2018年7月15日日曜日

お仕事紹介


こちらでもお仕事紹介をまとめて。ざざざと。
 

まずは澤村伊智さんの『ずうのめ人形』(角川文庫)に文庫解説を寄稿しました。
『ぼぎわんが、来る』で鮮烈なデビューを果たした澤村さんの第二作にして、鈴木光司『リング』にまっこう勝負を挑んだ都市伝説ホラーとあって、刊行当時は「こ、こ、これは!」と大興奮したものです。その興奮さめやらぬまま確か「ダ・ヴィンチ」で澤村さんにインタビューさせてもらって、おそらくそのご縁が今回の解説につながったものではないかと。



短い枚数ゆえやや駆け足な解説になってしまいましたが、『リング』との関係に象徴されるメタ・ホラー性について言及した文章になっております。作品本編を堪能した後で、さらっとお読みいただけると幸い。7月24日発売。かみんぐすーん。


『ずうのめ人形』といえば、角川文庫創刊70周年記念のペーパーがですね、書店で配られることになるはずです(もう配られているのかな)。
そこに載っている宮部みゆきさん『過ぎ去りし王国の城』のインタビューと、宮部さん×澤村さんの対談のまとめも担当しました。稀代のホラーマニアでもあるお二人だけに、当日はアーサー・マッケンやマリオン・クロフォード、岡本綺堂や都筑道夫などの名前が出て、大いに盛り上がったのでした。
書店で見かけたら、ぜひゲットされたし。




すでに書店に並んでいるものとしては、『ダ・ヴィンチ』8月号に『星空の16進数』(KADOKAWA)を刊行した逸木裕さんにインタビュー。見出しを引用しますと「11年前の誘拐事件に秘められた謎 色彩豊かな感動のミステリー」。他人とのコミュニケーションは苦手ながら、抜群の色彩感覚をそなえた主人公が、11年前に自分を数時間誘拐した犯人を探すよう私立探偵に依頼する……という魅惑的な冒頭から、事件は思わぬ方向へと展開してゆきます。




これまで二転三転するプロットが特色だった逸木さんですが、今回はあえてストレートな私立探偵モノ+青春モノ。色彩によってつながる人の縁が感動を呼ぶ、逸木ミステリーの新境地と呼べるものになっています。




『小説 野性時代』8月号では「偽りの春」で第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した降田天さんにインタビュー。『女王はかえらない』でこのミス大賞を受賞してデビューした降田さんは、萩野瑛さんと鮎川颯さんからなるコンビ作家。インタビューでは倒叙ミステリーファン必読の受賞作創作秘話から、気になるコンビでの執筆作法まで、いろいろお話をうかがっています。息もぴったりのかけあいをお楽しみください。




あとは。
朝日新聞社WEB『好書好日』で連載している「朝宮運河のホラーワールド渉猟」ですが、順調に月3回、土曜日(金曜から土曜になりました)に更新されています。
初回の飴村行さんインタビューに続き、第2回の怪奇幻想時評では山尾悠子『飛ぶ孔雀』(文藝春秋)を入り口に幻想文学再評価の機運を紹介しました。第3回のブックレビューでは読みやすい訳と装画の美形ラヴィニア・ウェイトリーが一部で話題を呼んでいるH・P・ラヴクラフト『「ネクロノミコン」の物語 新訳クトゥルー神話コレクション2』(森瀬繚訳/星海社)を詳しくレビューしています。




 次回更新は7月21日(土)の午前10時。ビッグな方にインタビューしていますので、こちらもお楽しみに。この連載については完全に好き勝手やらせてもらっていますので、今後もマニアックな路線を突き進む予定。
こんな感じでしょうかネ。


https://book.asahi.com/series/11014826



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