2023年10月16日月曜日

怪老人日乗:10月16日(月)

月曜日、快晴なり。昨日は寒かったが一転、25℃近くまであがるという。おそろしいのう、きょうてえのう、とこのフレーズは前回も書いた。むしろ25℃まであがるなら有難い話で、今日は半袖で歩き回っている。おほほのほ。

さて今日も今日とて忙しい。今年の夏はそんなに忙しくなかった気がするのだが(去年の方が大変だった)11月頃からいろいろ入ってきそうで、まあ書評とか文庫解説とか日常業務の一貫ではあるのだが、あちこちから球が飛んでくるので、こぼさず受け止めたい。

今週は書評ひとつに取材ひとつ、文庫解説×2(同時発売のもの)と新聞の書評欄原稿。まあ常識の範囲内の量である。それ以外は出かける予定もないし、そもそも小遣い日前で資金が乏しい。大人しく積ん読解消、書き下ろし作業で暇をつぶそう。

さて上の段落を書いてから、この段落を書くまでの間、一旦コンピュータを再起動している。平仮名でいう「る」のキー、句読点の「。」が出るキーを打つとなぜだか「あ」が出るようになってしまい、上の文章の末尾で「暇をつぶそうあ」となってしまったのだ。

このコンピュータ、最近買ったような気がしていたし、まだまだ元気っぽいのだが思えば6、7年は経っているのかな。そろそろおかしくなっても不思議ではなく、カバンに入れてほうぼう持ち歩くせいでかキーの様子がこんな風に時々おかしくなる。あるときは「あああああああ」みたいにひとつのキーが自動的に延々入力され続け、心霊的ですこし怖かったりもするのだ。買い換えかなあと思うけれども子どもの歯列矯正でお金がかかり、バイクを買ってまたお金をたくさん払ったので、せめて来年まで保ってくれと思うのだった。

そう、この週末の出来事としては125ccのバイクを購入したのだった。新車と中古、両方で探していて、いい感じのものが東京都昭島市にあるようだったので、奥さまと電車に乗って出かけてきたわけ。バイク屋は西武線とJRの拝島駅から歩いて20分ほどだという。少し早めについて個人経営の定食屋でお昼。いかにもご夫婦が自宅の1階を改装してやっている風の店で、小綺麗だし、美味しいし、こういうお店に当たると嬉しい。奥さまが食べている牡蠣フライが美味そうだった。

んで。バイク屋まで住宅地を縫うように歩き、ああ、この光景は東京サマーランドに行った時に下りた駅に似ている、農地を分譲してできた感じの住宅街、土地が広いから今風のおしゃれ住宅がたくさん建っている感じの。と思いながらバイク屋についたがどうにも様子がおかしい。お寺の住職が乗るようなスクーターで来店していたおじいさんが、店主と楽しそうに話しているのを遠巻きに様子見するが、店内には自転車や住職バイクしかないようだ。おっかしいなあ、と思って声をかけたら「もう一軒の方だよ」と教えてくれた。なんでも駅の東と南でふたつ店舗があるようなのだ。

さてどうしようか、と考える間もなく「乗せてってあげる、一人ずつ」と店主がご親切にもいってくれた。一人ずつとはどういうことかといえば、軽トラなので二人乗りなのである。まず私が乗せてもらい、妻はその間ひとりで店番。なんとも不思議な時間だった。無事、順番に送り届けてもらって、目当てのバイクも無事下見でき、走行距離も大したことないし、全体に調子が良さそうだったので契約する。整備を経て10日後くらいに納車。契約の対応をしてくれたにこやかな初老の男性、腰が痛いと訴えていた親切な軽トラの男性、無口な整備の青年は、おそらく家族なのだろう。地元に根付いている感じの、いい雰囲気のお店だった。

この週末に読んだ本。貴志祐介『天使の囀り』(再読)、饗庭淵『対怪異アンドロイド開発研究室』。前者は内容チェックのため再読、そうそう、こういう話だった。蜘蛛がたくさん出てきた印象が強かったけど、未知の生物の脅威を扱ったSFホラーなのだった。後者はゲラで読ませてもらったが、アンドロイド視点の怪談ものというのが新しい。それだけなく怪異・怪談とは何か、という部分に理詰めなアプローチを試みているのが特色。牧野修や宮澤伊織のような知的アプローチのメタ都市伝説ものの収穫。

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