怪談専門誌『幽』19号(メディアファクトリー)が発売になりました。
しかし、もう19号ですよ。次なんて20号。来年には創刊10周年です。
早いよねえ。そりゃ年も取るはずだ……。と、鏡の中の白髪鬼めいた自分と対話しながら、魅惑の『幽』19号、紹介いたします。
第一特集が「お化け好きに捧げる能楽入門」。
能楽?興味ないね!と路傍にチューインガムを吐き捨てる、そんなあなたにこそ読んで欲しい怪談サイドからの能楽へのアプローチ。
桜庭一樹さんと能楽師・津村禮次郎さんの対談「能と文芸と」、皆川博子さんらによる能楽偏愛コラム「私の愛した一曲」、 門賀美央子さんによる入魂のガイド「怪談能SELECT100」など、怪談を入口に鎮魂の芸能たる能の奥深い魅力に迫っています。
個人的には、安部龍太郎氏の戯曲「黒髪の塚」と、能楽師・安田登氏のインタビュー「招魂し鎮魂するという日本人古来の心性」に非常に感銘受けました。
この二つを続けて読んだことで、「怪談=鎮魂の文学である」という言葉の意味が、やっと腑に落ちたような気がしています。
京都に住んでいた頃は、何度か(どんな理由だったかは忘れた)能楽堂に足を運んだこともありましたが、その後は能とはすっぱり縁が切れていました。しかし、しかし。この特集を読むと、なんとも面白そうじゃないの。今年は是非、脳を、じゃなかった、能を観にいかねばなりますまい。
さて、能のつぎは『ムー』です。
第二特集は『幽』VS『ムー』、ということで時空を超えて対峙する二大幻想雑誌が、まさかのコラボレーション。 この特集では、『ムー』編集部の皆さんに恐怖体験談をお話しいただく、というインタビュー記事を担当しました。で、すっごい話ばかりです。
こっそり持って帰って、次号の『Mei』の連載に書きたいナア、と思ったくらい強烈なエピソードが満載。『ムー』的現象だなあ、というエピソードもありますので、両誌のファンは是非ご覧ください。
黒史郎氏と水沫流人氏の「『ムー』な怪談小説」にも注目。うーむ、どちらも奇々怪々で面白かった!水沫先生の新作が読めるというだけで、今回の『幽』はマストバイ、でありましょう。
他にはブックレビューコーナー(東雅夫編『大正の怪談実話ヴィンテージ・コレクション』を書評)、第7回『幽』怪談文学賞授賞式レポートを執筆。ご覧いただけると幸いであります。
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そうそう。
『幽』といえば、8月10日(日)、石川県の金沢能楽美術館にて、イベント「能楽、その怪しく幽けき世界」~『怪』×『幽』×お化け大学校presents~が開催されます。
内容は、京極夏彦氏の朗読、東雅夫氏と郡司聡氏のトークショーなど。
詳細は下記アドレスまで。
http://topix.incl.ne.jp/nohgaku/index.php?flg=topics&sflg=270&ssflg=2
私は今朝、申し込みました。
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