2023年10月14日土曜日

怪老人日乗:10月14日(土)

さて今日は大人しくキーボードで入力している。まあこっちが慣れているし、結局これまで通り入力することになりそうですが。

とはいえ音声入力に抵抗がある、というわけではない。それどころか原稿の下書きを口頭でやり、その録音データをテープ起こしして、それをたたき台にして原稿を書く、ということをこれまで何度もやってきた。解説など、頭がぐるぐるしがちな作業には向いているような気がする。やっぱり人間、ネタがないとしゃべれないじゃないですか。でも文章だと「何かある」と勘違いしてしまうのだよね。知識が曖昧なことでも、半端な思いつきのようなものでも、唸って書けばなんとかなるような気がしてしまうが、それが勘違いであることはしゃべってみればすぐに分かる。分かっていないことはしゃべれないのだ。

さて今日は肌寒いようだが、天気予報によると22℃まで上がるという。おそろしいのう、ほんにのう、きょうてえのう。というわけで今週は3連休があったせい&某月刊誌の入稿作業があったせいでなかなかに忙しく、毎日ひーひー言って原稿を書いていた気がするが、しかも風邪まで引いてしまって、ぼっけえ!きょうてえ!と叫ぶしかない状況だったが、なんとか5つ原稿を乗り越えて土曜に突入した。

ただし文庫解説は取りこぼし、これは週末で少し進める。それから月曜までのレビュー記事。合間に企画書きと書き下ろしをやろうかなあ、と思っているけれども、そううまくはいかないだろう。いずれにせよ今年ももう2か月強で、「来年には出しましょうね」と星海社のMさんが涙目で言うのを聞いて、「何をいってるんですか、当たり前じゃないですか、はっはっは」と笑っていたわけですが、こりゃ油断していると2024年にも本が出ない。まずいぜ。ただこれまでとの違いはわずかながら原稿が進んでいることで、このままじりじりやっていけばいつかは終わるような気がする。

さてついでにお仕事告知。好書好日に斜線堂有紀さんのインタビュー記事が掲載された。『本の背骨が最後に残る』は素晴らしいホラー短編集。夢野久作がいうところの「考えてはいけないこと」を考えまくった、禁断、耽美、残虐な小説が7編詰まっている。ゾクゾクする。インタビューを読んでいただくと分かりますが、斜線堂さんの受けたホラー英才教育がまた面白くて、そりゃあホラーマニアに育つわナアと感心しました。ぜひお読みください。


その他、『週刊新潮』10月19日号に書評(京極夏彦『鵼の碑』)を寄稿。『本の窓』ポッドキャストで一本木透さんと今村昌弘さんの対談の司会進行を担当。そんなこんなでホラーな日々を送っていますが、自分以外にホラーを専門とする書評家・ライターがいないのは淋しくもあり(もちろん東雅夫氏や笹川吉晴氏という先輩はいるが)ツイッターで書評を書いているような人たち、なってくれないだろうかと思うけれど、不安定だしめっちゃ稼げる仕事というわけでもないのでお薦めしにくい。

わたしは熱心な仏教徒でもないのだが、小さい時からなぜだか寺とか墓とか坊主とかお経とか、そういうブッディズムの意匠が好きで、好きが高じてこんな絵を描いてみた。現代の仏画として東京タワーに展示してくれないだろうか。駄目だろうか。



0 件のコメント:

コメントを投稿