怪老人日乗：3月19日（日）

さらりと日記を付けて出かけましょう。

家にいるとついだらだら、部屋の片付けものなどしてしまって仕事が進まない。事務仕事のこわいところは「何かやっている気」になれることで、そのくせ実は肝心な作業は進んでいないという。まあ足が痛いのに歯を抜いたみたいな、そういうわけのわからない呪術的思考の世界なので、きちんと現実を見て原稿を進めたりせねばならん。

とはいえ契約書を返したり、本棚を注文したり、掃除機をかけたりということもまた大事なわけで（『定本夢野久作全集』の全巻購入者特典、いまだに応募できていない）なかなかどうして人生ままならぬ。時間がーたーりーないー、と歌ったのはブックオフヘビーユーザーの清水国明で、まあそんな肩書きを覚えているのも20年前にブックオフに通っていた人くらいだろう。知りませんよね？

と呟きながらイケアの本棚をやっと注文した。引っ越しから2年ちかく、ついに段ボールがなくなるぞ。これまで講談社文庫と新潮文庫は段ボール箱に入れっぱなしだったのである。届くのは3月末、ラジオのリモート出演の日だが大丈夫かしら。収録中、宅配の人が乱入しないことを祈る。

コロナ禍で緊急事態宣言が出ていた頃、何度かビジネスホテルにカンヅメ仕事をしにいった。感染を避けるのが一番の目的だったけれど、事務作業から逃げられたこともあり、結構捗ったような覚えがある。脳の容量が少ない人間にとって、一日にできることはせいぜい2つか3つなので、事務作業や片付けでそれを喰われてしまうと、「もう動けません」になるのである。

昨日は所要あって横浜へ。横浜銘菓ハーバーでおなじみ「ありあけ」の喫茶店で墓石のようなケーキをいただきました。南無阿弥陀仏。