6つとか7つとかあって絶望して空を見上げていたのに比べるとだいぶん心理的にラク。やっぱり〆切が多いのはよくないね。今日新たな原稿仕事の依頼があったがさすがに断った。

昨日の日記を書いてみるとだね、朝から飯田橋に出た。電車は混んでいて本が読めず、携帯も覗けずだったが、オーディブルを聞いていたので退屈しなかった。オーディブルは文明開化だと思うのだが、しかし1冊読む(聞く)のに15時間くらいかかるのはどうしたものか。行き帰りで聞いたとしても、1か月に聞けるのはせいぜい2、3冊。仕事をやめてオーディブルばかり聞いていればもっと聞けるのだろうが、そうもいかんしなあ。結局、普通に読むのが早いということになる。しかし普段開かないジャンルの本が読めるのはいいですね。

飯田橋で仕事めいたことをした後、11時からS社の編集さんと打ち合わせ。おなじみの於飯田橋西口ルノアール。今度の取材兼収録についての顔合わせだったので、さらりと終わる。渋谷時代のメディアファクトリーをご存じの方で、懐かしい話に花が咲いた。その後、コーヒー屋にこもって原稿書き。明日正午〆切のやつ。当初の予定の月曜からずらしてもらったので、遅らせるわけにはいかない。

12月刊のアンソロジーの解説ゲラ届く。PC上でささっと修正して即戻し。編集さんからのメールには、お互い年を重ねていい仕事ができるようになったのが嬉しい、と書かれていてそうだよなあ、と思う。この編集さんとは私がまったくの食えない時代、それこそミスドのバイトをしていた時代からの古いお付き合いなので、アンソロジーの担当をしていただいていることに私もしみじみしてしまう。いや、なんとかなってよかった。陋巷に果てることなくよかった。

でこのアンソロジーのカバーデザインも見せていただいたが、これまで出したどの本とも違うクラシカルな佇まいで、しかも怪しく楽しい雰囲気。1970年代くらいに刊行された本のようだし、あるいは30年後に出された本のようでもある。いいなあ、と嬉しくなった。こういう本を出していただいて私は幸せものである。編集さんからは「また仕事を一緒しましょう(ワニ以外)」と書かれていて、うーむと思った。ワニでもいいじゃないか。

帰宅して夕方。なんか疲れたのでバナナを1本食べて、カステラを食べる。昔の人のようなオヤツだが、美味しいものは美味しいので、「昔の人ってグルメだな~」と叫びながら食べる。その後のろのろと原稿。下書きは出先で全部やってあるので、あとはまとめるだけ。一苦労どころか三苦労くらいしてなんとか今で1900文字ですか。3000文字~4000文字あればいいらしいんですが、たくさん書いた方が原稿料はもらえるのかもしれない。もらえないのかもしれない。私はこの時期、冬のボーナスをもらっている人たちへの嫉妬でこりかたまっているので、会った人は何かおごってください。一度くらい賞与をもらってみたい人生だった。

「昔の人ってグルメだな~」。どうでもいいことなので2回言いました。喝。

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