2026年6月7日日曜日

怪老人日乗:6月7日(日)

いやあひさしぶりの日記となってしまった。山を越えるような人生である。海を泳ぐような人生である。まるでマグロが登山をしているようだ。まったく意味が分からないと思うが、書いている方もわからずに適当に書いているので許してくだサイクロプス。というわけでですね、まあでも6月初旬は忙しいんだよな。忙しかったではなくて目下忙しい。あー、まずいなーと毎日呟いて暮らしている。予定表を見ては、まったく間に合っていない進行にため息をついている。

進行が遅れているということは、言うまでもないことだが、いろんな方に負担をかけてもいるわけで、そういうのはとっても心臓によくない。私だって適当人間ではないので、そういうのはやっぱり心に染み入る蝉の声なのだ。赤子のような声が、窓の外から聞こえてくる。バブーバブー。

とはいえですね、粛々とやるしかない。先週はアンソロジーの編者解説(17枚)をひとつ書いて、某月刊誌のレギュラー記事を書いて、それで終わってしまった。一週間のうちに2つイベントがあったからなあ。働ける日が普段より少なかったというのもありますね。まあがんばろう。

昨日(6日)は大阪の梅田ラテラルにてトークイベント。ラテラルさんに声をかけていただくのは去年夏に続いて2度目である。『日本ホラー小説史』についてのイベントを、ということで即座に思い浮かんだのが大阪在住の牧野修さんで、お声がけしてご快諾をいただいた。ありがたいことであった。イベントでも話したことだが、牧野さんには20年くらい前にコーヒーをおごっていただいたことがあるのだ。それが嬉しくて、昨日あらためてお礼をお伝えすることができた。

大阪イベントはよく新幹線が止まって遅刻するので、7時台に家を出る。9時ちょっとののぞみに乗り、車中でおべんとうを食べて11時45分頃には新大阪着。よしよし、いい感じだ。しかし大阪駅と梅田駅の関係がいまだによく分からず、ちょっと道に迷う。阪急のヘップファイブがあるあたりまで出てくれば、関西に住んでいた頃よく遊びにきたあたりなので、若干は勝手知ったるなのだが。時間がちょっとあったのでコンビ二プリントで配布資料を25部印刷。家からデータをコピー機に送信しておいたのである。近未来ウォーリアー。東通商店街(ここもまんだらけがあるのでよく来た)を歩いて、ラテラルに着。そうこうしてたら牧野さんも到着されて、二人で控え室であれこれ。その時点ですでに楽しかったです。いろいろホラーのことをお話しできて。

イベントはそれなりにお客さんも入り、牧野さんのおかげでいい感じでトークが進行し、情報盛りだくさんの2時間となりました。牧野さんのホラー体験とかデビュー前後の経緯をうかがいながら、ホラー定着の流れをおさらいするという流れ。先日亡くなった鈴木光司さんのお話からはじまって、ウルトラQ、筒井康隆の衝撃、高校生作家デビューの話、幻想文学新人賞や日本ホラー小説大賞のこと、小林泰三さんの思い出、謎の作家「幽戸玄太」の正体、モキュメンタリーと実話怪談のことなど。ホラーは語り方だ、という解説などは聞き応えがありました。しかも終始絶妙なユーモアが漂うあの牧野さん独特語り口でありまして、横でうかがっていてもほっこり和む感じなのでした。




お客さんも牧野さんファンが来ておられて(埼玉県から来られた方も)会話を交わしておられました。書籍も10冊持ち込んで9冊売れ、非常にいい成績。それは牧野さんが漂着便というおまけをつけてくださったからでしょう。重たい本を持っていってそのまま持ち帰るのはつらいからなあ。売れてよかった!会場には作家の最東対地さん、織守きょうやさんにも来てもらって、心強かったのですが、さらに後ろのほうには我孫子武丸さん、北野勇作さんも座っておられて、いやあ、なんというか豪華な会場であった。配信を見ていたら田中啓文さんからもコメントが入り、ううむ、ありがたいことです。

イベント後はサインなどをして、皆さんとご挨拶。イベントを続けると顔なじみの方々もできて、またXで繋がっている方も初めてきてくださったりして、なんというかありがたい限りなのであった。私は極めてポンコツであるが、ありがたいことに人には恵まれている人生である。撤収してラテラル前の店で打ち上げ。最東さん、織守さん、我孫子さん、北野さんも来てくださって6人で楽しくホラーの話をする。あの映画が、というと大体の人が見ている状態で、とっても話が早く、ホラー好きが集まる機会ってそうそうないから楽しかった。我孫子さんと織守さんが行ってきたという上海のお化け屋敷のこともうかがう。向こうではずいぶん盛りあがっている様子である。

6時半くらいまで楽しく飲んで(さらっと入ったが美味しいお店だった)、駅まであるいて解散。ハッピーデイ。我孫子さんには駅構内を歩きながら「ライター一本で生活してるの、それは大変だなあ」と言われる。そうです、大変なんです。配信よ売れてくれ、と思う。




新大阪駅で家へのお土産あれこれ買う。出張をするとお土産を買うことになり、結局赤字になるのであるが、まあ一日留守にしているからいいでしょう。いつもは遅い時間に行くから買えないりくろーおじさんのチーズケーキ、今回は無事買えた。それでも15分くらい並ぶ。あとは堺のけし餅とか、千枚漬けとか。しかし新幹線って思ったより揺れる。こんなに揺れるんだっけ。と前回もそういえば思ったな。意外と本も読めず、ついXなどを眺めてしまうが、それでもがんばってテープ起こしを30分進める。がんばっておかないと、帰ってからたいへんだ。と思ったけど、まあそこまでがんばれる人間でもないので、体を休める。

日付が変わる前に帰宅して、お風呂に入って寝る。


(牧野修さん、私、我孫子武丸さん)

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